ポメラニアンなのに巨大!?デカポメになる理由は「先祖返り」
ポメラニアンといえば、つぶらな瞳と思わず触りたくなる被毛を持った人気の小型犬です。しかし、まれにものすごく大きなポメラニアンが誕生することがあるのを知っていますか?そんな大きなポメラニアンは「デカポメ」と呼ばれ、過去にツイッターでも話題になりました。今回はデカポメになってしまう理由、【先祖返り】についてお話ししたいと思います。
ポメラニアンの大きさってどれくらい?
小型犬であるポメラニアンはどれくらいの大きさが標準とされているのでしょうか?まずは、ポメラニアンのスタンダードを知っておきましょう。
ポメラニアンの体高は18~24㎝がJKCの犬種標準に当てはまるようです。500mlのペットボトルやバレーボールの4号サイズ、郵便はがきを横に2枚並べた長さがだいたい「20㎝」になるので、とても小さいことが分かります。
トイプードルの犬種標準は24~28㎝とされているので、ポメラニアンはトイプードルよりも小さいということになります。
トイプードルについてはこちらの記事をチェック!
ポメラニアンの祖先について
ポメラニアンは現在では超小型犬に分類されますが、はじめは中型犬ほどのサイズであったと言われています。ここではポメラニアンの祖先についてお話しします。
ポメラニアンの祖先犬はサモエド
サモエドはシベリアン・スピッツとも言われ、現在のロシア・シベリア地方が原産の犬です。中型~大型犬に分類されます。遊牧民とともに暮らしてきた歴史を持ち、狩猟や護衛、また、そりを引く使役犬として活躍していました。従順で優れた犬種であったことから、やがてイギリスをはじめとするヨーロッパへ渡り、飼いやすいように小型化が進められたと言われています。
その過程で、ドイツではジャーマン・スピッツというスピッツ系の犬が誕生しました。ジャーマン・スピッツには6種類あり、大きい順に
- ジャーマン・ウルフ・スピッツ
- ジャーマン・グローサー・スピッツ
- ジャーマン・ミッテル・スピッツ
- ジャーマン・クライン・スピッツ
- ジャーマン・トイ・スピッツ
- ジャーマン・ツヴェルク・スピッツ
に分けられます。1番小さいジャーマン・ツヴェルク・スピッツが現在のポメラニアンです。ジャーマン・スピッツはサイズ以外にもそれぞれ個性があり、性格や特徴が異なるので独立した犬種として認められています。
■参考
※ドイツ語を話さない国ではジャーマン・トイ・スピッツがポメラニアンとして知られていると言われています。
「ジャーマン・トイ・スピッツ」をポメラニアンとするか、「ジャーマン・ツヴェルク・スピッツ」をポメラニアンとするかには論議を呼びましたが、現在では「ジャーマン・ツヴェルク・スピッツ」がポメラニアンに改称されたため、「ジャーマン・トイ・スピッツ」という犬種名に落ち着いたようです。
また、サイズの区分ははっきりとしていないところもあるので、上記よりもさらに細かく分けられることもあります。
ジャーマン・スピッツについてはこちらの記事もチェック!
ちなみに、諸説あるものの、「日本スピッツ」はサモエドとジャーマン・スピッツが交配され小型化がすすめられたことで誕生したとされています。サモエドも日本スピッツも、ポメラニアンに似ていますよね。
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「先祖返り」とは?
身体の大きい犬がポメラニアンの祖先犬であるということが分かりました。しかし、なぜポメラニアンが大きくなってしまうのでしょうか?
「先祖返り」という現象がある
ポメラニアンは中型〜大型犬であるサモエドを品種改良し小型化が進められたので、もともとサイズに差が出やすい犬種であると言われています。
親ではなく祖先の持っていた特徴が突然子孫に現れる現象を「先祖返り」(帰先遺伝)といいますが、ポメラニアンはサモエドの遺伝子を持っていると考えると、犬種標準よりも大きく生まれることがあっても納得できます。
また、ポメラニアンにはたぬき顔とキツネ顔がありますが、キツネ顔のポメラニアンは平均体重よりも大きく生まれることも少なくありません。それはキツネ顔の子は祖先であるスピッツ系の要素を強く受け継いでいるからだと言われています。
ポメラニアンの平均的な体重は1.8~3.5㎏とされていますが、キツネ顔のポメラニアンは10㎏を超える子もいるため、平均的な子と比べると相当大きいですよね。10㎏を超えると中型犬ほどの大きさになることも珍しくないので、ポメラニアンだと分からずスピッツと間違えられたり、「この子の犬種は?」と聞かれることもあるんだとか。
デカポメは身体は大きいですが、太っているわけではありません。JKCでは体重は定められておらず、サイズに相応しい体重が望ましいとされているので、肥満かどうか不安な場合はボディコンディションスコアを参考にしたり、獣医師に相談すると安心です。
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他の犬種でも先祖返りは起こる
この現象はポメラニアンだけに起こるものではなく、さまざまな犬種で起こりうると言われています。先祖返りで顕著なのがトイプードルです。もともとはスタンダードプードルを小型化したサイズであるトイプードルは、犬種標準よりも大きくなることが少なくありません。トイプードルの両親から生まれた子であっても大きく成長する子もいます。
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どんな犬種にも、犬種標準は定められています。これはその犬種の理想とされる姿で、繁殖の指針となるものです。しかし、人間でも平均とされる数値より小さく生まれたり大きく生まれたりしますよね。犬も同じで、先祖返りに限らず標準より小さく生まれることもあれば大きく生まれることもあるのです。
デカポメは予想はできる?
ポメラニアンがデカポメになるかどうかは成長してみないと分かりませんが、大きくなる兆しとしては
- 子犬の時点で平均体重よりも思い
- 両親が大きい
の2点が挙げられます。小型犬は生後4ヶ月くらいで成犬時の半分ほどの体重になり、生後7ヶ月~1歳頃で成長が止まるとされています。個体差があるのでこの限りではありませんが、「子犬のうちからすでにポメラニアンの平均的な体重よりも重かった」とコメントしているデカポメの飼い主さんが多く見受けられました。「よくよく考えると、周りのポメラニアンと比べて骨が太くがっしりしていた」、「マズルが長い気がした」と振り返る声も多かったです。
また、両親が身体の大きい子だと、子犬も大きくなる可能性があります。しかし、両親は平均的なサイズなのに突然大きくなるということもあるので、あくまで参考に留めてくださいね。
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ポメラニアンは大きくても可愛い!
私たちが見慣れているポメラニアンは小さいながらも元気いっぱいの子が多いですが、一見ポメラニアンには見えないほど大きな身体であっても性格は変わらず、遺伝的に問題があるわけでもありません。身体が大きい分、一般的なポメラニアンと比べて丈夫で頭も良いと言われています。
もこもこさがアップしたデカポメは、出会いたくても意図的に出会えるサイズではないので、もしお迎えした子が想像よりも大きく成長したとしても、たくさんの愛情を注いで幸せな日々を過ごして下さいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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