ホワイトシェパードの育て方、しつけの注意点は?性格や特徴の魅力
ドイツが原産のジャーマンシェパードのなかで、白く美しい被毛を持つ犬をホワイトシェパードと言います。 一時期は、白いシェパードは番犬や使役犬にそぐわないとされ、絶滅しかけたこともありましたが、今ではヨーロッパなどを中心に人気の犬種となっています。
ホワイトシェパードってどんな犬種?
ホワイトシェパードは、ジャーマンシェパードから時々産まれる白い被毛を持った犬で、ジャーマンシェパードよりも性格が温厚であったことから人気の出た犬種です。
ホワイトシェパードの歴史
アメリカで大変人気の出たホワイトシェパードは、1917年にはアメリカンケンネルクラブに正式に公認されました。
ところが、その温厚な性格が災いし、番犬や使役犬としては適さないと判断されると、一転してホワイトシェパードを排除する動きが始まりました。
特にドイツではその動きが強く、白い被毛自体が犬種標準からも排除されてしまいました。ただし、その動きに反対するホワイトシェパード愛好家が熱心に保護活動を行い、絶滅の危機は回避することができました。
その後は、温厚な性格や賢い気質がヨーロッパやスイスで人気が広がり、日本でも2001年にホワイトシェパード犬協会が設立されていますが、現在でも一部の展覧会などでは、ホワイトシェパードは参加が許されていない場合もあります。
ホワイトシェパードの特徴
ホワイトシェパードの体型などの特徴を紹介します。
体型、体質
ホワイトシェパードは大型犬に属し、ジャーマンシェパードよりは大きめであることが多いです。
- 体高:55~70㎝
- 体重:30~40㎏
名前にホワイトと入るだけあり、真っ白い体は引き締まり立ち姿は大変美しいとされ、太く垂れた尻尾がそれをさらに強調させています。ホワイトシェパードの耳は若干大きめの立ち耳で、鼻の色と肉球の色は同色のダークブラウンとなります。
また、端正な顔立ちをしているのですが、体の割に目が少し小さく感じる個体もいて、それが逆にホワイトシェパードの親しみやすい愛らしさをかもし出しています。
寿命やかかりやすい病気
ホワイトシェパードの平均寿命は10~12年です。これは一般的な大型犬の平均寿命とほぼ同じで、飼育環境や食事の内容、運動量などによっては14~15年ほどまで長生きする犬もいます。
かかりやすい病気としては、大型犬には多い股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)があげられます。ホワイトシェパードを大型犬だからと過度な運動をさせ過ぎると、起こる可能性が高まります。
ホワイトシェパードにも運動は必要ではありますが、子犬の頃から激しい運動をさせるのではなく、しっかりと筋肉を付けさせてから、適切な時間と量で行うようにしましょう。
被毛や抜け毛について
ホワイトシェパードの真っ白く美しい被毛は、ダブルコートで密集して生えている特徴があります。被毛の長さは、ロングタイプとミディアムタイプの2種類に分かれます。
ダブルコート犬種は、年に2回の換毛期には多くの被毛が生え変わり抜け毛が増えますので、その時期にはこまめなブラッシングが必要となります。
また、現在のドイツではホワイトシェパードの交配をする際には特にカラーに重点をおいていて、被毛は純白であればあるほど素晴らしいとされています。
ホワイトシェパードの性格
ホワイトシェパードは大変賢く、飼い主には忠実で家族以外の人にも友好的に接することのできる犬種です。
オーストラリアなどでは賢く忠実な性格が買われ、ホワイトシェパードは作業犬や災害救助犬などとしても活躍しています。
注意深い性格で周りの空気を読むことも
ホワイトシェパードは、頭の回転が大変早く、賢い犬種だとされています。
飼い主のしつけをきちんと守ることもでき、さらに飼い主の態度や表情などから気持ちを上手に読み取り、周りの雰囲気に合わせて行動をするところもあります。 ホワイトシェパードは家族が悲しい表情をしている時などは、優しくそっと寄り添ってくれるような優しい性格も持ち合わせています。
温厚で優しい性格
ホワイトシェパードは、ジャーマンシェパードが持つような攻撃的な部分がほとんどなく、温和で優しくおっとりとした性格であることが多いです。
初めての人ともすぐに打ち解けて友好的な態度を見せるところもあり、家庭犬としては最適で小さなお子さんのいる家庭でも安心して飼育することができます。
また、ホワイトシェパードは犬同士でも仲良く接することができますので、多頭飼育にも向いています。
ホワイトシェパードの育て方
ホワイトシェパードの育て方やしつけの注意点などを紹介します。
- ケア
- しつけ
- 運動
- 環境
1.ケア
ホワイトシェパードはダブルコート犬種なので、日々のブラッシングは欠かさないようにしましょう。また、その美しい白さを保ちたいからといって、シャンプーをこまめにやり過ぎてしまうと、皮膚トラブルを起こしてしまう可能性が高まります。
犬の皮膚は人間の皮膚より薄くデリケートですので、シャンプーは月に2回程度までとし、それ以外は固く絞ったタオルなのでホワイトシェパードの皮膚や被毛を拭いてあげる程度にしておきましょう。
2.しつけ
ホワイトシェパードは、訓練性の高いジャーマンシェパードの特徴を引き継いでいますので、しつけにはきちんと付いてくることができます。ただし、誰がリーダーであるのかをしっかりと明確に意思表示し、堂々とした態度で接していかないと指示に従わなくなってしまいます。
また、指示の出し方に迷いや不安があると、ホワイトシェパードはそれを鋭く察知し、指示に従うべきなのかどうなのか迷い混乱してしまいます。 とは言え、あまり大声ばかりで指示を与えると、性格的に萎縮してしまうこともありますので、その点は気を付けるようにしてください。
3.運動
ホワイトシェパードは、性格的にはジャーマンシェパードとかなり違いが出てきますが、運動能力的にはほぼ同じだと思って構いません。そのため、毎日1時間程度の散歩を、可能であれば2回程行ってホワイトシェパードが運動不足にならないように気を付けてあげましょう。
ただ歩くだけではなく、時には思い切り走らせてあげたり、宝探しなどの頭を使う遊びをしてあげたりすると大変喜びます。
4.環境
ホワイトシェパードは賢い犬種のためしつけも行いやすく、おっとりしているところもありますので大型犬ではありますが室内飼育に適しています。 また、ホワイトシェパードは暑さはあまり得意ではありませんので、夏場は空調などを利用して温度調整をしてあげてください。
ホワイトシェパードと過ごす幸せな時間
ホワイトシェパードは、日本での飼育数は2010年頃の時点で30頭にも満たないレベルではありましたが、熱心な愛好家やブリーダーの努力で少しずつではありますが飼育頭数が増えてきています。
ホワイトシェパードをこれから飼育したいと考えている人は、ペットショップなどで目にすることはまずありませんので、信頼のおけるブリーダーを探して、一度尋ねてみるのがおすすめです。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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