アイリッシュセッターのすべて!歴史や性格、飼い方などや注意点をまとめました
愛玩犬として小型犬の人気は高いですが、大型犬も負けてはいません。長い被毛とスラリと長い足が特徴的なアイリッシュセッターは、猟犬として高い能力を持ちながら、陽気で明るい性格をしていて、周囲をなごませてくれます。ここではそんなアイリッシュセッターの歴史、特徴、性格、育て方についてご紹介します。
アイリッシュ・セッターのルーツや特徴について
アイリッシュセッターは猟犬として活躍をしていた犬という印象が強いですが、どんな特徴を持った犬なのでしょうか。ここではアイリッシュセッターの歴史や体型・体質、被毛・毛色、寿命・かかりやすい病気についてご紹介します。
アイリッシュセッターの歴史
アイリッシュセッターはイギリス・アイルランド原産の大型犬です。「セッター」はハンティングを行うときに獲物の前で「セッティング」というポーズを取ることから名付けられました。17〜18世紀ごろにスパニエルやテリア犬、ポインターなどと交配することにより生まれたのが「アイリッシュセッター」です。
猟犬として活躍していましたが、19世紀にドッグショーへ参加し沢山の人から高い評価を得ることになりました。1886年にイギリスで犬種標準書が作成され、それと同時に猟犬としての高い能力を高めるために交配も行われてきました。
アイリッシュセッターの特徴
犬は世界各地に存在しており、その地域にあった進化を遂げています。ここではイギリス・アイルランドで生まれ、猟犬として活躍したアイリッシュセッターの特徴についてご紹介します。
体型や体質
アイリッシュセッターは体高が64〜69cm、体重27〜33kgの大型犬で全体的にスラリとした体をしています。スリムに見える骨格ですが、全身にはしっかりと筋肉がついています。垂れ耳で胸や足回り、尻尾に飾り毛があります。
被毛や抜け毛について
アイリッシュセッターの毛色はマホガニーレッドです。ドッグショーではブラックが入った犬は失格になります。被毛はシングルコートの長毛種で、顔まわりの被毛は短いです。抜け毛はやや多めなので、定期的にブラッシングを行い除去してあげましょう。
アイリッシュセッターの寿命
アイリッシュセッターの平均寿命は12〜15歳です。寿命は生活環境や遺伝的要因などに左右されます。生活環境を清潔に保ち、できるだけストレスをかけない生活を心がけましょう。
アイリッシュセッターがかかりやすい病気
かかりやすい病気は「胃捻転(いねんてん)」「皮膚疾患(ひふしっかん)」「進行性網膜萎縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)」などです。
胃捻転
胃捻転はアイリッシュセッターのように胸が深い犬によく起こり、緊急性の高い病気です。なんらかの原因により胃がグルンと捻れてしまった状態で、血液の循環が滞り、最悪壊死する可能性もあります。元気がなくなり、嘔吐や腹痛、呼吸が荒くなるなどの症状がアイリッシュセッターに見られます。治療は捻れた胃を元に戻す手術を行いますが、手術時に胃が捻れにくくなるように胃腹壁固定術を行うことも多いようです。
予防として、食後はアイリッシュセッターが急に走りまわることのないようにしばらく安静にさせるなどの対策をとりましょう。
皮膚疾患
皮膚疾患は皮膚に赤みや痒みなどの症状が見られ、進行すると膿むこともあります。犬が足で体を引っ掻くことで進行することも多く、できるだけ早く治療を開始することが望ましいです。
進行性網膜萎縮症
進行性網膜萎縮症は遺伝病とされる疾患で、完治させるための治療法はありません。網膜が萎縮するため、視力が落ち、進行していくと失明にまで至ります。予防法がないため、アイリッシュセッターが発症した場合は生活面でできるだけフォローしてあげることが重要です。
アイリッシュセッターは落ち着いた性格
犬の性格は1頭1頭異なります。陽気な犬、賢い犬、警戒心が強い犬など様々な犬がいます。ここではアイリッシュセッターの性格についてご紹介します。
誠実で愛情深い
アイリッシュセッターは誠実で愛情深い性格をしています。家族に対しても愛情深いため、子供にも優しく接します。陽気で、他の犬と喧嘩することも少なく、とても温厚です。アイリッシュセッターは細かいことにあまり動じることがなく、落ち着いていて安心できる優しい犬種です。
知能的で勇敢
アイリッシュセッターは知能的で勇敢な面もあります。もともと猟犬として活躍していたため、賢く、状況を判断する能力を持ち合わせています。アイリッシュセッターは体力もあり、たくましい性格をしています。
アイリッシュセッターを育てるうえでのポイント
アイリッシュセッターは猟犬として活躍していたため、体力もあり、運動量も多く必要な印象を受けますが、どのように育てていけば良いのでしょうか。ここではアイリッシュセッターの育て方についてご紹介します。
- しつけ
- ケア
- 運動
- 環境
1.しつけ
アイリッシュセッターはもともと賢く、飼い主に対して従順な犬なので、しつけは比較的しやすい犬種です。まれに小動物を本能的に追いかけることがあるため、「待て」「座れ」「伏せ」などの基本トレーニングはしっかり教えましょう。アイリッシュセッターのような大型犬は人より力が強く、引っ張られてしまうこともありますので、家族でしっかりしつけをしておく必要があります。トラブルに巻き込まれることもありますので、散歩中や外出中は注意しましょう。
2.ケア
アイリッシュセッターのケアは比較的簡単です。ブラッシングも週に2、3回行い、気になるときにその都度行う程度で問題ありません。シャンプー・爪切り・耳掃除は3週間〜1ヶ月に1度程度で行いましょう。アイリッシュセッターはたれ耳なので外耳炎(がいじえん)などの疾患にかかりやすい傾向があります。散歩後に耳の中を確認することで病気の予防を心がけましょう。
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3.運動
アイリッシュセッターはかなりの運動量を必要とする犬種です。1日2回、1回1時間程度の散歩でも足りないことがあります。体力があるため、運動をできる時間をたくさんとるように心がけましょう。
犬の状況に応じてドッグランなどで走り回れる場所に連れ出してあげると良いかもしれません。アイリッシュセッターは運動量が足りないとストレスが貯まり問題行動を起こすこともありますので、物を壊す、噛む・吠えるなどの行動が見られた場合は今までの運動量を見直してみましょう。
4.環境
アイリッシュセッターは体が大きいので広い部屋は必須です。足を伸ばして休めるスペースを確保する必要がありますので、大きめのケージが置けるようにしておきましょう。動きも大きいため、犬の行動範囲にあまり物を置かないように生活環境を整えておくことも重要です。アイリッシュセッターはシングルコートの犬種なので寒さが苦手です。冬場の室温などには注意しましょう。
アイリッシュセッターは初心者でも飼いやすい犬種
ここではアイリッシュセッターについてお話しました。人懐こく、温厚、とても優しい性格をしているため、子供がいる家庭にも向いています。賢いのでしつけトレーニングもしやすく、初めて犬を飼育する方でもしつけることができるでしょう。
しかし、アイリッシュセッターは猟犬として山を走り回っていた犬種なので、体力があり、1日に数時間の運動を必要とします。そのため、あまり散歩の時間を取れない、忙しい方には不向きです。犬は運動不足になるとストレスが溜まり、問題行動を起こしてしまうこともあります。
犬と一緒に運動したい方、アジリティなどの犬と一緒に行うスポーツを楽しみたい方にオススメです。アイリッシュセッターはとても魅力のある犬です。アイリッシュセッターに合った飼育方法に近づけることで、飼い主にとって素敵なパートナーになることでしょう。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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