マルチーズとビションフリーゼのミックス犬は「マルション」や「マルビション」などと呼ばれています。マルチーズとビションフリーゼはどちらも真っ白でふわふわな被毛を持っているので、パッと見る限りは似ていますよね。それぞれどんな特徴があるのか見ていきましょう。 

ビションフリーゼはマルチーズよりもやや大きいサイズ感ではあるものの、プードルのようなくるくるの被毛により実際よりも少し大きめに見えることがあります。

ビションフリーゼによく似た犬種にボロニーズがいますが、原産国が異なるほか、ボロニーズは被毛がシングルコートです。ビションフリーゼはふわふわの被毛を活かして頭部をパウダーパフと呼ばれるアフロカットにするのが主流となっています。

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マルチーズとビションフリーゼのミックスであるマルビションはなかなか見かけることがなく、まだまだ情報も少ないですが、両親犬の特徴から予想できるマルビションの特徴をご紹介します。

ブリーダーサイトや実際に飼っている人のSNSを見てみると、顔つきはマルチーズ寄りの子が比較的多い印象ですが、もちろんビションフリーゼ似の子もいました。ビションフリーゼはふわふわの被毛に隠れていて見にくいですが垂れ耳で、マルチーズもまれに立ち耳の子がいるものの、基本的には垂れ耳です。そのため、マルビションも垂れ耳になる子が多いでしょう。

マルビションの成犬時の体高は約20～30㎝、体重は約4～5㎏程度であることが多いようです。ただし、ビションフリーゼは個体差が大きく、中には10㎏を超える子もいるので、両親犬が大きい場合、マルビションも大きく育つ可能性があります。

マルチーズはシングルコートで、ビションフリーゼはダブルコートです。ダブルコートは抜け毛が多いですが、ビションフリーゼは巻き毛なので抜けても巻き毛に絡まって地面に落ちにくく、一見抜け毛が少ないように見えます。抜け毛がないというわけではないので、どちらのコートタイプであっても毛玉にならないよう丁寧なブラッシングが必要不可欠です。

毛質はマルチーズ、ビションフリーゼどちらの特徴を受け継ぐかによって変わりますが、ビションフリーゼ寄りの場合、成犬になるにつれて被毛の密度が増えアフロヘアーにできるかもしれません。

マルチーズもビションフリーゼもホワイトなので、マルビションの毛色もホワイトのみです。

マルチーズは警戒心や気の強い一面があるものの、基本的には甘えん坊で愛情深い性格をしています。ビションフリーゼは誰に対してもフレンドリーで、滅多に吠えることがないと言われているほどおおらかな性格です。そのため、マルビションも人懐っこく穏やかな性格をしている傾向にあると言えるでしょう。

ただし、これはどんな犬にも当てはまりますが、子犬期の社会化が不足すると排他的ですぐに吠える子に育ってしまいます。また、可愛さのあまり甘やかしてしまうとわがままになって飼い主さんの指示に従わなくなるので注意が必要です。

アニコムの「家庭どうぶつ白書2023」を見てみると、マルチーズの平均寿命は13.6歳、ビションフリーゼの平均寿命は14.6歳、混血犬（体重10㎏未満）は14.8歳というデータとなっています。ビションフリーゼは他の犬種と比べて遺伝性疾患が少ないと言われており、前述のデータも混血犬とほとんど変わらないことを踏まえると、マルビションも比較的長寿かもしれません。

ただし、寿命は遺伝や個体差、飼育環境も関わってくるので、日頃から愛犬の様子をよく観察して、異変を感じたらなるべく早く動物病院に連れていきましょう。

ブリーダーサイトやペットショップにいる子犬を検索できるサイトでマルビションの価格を調べてみると、2024/3/26現在、約19万～53万円とかなりの幅がありました。マルビションは他のミックス犬と比べると頭数が少なく、掲載されていてもすぐに商談中や家族が決まりましたとなってしまうことが多いため、高値がつけられているのかもしれません。

ぬいぐるみのような可愛らしさのマルビション。一緒に暮らすうえでどんなことに注意すべきなのでしょうか？

マルチーズ、ビションフリーゼどちらの毛質を受け継いでも毎日のブラッシングは必須です。マルチーズ寄りの場合は細くて絡まりやすく、ビションフリーゼ寄りの場合は毛玉ができやすくなります。ブラッシングは愛犬とのコミュニケーションの時間となるだけでなく、ある程度の汚れを取り除いたり、マッサージ効果による血行促進、皮膚への刺激による新陳代謝の活性化などのメリットがあります。そのため、できれば毎日ブラッシングの時間を確保してあげるのが望ましいです。

また、トリミングの頻度は月に1回くらいが目安となりますが、皮膚の状態や好みのカットスタイルなどによっても変わってくるので、担当のトリマーさんと相談しましょう。

マルチーズもビションフリーゼも小柄で可愛らしい見た目をしていますが、毎日のお散歩は必要不可欠です。もちろん個体差はありますが、どちらも運動は好きな犬種なので、日々のお散歩で運動欲求を満たしてあげましょう。

「小型犬は必要な運動量が少ないから、お散歩は不要！」と謳っているペットショップやブリーダーもいますが、必要な運動量が少なくても、外に出てさまざまな音を聞いたりニオイを嗅いだり自分の足で地面を歩くことは心地よい刺激となるほか、ストレス解消や筋力維持、さらには社会性を養う効果もあります。1回あたりの時間は、はじめは15～20分ほどで様子を見て、愛犬の様子を観察しながら適宜短くしたり長くしたりするのがおすすめです。

マルチーズとビションフリーゼはどちらも白い被毛を持ち、愛玩犬に相応しい可愛らしさと穏やかな性格を兼ね備えた犬種です。そんな両親を持つマルビションも、ふわふわで可愛らしい見た目と、飼い主さんに対して愛情深く社交的な性格を受け継いでいる可能性が高いと言えるでしょう。

ただし、ミックス犬は良いところばかり受け継ぐわけではありません。また、しつけのコツやかかりやすい病気などはっきりとは分かっていない面もあります。安易にお迎えして1週間経たずに飼育放棄した人間がいることも事実です。お迎えする際には、あらかじめ両親犬の特徴を知るほか、ネガティブな部分を受け継いだ際にも根気よくしつけ、最期までお世話する覚悟があるか今一度考えてみましょう。

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