ポメラニアンの猿期って一体なに?期間や注意しなければいけないこと
ボリュームのある被毛が印象的なポメラニアンですが、「猿期」と呼ばれている時期があることをご存知ですか?ポメラニアンと猿はあまり結びつかないので、どういうこと?と疑問に思いますよね。そこで今回の記事では、ポメラニアンの猿期とは何なのか、注意が必要なこともあわせてご紹介します。
ポメラニアンの「猿期」について
「猿期」とは、子犬の毛から成犬の毛に生え変わる時期を指します。この時期になると、顔をはじめ、身体やしっぽの毛が少しずつ抜けていき、ふわふわの被毛がスカスカになりますが、特に顔と顔周りの被毛の境目がとてもはっきりと分かるようになり、まるでニホンザルのような見た目になることからついた呼び名です。被毛の量が多いポメラニアンに多くみられる現象になります。
猿期にはかなりの毛が抜けてしまうので、はじめてポメラニアンを飼う人は驚いてしまうかもしれません。しかし、生え変わりは成犬になるための過程としてどんな子であっても必ず起きる現象です。たっぷりの栄養と丁寧なブラッシングで本来の美しい被毛を持つ子に成長するので安心してくださいね。
他の犬種でも猿期はあるの?
被毛の生え変わりによって一時的にお猿のように見えるこの現象は、他の犬種でも起こりうるのか調べてみました。基本的にはポメラニアン特有の現象ですが、祖先犬であるサモエドやスピッツも猿期を迎えることがあるようです。
ポメチワやポメプーなどのミックス犬はポメラニアンの特徴が強く出ている場合、猿期が見られることもあるかもしれません。
その他の犬種でも猿期のような現象が起こる場合もあるようで、柴犬やペキニーズ、ゴールデンレトリバー、チワワなどでもお猿のような顔に見える被毛の抜け方をすることがあるようです。インターネットで検索するとさまざまなお猿期の写真を見ることができるので、気になる方は見てみてくださいね。
被毛の色が変わることも
ポメラニアンは被毛の色の種類が多く、公認・非公認合わせると20種類以上とも言われています。猿期を経て子犬の毛から成犬の毛に生え変わりますが、子犬の時と比べて被毛の色が薄くなったり濃くなったりすることは珍しくありません。ポメラニアンは毛色が変わりやすい犬種ともいわれています。一生変わらないほうが珍しいので、毛色の変化も併せて楽しむようにしましょう。
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「猿期」の期間はどれくらい?
毛が抜けてしまうと、ずっとこのままなのか不安になってしまう飼い主さんもいると思います。猿期はいつからはじまっていつ頃落ち着くのでしょうか?
「猿期」のはじまり
だいたい生後4ヶ月~8ヶ月の子犬に見られますが、早い子は生後3ヶ月から猿期がはじまる子もいるようです。パピーコートと呼ばれる子犬期特有の柔らかい被毛から、成犬のふわふわな被毛に変わっていきます。
全体的に身体の毛が少なくなるので、ポメラニアンだと分からないほどほっそりした姿になる子もいます。
「猿期」のおわり
猿期は1歳になる前くらいには終わると言われています。1歳を過ぎても被毛のボリュームが戻らない子もいますが、次第にポメラニアンの特徴であるふわふわな被毛が生えそろうようになるのでのんびり待ちましょう。中には3、4歳になってやっと毛が生えそろうこともあります。
猿期のはじまりや終わりには個体差があるのではっきりとした期間はありません。
猿期がない子もいる?
猿期がはっきりとは見られない子もいます。被毛の抜ける量には個体差があるので、明らかにお猿と分かる子もいれば、抜けたのかどうか分からないくらい抜け毛が少ない子、毛色によっても目立たない子などもいるようです。
ポメラニアンが猿期を迎えた際に気を付けることは?
被毛の生え変わりである猿期ですが、いくつか注意しなければいけないことがあります。
健康状態に問題がないか注意する
あまりにも毛が抜けてしまい、ちゃんと生えてくるか不安になることもあるかもしれません。食欲や元気があり、皮膚に異常が見られなければ基本的には心配は要りませんが、子犬期は体長を崩しやすい時期でもあります。普段と変わった様子が見られないか愛犬の様子を注意深く観察するようにしてください。気になることがある場合は獣医師に相談しましょう。
被毛のカットは避ける
ポメラニアンはトリミングが必ずしも必要な犬種ではありません。そのため、必要以上に短くカットすることで毛質が変わってしまったり、毛が生えづらくなったりすることがあります。特にこの猿期は成犬の被毛へ生え変わる大切な時期です。バリカンを使ってカットしてしまうとポメラニアン特有の脱毛症にかかりやすくなることがあるとも言われています。トリミングをしたいのであれば、猿期が終わって被毛が生えそろってから行うようにしましょう。
病気の可能性も
猿期は通常、生後4ヶ月後以降に始まると言われているので、それよりも早く猿期が始まった場合、皮膚トラブルを起こしていたり被毛の病気の可能性があります。生後3ヶ月頃に生え変わりが始まる子もいますが、被毛の量が少なくなった他、皮膚に赤みや湿疹、脱毛がみられたり、かゆみの症状が現れていたら動物病院で診てもらいましょう。
毛周期停止(ポメラニアン脱毛症)
ポメラニアンは毛周期停止という脱毛症にかかりやすい犬種です。原因ははっきりとは分かっていません。かゆみはなく、左右対称の脱毛や皮膚の色素沈着、被毛のパサつきがみられます。毛周期停止と似た皮膚病は、甲状腺機能低下症やクッシング症候群、性ホルモン失調症、休止期脱毛があります。被毛が少なくなっているのではなく、脱毛しているという場合は獣医師に診てもらうことをおすすめします。
ポメラニアンの抜け毛対策
ダブルコートのポメラニアンは抜け毛が多いですが、普段のお手入れのポイントや換毛期を乗り切るコツをご紹介します。
こまめなブラッシングを
皮膚や被毛の健康を維持をするためにも丁寧なブラッシングが大切になります。できれば毎日が望ましいですが、普段は週に3回はブラッシングするようにしましょう。抜け毛が大量に増える換毛期は1日に1~2回ほど行い、床に落ちる前に抜け毛を取り除いておくのがポイントです。
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シャンプーは月に1度
定期的にシャンプーをすることで抜け毛の量を減らすことができます。ブラッシングでは落ちない汚れやニオイ対策としても効果的です。しかし、シャンプーのし過ぎは皮膚の乾燥を招いてしまうので注意が必要です。基本的には月1回程度で問題ないと思いますが、汚れが酷いときには適宜シャンプーしてあげましょう。
洋服を着せる
抜け毛が多いポメラニアンには洋服を着せるのも効果的です。毛が落ちたり舞うのをある程度防ぐことができます。ただし、洋服をずっと着せたままでいると蒸れて皮膚トラブルをおこしてしまったり、被毛と擦れて毛玉の原因にもなるので、長時間着せない、丁寧にブラッシングするなど対策してくださいね。
ポメラニアンの猿期は期間限定の見た目!
ポメラニアンをはじめて飼った人は、急に愛犬の毛がたくさん抜けてしまったらストレスや病気などを疑って心配になってしまうと思います。皮膚や被毛の病気が隠れていることもありますが、ポメラニアンの猿期はパピーコートから成犬の被毛に変わる換毛期であり、健康な子犬であれば必ず起こる自然な現象です。被毛が少なくなってもブラッシングはしてあげてください。
猿期はブサイク期とも言われていますが、一生に一度の変化なのでこの時期ならではの可愛さを楽しみましょう。いつもと違う様子が見られたり、何か不安なことがある場合は動物病院へ連れていってくださいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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