ゴールデンレトリバーの基本情報!誕生の歴史・体の特徴・性格・育て方などをまとめました
優しく友好的な性格、それでいて運動能力に優れ人に寄り添うことをこの上ない喜びとしている大型犬がゴールデンレトリバー。ペット保険会社アニコムの人気犬種ランキングでは、小型〜中型犬がトップ20を占める中、唯一大型犬でランクインしており、日本でも見かける機会は多いと思います。
今回は、そんなゴールデンレトリバーの誕生の歴史から性格・身体の特徴、育て方までを詳しくご紹介します。
目次
ゴールデンレトリバー誕生のルーツ
大型犬の中で、最も飼いやすいと言われているゴールデンレトリバー。イギリス原産の犬種ですが、日本で飼われている多くは、被毛カラーがゴールドのアメリカンタイプのゴールデンレトリバーです。最近では、被毛カラーがクリームのイングリッシュタイプのゴールデンレトリバーも目にするようになりました。
今回は、アメリカタイプのゴールデンレトリバーについてご紹介します。
有能な狩猟犬として誕生したゴールデンレトリバー
2018年、犬種誕生150周年を迎えたゴールデンレトリバー。当初、イエローレトリバーと呼ばれていたゴールデンレトリバーは、有能な狩猟犬を求めていたスコットランドのツイードマス卿によって基礎犬が作られました。狩猟犬のブリーディングを行っていたツイードマス卿は、黄色いフラットコーテッドレトリバーを基礎犬に、ウォータースパニエル、アイリッシュセター、ツイードウォータースパニエル、黒のフラットコーテッドレトリバー、ブラッドハウンドなどを交配。その結果、狩猟能力に優れながらも忠実で温和な犬種としてゴールデン・レトリーバーが誕生したのです。
1908年のドッグショーでは、イエローフラットコーテッドレトリバーとして出展された初代のゴールデンレトリバーは、一躍人気を集め、1915年には、イギリスの熱狂的なファンによってゴールデンレトリバークラブが結成されました。当初、イエローまたはゴールデンレトリバーとしてイギリスのケンネルクラブに犬種登録されていましたが、1956年にゴールデンレトリバーとして正式に犬種登録されたのです。
その後、カナダを経由してアメリカに渡ったゴールデンレトリバーは、1932年アメリカのケンネルクラブ(AKC)に公認されましたが、その当時は希少犬種だったのです。やがて、フォード大統領の愛犬として紹介されたことから全米で人気となったゴールデンレトリバーは、アメリカで最も人気のある犬種として不動の地位を獲得。その後、AKCが主催する訓練競技会のタイトル全てをゴールデンが獲得したことからアメリカから日本へ渡ってきました。日本で一大ブームとなったゴールデンレトリバーですが、JKCに登録されたのは1982年と比較的新しい犬種と言えます。
ゴールデンレトリバーの特徴
優雅な外観が魅力的なゴールデンレトリバーですが、もともとは撃ち落とした鳥を回収する鳥猟犬として誕生しました。猟犬のブリーダーであったツイードマス卿は、超猟犬としてだけではなく外観や性格などに対して高い理想を持ってゴールデンレトリバーを誕生させたと言われています。
その結果、訓練能力が高く、物静かで、温和な性格が特徴のゴールデンレトリバーが誕生しました。日本とイギリスではガンドッグに分類されますが、アメリカではスポーツグループに分類され、多くの飼い主から最良のパートナードッグとして支持されています。また、優しい性格と訓練性の高さから、コンパニオンドッグ、盲導犬、聴導犬などさまざまな分野で活躍しています。
今回ご紹介するアメリカンタイプのゴールデンレトリバーは、猟犬としての資質よりも人が好き、温和、訓練性が高いといった性格的特徴を伸ばしたブリーディングによって誕生しました。また、外観も優雅で美しいことに重点を置いたことから、大型犬特有の精悍さよりも可愛さを優先する犬種となっています。
ゴールデンレトリバーの被毛の特徴
アメリカンタイプのゴールデンレトリバーの被毛カラーには、レッドやマホガニー、クリームなど個体差がありますが、犬種名にある通り光り輝く金色の被毛カラーが主流です。
豊かな被毛は、密に生えているアンダーコートとサラサラのストレートまたはウエイブがかったオーバーコートのダブルコートが特徴です。細く絡みやすいアンダーコートは毛玉になりやすいため、毎日のブラッシングがかかせません。特に換毛期には大量に毛が抜けることから、掃除が大変な犬種と揶揄されることもあります。
ゴールデンレトリバーの大きさ
日本では大型犬に分類されますが、欧米では中型犬のゴールデンレトリバーは、オスの体高は56~61cm、体重約29~34kg、メスは体高51~56cm、体重約24~29kgがスタンダードとされています。
筋肉質のボディに羽毛のような飾り気のあるフサフサの尻尾、足は比較的短く、しっかりとした体型であることが望ましいとされています。
また、水鳥を回収する使役犬として誕生したゴールデンレトリバーは、鳥を潰すことなく長時間優しく咥えることができるソフトマウスが特徴です。この特徴も介助犬として活躍できる要素の一つです。
人間と一緒に生活するために生まれてきたと言えるゴールデンレトリバーには、食いしん坊な一面もあります。つぶらな瞳で訴えられるとついつい人間の食べ物をあげてしまいがちですが、太りやすい体質のため食事の管理には細心の注意が必要です。
ゴールデンレトリバーの平均寿命と注意したい病気
以前は8〜10歳が寿命と言われていたゴールデンレトリバーですが、獣医療の発達やドッグフードの質向上などから平均寿命が10〜12歳と少し長くなりました。
しかし、依然として股関節形成不全、進行性網膜萎縮症、色素性ぶどう膜炎などの遺伝疾患が多く、また心臓病、悪性リンパ腫、血管肉腫、扁平上皮癌などのガンを発症しやすい犬種と言われています。
最近では、獣医療が発達し犬のガンも早期発見により適切な治療を受けることで、寛解に持ち込むことができるようになってきているので、8歳を過ぎたら定期的にペタンを受けるなど日頃から健康管理を行うことが大切です。
ゴールデンレトリバーはどんな性格?
まるで人間の子供のような振る舞いをすることで多くの人を魅了するゴールデンレトリバー。飼い主はもちろん、人間の気持ちを汲み取り、寄り添うことができる犬種として知られています。
盲導犬をはじめ、コンパニオンドッグとしてさまざまな場面で活躍できるのも、そういった性格のなせる技と言えます。
また、運動能力にも優れているため、海や川、湖での遊びはもちろん、ボールやフリスビー、アジリティなどでその能力を発揮します。ここでは、そんなゴールデンレトリバーの性格を詳しくご紹介します。
友好的だけれど寂しがり屋
ゴールデンレトリバーは基本的に攻撃性が少ない犬種です。どんな人にでも友好的な態度をとることができる上、見ず知らずの犬や人に向かって威嚇することもありません。
また、とても我慢強く、小さな子供とも上手に遊ぶことができます。人間のそばで常に一緒に行動をしたいゴールデンレトリバーにとって、お留守番はとても苦手です。犬とは思えないほどの寂しがり屋な面があるため、そばに人間がいない状況に長く置かれることは精神的にも負担が大きく、そのストレスを発散するために破壊行動に出ることがあるので注意が必要です。
おとなしくて利口、思慮深い性格
相手の気持ちを考えることができる思慮深さ、自分の立場をわきまえることができる賢さはゴールデンレトリバーの大きな特徴です。これは、ハンティングドッグとして飼い主に従順であることが求められ、また訓練性能に優れた犬種として誕生した賜物と言えます。
ゴールデンレトリバーの育て方のポイント
大型犬の中でもしつけが入りやすく、飼いやすいことが魅力のゴールデンレトリバー。とてもフレンドリーで育てやすい犬種ですが、デリケートな犬種でもあるため育て方には注意が必要です。
しつけ
猟犬には、独立心の強いタイプと指示を待つタイプの2タイプがありますが、ゴールデンレトリバーは「人間からの指示を待つ」タイプの犬種です。
この特徴から訓練性が高いと評されていますが、飼い主がリーダーシップを発揮できないでいると、言うことを聞かないわがままな犬に育ってしまいます。
日頃の表情からつい甘やかしがちですが、大型犬として力も強く、エネルギッシュなゴールデンレトリバーには、仔犬期からのしっかりとしたしつけが必要です。
ケア
ゴールデンレトリバーには、毎日のブラッシングはもちろん、定期的なシャンプーや足回りの毛をカットするなど適度なトリミングが必要です。
同時に、皮膚が弱い個体が多いため、皮膚の状態を観察することが必要です。膿皮症などの皮膚炎にかかりやすいため、シャンプーや水遊びをした後にはしっかりとドライヤーで乾かすことが大切です。
また、垂れ耳であることから蒸れやすく、外耳炎を発症することも多いので注意が必要です。
運動
有能な鳥猟犬として、水辺、野山を走り回っていた遺伝子を持つゴールデンレトリバーには、十分な運動が必要です。ゴールデンレトリバーの場合、運動不足はストレスとなり、手足を噛む自傷行為や破壊行動などに繋がります。
ゴールデンレトリバーは、回収することを使役としているので、ボール遊びやフリスビーなどの遊びを得意としています。また、泳ぐことが大好きな犬種でもあるので、プールや海などで泳がせてあげましょう。
環境
人間と一緒にいることが大好きなゴールデンレトリバーと暮らすためには、室内飼いが第一の条件です。
「こんなに大きくなるとは知らなかった」という理由から、成犬になってから外で飼うケースを見かけますが、ゴールデンレトリバーの場合は、人と離れているだけでストレスが溜まります。
そのため一緒に暮らす環境として、広い庭のある家が理想ですが、都会の集合住宅でも飼育することは可能です。どんな住宅でも、ケージに閉じ込めて飼うのではなく、自由に歩き回れる空間と手足を伸ばしてくつろげるスペースを必ず用意してあげてください。
ゴールデンレトリバーと幸せな暮らしを
一説には3歳児と同じ理解力を持つと言われているゴールデンレトリバー。全犬種の中でも常に人のために行動し、寄り添える犬種はゴールデンレトリバーだけだとも言われています。
また、大型犬の中でも多頭飼いが多いのもゴールデンレトリバーならでは。しつけさえしっかりしていれば、小さな子供の遊び相手にもなるほど飼いやすくかわいい大型犬はいないのですが、最近ではわがままに育てられたゴールデンレトリバーをよく見かけます。
どんなに可愛くても、ゴールデンレトリバーの力で引っ張られれば大ケガをしかねません。ゴールデンレトリバーを飼ったら、6ヶ月齢までの間にしっかりとしたしつけをすることが重要です。また、ストレスのたまらないだけの運動量を確保してあげることも忘れないでください。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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