お迎えしたばかりの子犬は夜鳴きをすることがあります。一晩中鳴かれてしまうと心配でなかなか眠ることができないですよね。また、近所迷惑の懸念もあるため、飼い主さんとしては一刻も早く安心して眠れるようになってほしいと思うものですが、一体どう対処したらいいのか分からないという方も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、子犬が夜鳴きをする理由と、その対処法についてご紹介したいと思います。

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子犬が夜鳴きをする理由ってなに?
犬は話すことができないので、吠えたり鳴いたりして飼い主さんに自分の気持ちを伝えようとしています。まずは子犬が夜鳴きをする理由を探っていきましょう。
①心細い
犬はもともと群れで生活していた動物なので、1匹で過ごすことが苦手だと言われています。ブリーダーさんのところから迎えた子の場合、母犬や兄弟犬たちと毎日一緒に眠るという環境で育った子であれば、慣れない環境で1匹で眠ることに寂しさを感じて夜鳴きをしている可能性があります。
②安心して眠れない
寝床が落ち着かない、安心して眠れる環境じゃないという場合、夜鳴きをすることがあります。人の行き来が多い場所や明るい場所、にぎやかな場所、暑い・寒い場所だと、ぐっすり眠ることができません。また、トイレと寝床が近いと不衛生だと感じて鳴いて飼い主さんに伝えようとしていることもあります。
③要望がある
「遊んでほしい」、「お腹が空いた」、「トイレに行きたい」など、何らかの要望があって夜鳴きをすることもあります。退屈だから飼い主さんに構ってほしいと思っているときやご飯を食べたいと思っているときに夜鳴きをしてアピールしているのです。
また、子犬は成犬と比べてトイレの回数が多いです。そのため、寝る前に排泄させたとしても、夜中に排泄したくなることも珍しくありません。犬は綺麗好きなので、寝床とトイレが近いことで排泄を我慢してしまい、「外に出して」という意味を込めて夜鳴きをしている場合もあります。
④ストレス
運動不足によりストレスを感じて夜鳴きをすることもあります。日中は仕事で家を空けていて運動する機会を設けてあげられない場合には子犬は寝て過ごす時間が大半になるため、体力が有り余っていて夜眠くならないというケースも珍しくありません。夜ぐっすり眠れないと体内時計が乱れるほか、疲れも取れないので体調を崩してしまうこともあります。
⑤体調不良
怪我や病気でどこかに不調をきたしている場合、痛みや不快感から鳴いたり、飼い主さんに違和感を伝えるために鳴くケースもあります。体調不良の場合には嘔吐や下痢、食欲不振、元気がないといった様子が見られますが、子犬は状態が悪化しやすいので、様子を見ずになるべく早く動物病院に連れていきましょう。
子犬が夜鳴きをしているときはどうすればいいの?
小さな子犬が夜鳴きをしていると、「どうしたのかな」と気になって眠れなくなってしまいますよね。夜鳴きをするということは飼い主さんに何かを訴えているため、うるさいからとただ叱るのはNGです。また、子犬の夜鳴きには無視をしてはいけないケースも存在します。ここでは夜鳴きの理由別に対処方法を見ていきましょう。
寂しさから夜鳴きをする場合
夜鳴きをするたびに飼い主さんが子犬の元へ行ってしまうと、「自分が呼べば飼い主さんはいつでも来てくれる」と思ってしまうので注意が必要です。寂しさから夜鳴きをしている場合は原則無視が基本となります。
ただし、お迎えしてから数日は、寂しさから夜鳴きをする可能性が高いので、子犬が眠る場所をあらかじめ飼い主さんと同じ部屋にすることで夜鳴きを予防することができるかもしれません。子犬が新しい環境に慣れるまでは寝室に子犬のサークルを設置したり、同じ部屋で寝ることが難しければ、飼い主さんの姿が見える位置に子犬の寝床を移動するだけでも人の気配を感じて安心するでしょう。
また、臆病な子や警戒心の強い子は静かすぎることで些細な物音が気になって眠れない可能性もあります。テレビの音量を小さくしてつけたままにしたり、どこかの電気をつけておくだけで眠れるようになるかもしれません。
寝るときだけサークルに入れるようにすると、「サークル=1匹で過ごす寂しい場所」と認識してしまうので注意してください。サークルは子犬にとって安心できる快適な場所だと思ってもらうために、ご飯やおやつなどもサークル内で食べさせたり、おもちゃを入れてポジティブなイメージを持ってもらいましょう。
寝床が快適でないことから夜鳴きをする場合
いつでも様子を伺えるように、子犬の寝床を人の往来が多い場所に設置していませんか?明るさや音などに敏感な子の場合は、静かな部屋に移してあげると眠れるかもしれません。サークルを大きなタオルなどで覆ってあげると落ち着くこともあります。ただし完全に被せてしまうと息苦しいので、隙間を開けるようにしてくださいね。
また、極端に寒い・暑い場合もぐっすり眠れないので、子犬が眠る場所の温度管理もしっかり行いましょう。
犬は綺麗好きなので、眠る場所とトイレはなるべく離して設置するようにしてください。1度排泄したら同じシートでは排泄しないという子もいます。こまめに掃除し、就寝時は吸水性の高いタイプに変えるなどの工夫をしましょう。
水はいつでも飲めるようにしておいてあげるのが望ましいです。ただし、普通の水入れだと飼い主さんが寝ている間にこぼしてしまわないか、足を入れて身体がびしょびしょに濡れないかなどの不安もありますよね。その際はサークルの外側につけるウォーターボトルや自動給水器を検討してみてください。
またクレートを寝床にしている場合には、毛布などの柔らかいものを入れてあげると安心して眠る可能性があります。犬はふかふかな素材を好むので犬用のベッドも検討してみてください。ただし、布を噛もうとする様子が見られる場合は誤飲の恐れもあるのでやめましょう。
要求から夜鳴きをする場合
構ってほしい、遊んでほしいという要求から夜鳴きをしている場合、基本的には無視することが重要です。「吠えたり鳴いたりすれば飼い主さんは言うことを聞いてくれる」と覚えてしまうと夜鳴きが悪化する可能性もあるので気をつけましょう。日中にしっかり遊んで体力を消耗させておくと、疲れて夜はしっかり眠ってくれるかもしれません。
お腹が空いて夜鳴きをしている場合は、ご飯の量や回数を見直してみてください。適切なのであれば、あげる時間(間隔)を変えてみましょう。子犬は空腹が長時間続くと低血糖を起こしてしまうこともあります。また、ご飯の量や回数を単純に増やしてしまうと消化不良や肥満の原因にもなるので注意が必要です。
あくまで目安ですが、子犬は寝起きやご飯の後などが排泄のタイミングと言われています。また、子犬はだいたい月齢プラス1時間の間隔でトイレをすると言われているので、生後3ヶ月の子であれば4時間に1回です。これらを踏まえて夜ご飯の時間を逆算すると、真夜中にトイレに行きたくなって夜鳴きすることがなくなるかもしれません。
サークルの外に出さないと排泄しないという場合、トイレトレーニングを根気よくすることで、サークル内でも排泄できるようになります。トイレトレーニングは子犬が家にやってきた初日から開始しましょう。
運動不足から夜鳴きをする場合
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日中の運動不足が原因の場合には積極的に運動する機会を設けるようにしましょう。ワクチン接種が終わっていなくても、飼い主さんが抱っこしたり犬用カートでお散歩に行くことは社会性を養うためにも推奨されています。
昼間は仕事でお散歩の時間が取れないのであれば、知育玩具を用意するのもおすすめです。頭を使うため適度な疲労感を得ることができますし、おもちゃの種類によってはおやつを食べるために夢中になってくれるので、留守番時の寂しさを少しは軽減することができるでしょう。おもちゃを選ぶ際には誤飲しないサイズ、素材のものを用意してください。帰宅したら一緒に遊ぶ時間を作ってあげられるとなおいいですね。
具合が悪くて夜鳴きをする場合
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夜鳴きをすることで体調が優れないことを飼い主さんにアピールしていることもあるため、「夜鳴きは無視!」と決めつけないようにしましょう。子犬は免疫力が低く、病気になりやすいので、日頃から嘔吐や下痢などをしていないか細かく健康観察をし、様子がおかしいと思ったらすぐに動物病院に連れて行ってあげてください。
子犬が夜鳴きしているときにやってはいけないこと
お迎えしたばかりの子犬が寂しそうに鳴いていたり、何かを訴えるように吠えていたら近くに行って声をかけたり、安心してもらえるように撫でてあげたくなりますよね。しかし、夜鳴きをしているときの飼い主さんの対応として好ましくない行動もあるので、ご紹介します。
夜鳴きをしたらすぐに構う
愛犬が夜鳴きをしていたら、思わず話しかけたり構ってしまいそうになりますよね。しかし、鳴けば構ってもらえると学習してしまうと、今後も遊んでほしいときや飼い主さんに近くに来てほしいときに夜鳴きを繰り返すようになります。
要求吠えと同じなので、どんなにかわいそうに思えても近くに行ったり、声をかけたり、目を合わせたりしないようにしましょう。鳴いてもいいことはないと分かれば、要求からくる夜鳴きは次第におさまります。
大きな音を立てたり厳しく叱る
夜鳴きが続くと、飼い主さんも寝不足になり、身体的にも精神的にも参ってしまいますが、うるさいからと言って大きな声で叱るのは逆効果です。特にチワワなどの臆病な性格をしている小型犬は、叱られることで萎縮してしまう可能性もあります。
また、大きな物音をたてて驚かせて夜鳴きをやめさせようとする方法もありますが、警戒心の強い子や怖がりな性格をしている子にとってはストレスになってしまうのでやめましょう。恐怖心から噛みついてしまうこともあるため、驚かせる方法は避けるのがベターです。
子犬の夜鳴きはどれくらいでおさまるの
子犬の夜鳴きは、寂しさや不安からくるものが多いと言われており、生活環境に慣れるにつれておさまっていきます。しかし、先述したように夜鳴きをしている子犬を必要以上に構ってしまったり、好ましくない方法でやめさせようとすると、おさまるどころか悪化するケースや飼い主さんと信頼関係を築けなくなる場合もあるので注意が必要です。
成犬になっても夜鳴きをする場合、発情期や運動不足が原因になっていることもあるので、思い当たる節があれば去勢手術を検討したり、運動機会を多めに設けるなどの対策をしましょう。何日も続く場合には病気が隠れている可能性もあるため、獣医師に相談してください。
シニアになると認知症や病気による痛みなどが原因で夜鳴きをするケースもあります。粗相が増えた、名前を呼んでも反応が薄いなどの様子が見られたら認知症の可能性があるので動物病院を受診しましょう。
子犬の夜鳴きには正しく対処しよう
お迎えしたばかりであれば、寂しさや慣れない環境への不安から夜鳴きをすることは珍しくありません。しかし、夜鳴きと同時に体調に異変が見られるような場合にはすぐに動物病院を受診しましょう。
夜鳴きは正しく対処することで次第におさまっていくものです。頭ごなしに叱るのではなく、まずは夜鳴きをしている原因を突き止めて、原因に合った対応をすることが大切です。
夜鳴きの原因が分からないという場合には、飼い主さんだけで抱え込まず獣医師へ相談してくださいね。
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