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柴犬は「天然記念物」!天然記念物に指定された経緯は?なぜ飼育しても大丈夫なの?

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美しい毛並みにくるんと巻かれた尻尾、ピンとした背筋にシャープな顔立ちの柴犬は、日本国内にとどまらず海外の方からも人気があり、世界中で愛されています。そんな日本犬を代表する柴犬ですが、実は天然記念物だということをご存じでしょうか。本記事では、柴犬が天然記念物として認定された経緯やその他の天然記念物の日本犬について解説していきます。柴犬の歴史なども併せて解説していきますので、柴犬について詳しく知りたい方は是非参考にしてみてください。

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目次

  1. 柴犬は天然記念物に指定されている?
  2. 天然記念物なのに飼うことができるのはなぜ?
  3. 柴犬以外の天然記念物のワンちゃん
  4. まとめ

柴犬は天然記念物に指定されている?

柴犬

柴犬は日本犬を代表する犬種であり、日本犬と言えば真っ先に柴犬を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。柴犬は日本で古くから愛され、今でも根強い人気を誇り、そして日本だけでなく海外でも人気を得ています。皆さんも街を歩いていると、柴犬を見かけない日は無いと言ってもいいほど頻繁に見かけるのではないでしょうか。

そんな身近に感じる柴犬ですが、実は国の天然記念物に指定されているのです。意外と知られておらず、柴犬を飼っている方でもご存じでない方も少なくありません。

天然記念物に指定されている犬種のうち、柴犬は現存の中で最も飼育頭数が多いとされています。天然記念物に指定されているからこその人気と貴重さは、柴犬ならではの魅力の一つですよね。ちなみに、天然記念物には柴犬だけではなく、その他の日本犬も指定されています。

柴犬が天然記念物に指定された経緯

そもそも柴犬のルーツは縄文時代にまで遡り、大昔から人間と共に生きてきたと考えられていますが、どういった経緯で天然記念物に指定されたのでしょうか。柴犬が天然記念物に指定された経緯についてご紹介しましょう。

明治時代の文明開化で純血の柴犬が激減

柴犬が天然記念物に指定された経緯としては、まずは明治時代の文明開化が関係しています。

鎖国をしていた日本が幕末に開国した頃、これまで日本犬しか孫座しなかった日本に洋犬が入ってくるようになり、人々は洋犬に魅了されるようになりました。

洋犬が珍重される一方、日本犬は洋犬との異種交配が進み、純粋な柴犬は激減したと言われています。純血の日本犬ではなく洋犬との雑種犬が増えていったのです。

今でこそ柴犬をはじめとする日本犬と洋犬のミックスは当たり前のように可愛がられていますが、当時は、日本犬の個体数が激減していくことに大きな危機感を抱いた人々により、純血の日本犬を保護する働きが何度も行われていました。

昭和時代初期に天然記念物に指定

昭和に入ると日本犬の純血種を守ろうとする風潮が高まり、1928年(昭和3年)には、『日本犬保存会』が設立され、その6年後の1934年(昭和9年)には『日本犬標準』が制定されています。

日本犬の絶滅を危惧した日本人は、日本犬を守る運動を何年にも渡って行い続け、そしてついに、1936年(昭和11年)の12月16日に、柴犬が天然記念物に指定されることになりました。

柴犬が天然記念物に指定されたきっかけとしては、洋犬の輸入と交配が関係していることが分かりました。随分昔から、天然記念物に指定されていたのですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。柴犬は上記のような経緯から天然記念物に指定されたということが分かりました。

柴犬が天然記念物に指定された経緯のポイントは以下の通りです。

  • 明治時代の文明開化によって洋犬が輸入されるようになった
  • 洋犬との交配によって純粋な柴犬が減った
  • 純血種を保護するために、1936年に柴犬を天然記念物に指定した

今や多くの人が柴犬を飼っていますが、柴犬は絶滅の危機に瀕した過去があるという事実に驚きですよね。

天然記念物なのに飼うことができるのはなぜ?

柴犬

柴犬が天然記念物に指定されていることを踏まえると、「天然記念物なのになぜ普通に飼うことができるの?」という疑問が浮かんでくるかと思います。

その理由としては、天然記念物の場合は「種の保存のためには、飼育や繁殖をしても問題ない」とされているからです。

天然記念物に指定されていると聞くと、手厚く保護されそうなイメージを持つかと思いますが、そうではなくどちらかというと絶滅せずに生息することが重要なのです。

そのため、柴犬は天然記念物でありながらも一般家庭でも飼育や繁殖を行うことができるのです。

一方、特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオやイリオモテヤマネコ、トキなどは、文化財保護法の対象となるため文化庁長官の許可なしに飼育することはできないと言われています。

柴犬以外の天然記念物のワンちゃん

秋田犬

柴犬は天然記念物に指定されていることが分かりましたが、柴犬以外に天然記念物に指定されている犬種はあるのでしょうか。「柴犬が天然記念物なら他の日本犬も指定されているのでは?」と考える方も少なくありません。実際のところ、柴犬以外の5種の日本犬が国の天然記念物に指定されています。ここでは、柴犬以外の天然記念物に指定されている犬種をご紹介していきます。

秋田犬

日本犬といえば秋田犬も有名ですよね。

秋田犬は日本犬の中で唯一の大型犬のワンちゃんです。

ご存じの方も多いかと思いますが、「忠犬ハチ公」のモデルとなったワンちゃんも秋田犬ですし、テレビで一躍有名になった「わさお」も秋田犬です。

秋田犬は、奥羽山脈一帯でクマの狩猟犬として飼われていたということもあり、他の日本犬と比べても身体が大きく、保守的で警戒心が強い性格をしています。

そんな性格をしていながらも、秋田犬は飼い主に対して従順な一面もあり比較的飼いやすいと言われています。

そんな秋田犬ですが、日本での登録数が年々減少しているため、日本犬の中でも貴重な犬種と言えます。

紀州犬

秋田犬に続き、紀州犬も天然記念物に指定されている日本犬の一つです。

紀州犬は現在の和歌山県・三重県付近の山岳地帯で生まれたワンちゃんで、もともとは柴犬と同じようにウサギやイノシシなどの小動物を狩る狩猟犬として活躍していました。

紀州犬はかつて、その土地にならって「奥吉野犬」「那智犬」「熊野犬」「太地犬」とも呼ばれていたそうですが、現在では紀州犬として統一されています。

紀州犬の性格は真面目で落ち着いた性格をしており、狩猟犬特有の警戒心や独立心の強さも持ち合わせています。

赤毛や胡麻毛が少数いますがほとんどは白毛で、白毛が貴重で赤毛が多数な柴犬とはここが大きく異なります。

体格は他の日本犬よりもがっちりした子が多く、スタイリッシュな柴犬と見比べるとその体格の違いは一目瞭然です。

四国犬

四国犬は別名土佐犬とも呼ばれていますが、土佐闘犬と紛らわしいことや、別の地域にも存在していたことから四国犬と呼ばれるようになりました。高知県を中心に国山脈の山間部で暮らしていた犬種と言われています。

土佐犬はヤマイヌと呼ばれる野犬にルーツがあることから、その素朴さとともに日本狼と間違われることもあるほど、野性的な気迫があります。

性格としては、飼い主には比較的忠実ですが、野犬にルーツがあることから闘争心が強く、あまりペット向きではないとされています。

毛色は、胡麻毛が最も多く赤毛や黒毛もわずかながら存在しています。柴犬の毛色の中では、胡麻は最もレアとされているので、胡麻色が多いのは驚きですよね。

北海道犬

別名アイヌ犬とも呼ばれる北海道犬は、北海道で狩猟をするために飼われていたワンちゃんです。ご存じの方も多いのではないでしょうか。

北海道犬は柴犬に似ており、一見間違われることも多いですが、北海道で生まれ育ったということもあって柴犬よりも更に寒さに強く、持久力があるのが特徴です。

また、北海道犬の性格としては、他の日本犬と同じように飼い主に対して忠誠心が強く従順と言われています。

更に、北海道犬も狩猟犬として活躍していた歴史があるため、勇敢さと警戒心も併せ持っているところが日本犬ならではの特徴の一つです。

毛色は柴犬と同じで赤毛、白毛、黒毛、胡麻毛などバリエーション豊富です。

甲斐犬

甲斐犬とは、南アルプスの周辺の山岳地域でカモシカやイノシシを狩りを行う狩猟犬のことを言います。

狩猟犬であったその歴史から、足腰の筋肉が発達しており、柴犬よりも一回り大きいサイズ感の子が多いと言われています。

甲斐犬の毛色は、基本的には虎毛がほとんどなため、別名甲斐虎犬とも呼ばれています。

毛の色の濃淡で黒虎毛・中虎毛・赤虎毛と区分されており、それぞれ違った魅力があります。

柴犬の歴史

柴犬が天然記念物だということを踏まえ、柴犬の歴史について簡単に見ていきましょう。

ご存じの通り柴犬の歴史は古く、縄文時代の遺跡から現在の柴犬の祖先と言われている縄文犬の骨が見つかっています。

縄文犬は主にウサギやイノシシなどを追いかける狩猟犬として活躍しており、人間と共に暮らしてきました。柴犬特有の警戒心の強さや、ドライで自立心の高い性格は、このような背景があるのですね。

また、柴犬は大きく信州柴、美濃柴、山陰柴の3つに分かれると言われていますが、激減した柴犬を保護するため3種を超えての交配が行われ、絶滅の危機を乗り越えたとされています。

その結果、現在では日本国内にとどまらず世界中で愛される人気の犬種となっています。

まとめ

柴犬

いかがでしたでしょうか。本記事では柴犬が天然記念物に指定された経緯や、天然記念物に指定されているにもかかわらず飼うことができる理由、そして柴犬以外の天然記念物に指定されている犬種についてそれぞれご紹介しました。

そもそも柴犬が天然記念物だということをご存じでない方も多いはずです。普段見かける柴犬が、実は天然記念物だと言うことを知ると見方が変わってきますよね。

実際のところ、天然記念物だからという理由で柴犬を選ばれる方も少なくありません。皆さんも、ワンちゃんを迎えるにあたって天然記念物である柴犬を検討されてみてはいかがでしょうか。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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