犬がなぜ舌を出すか知ってる?舌を出したままにしている理由などご紹介
犬が舌を出す行為には様々な理由が存在します。身体の機能的な理由や精神的な理由だけでなく、もしかすると病気のサインの可能性もあります。今回は犬が舌を出す理由・舌を出したままにしている理由などをご紹介します。
犬が舌を出す、精神的な理由
犬が舌を出すのは身体的な理由だけでなく、精神的な理由の場合もあります。これらの理由が読み取れることで愛犬が今どのような気持ちになっているのかを知ることができます。
リラックスしている
犬は呼吸が落ち着いている場合でも舌を出しているときがあります。これは、寝ているときやリラックスしているときによく見られる状態です。理由としては、口の周りの筋肉の緊張が解けている状態で弛緩している為です。これはとてもリラックスしている状態で、貴方のそばでこう言った状態になっている場合は貴方のそばがとても安心できる場所であると感じているのかもしれません。呼吸の荒さで見極めていきましょう。
興奮している
舌を出しているときに、呼吸が荒く、回数が多いと言った状態の場合、とても興奮している場合があります。犬は精神的に興奮した時に舌を出すのです。また、運動などで興奮し、息が上がっている時も同様に舌を出します。こう言った運動をして舌を出している場合は先述したパンティングにより同時に体温を調節していることもあります。
カーミングシグナル
犬は、声帯の構造上多様な音を出す機能がないため、人間のように会話でのコミュニケーションが難しいと言われています。そのため、犬同士でコミュニケーションをとる際、カーミングシグナルと呼ばれる日音声言語というものを使ってコミュニケーションをとっているという研究結果が発表されました。このカーミングシグナルの中で、舌を出す行為は相手に落ち着いてほしいと思っている際に見られる合図です。ペロペロという感じで唇を舐めるように出します。しつけ中など、愛犬が自分に向かってこう言った様子を見せる際は貴方に落ち着いてほしいと思っています。一度深呼吸を挟み、落ち着いて愛犬と向き合ってみてください。
犬が舌を出す、身体的な理由
犬が舌を出す理由として最も考えられる理由として身体的な理由があります。
短頭種だから
犬には短頭種と呼ばれる種類の犬たちがいます。ブルドッグやパグなどが有名です。鼻が潰れた犬種といえば分かりやすいかもしれません。これらの短頭種の特徴として、読んで字の如く頭が短いのが特徴となります。具体的には、鼻先から鼻の付け根までの部分をマズルと呼びます。このマズルの部分の長さが極端に短いのが短頭種の特徴です。
では、これと舌を出すことにどういった関係があるのでしょうか?こう言った短頭種はマズルの長さに比例して口腔内の長さも他の犬種と比べて短くなります。そのため、口の中の面積が狭く、先述したパンティングの効果が他の犬種と比べて低いです。それを補うため、短頭種は他の犬種より多くの時間パンティングをしているため、常に舌を出している印象を持ちます。
体温調節のため
犬は全身を皮毛で覆われているため、皮膚を活用しての体温調節があまり得意ではありません。また、汗を出すための汗腺という組織が、肉球や鼻などの限られた部分にしかなく、人間のように汗をかいて体温を調節することができません。そのため、犬は主に舌を使用して体温を調節します。
人間が汗を出すのと同じように舌から水分を蒸発させて気化熱を利用し身体を冷やそうとし、この行為を専門的に呼ぶと「パンティング」と言い、よく犬のモノマネをする際にする舌を出してハァハァと呼吸をする動作で体温を調節します。これは異常なことではなく、犬にとって大切な健康管理の方法の一つになります。
犬が舌を出すのは、病気の可能性も
舌を出す行為に病気の可能性があると考えて、愛犬のことを観察したことはありますでしょうか?実は、病気の症状により舌を出していることがあるのでしっかり観察し、なぜ舌を出しているのか考える必要があります。では、どのような病気の可能性があるのでしょうか?
熱中症
熱中症とは、体温の上昇、脱水により臓器の血流低下や多臓器不全などを引き起こす病気です。先述したように犬は汗をあまりかけないため、体温がこもりやすいです。また、散歩の際などは地面と身体の距離が近く、照り返しなどの影響も強く受けます。パンティングにより犬も体温を下げようとしますが、それが追いつかず、ずっと舌を出したままになってしまうことがあります。人間では大丈夫な温度でも犬にとっては辛い可能性があるので暑い季節は注意してあげましょう。
口腔内トラブル
口内炎や口腔内のがんや腫瘍、歯肉炎や歯並びの悪さなど口腔内に起きたトラブルが原因で舌を口の中に納めて置くのが難しくなってしまったため出しっぱなしになっていると言います。
僧帽筋閉鎖不全
犬の心臓病で2番目に多い疾患が、僧帽筋閉鎖不全です。特に小型犬に多い病気になります。この病気は何らかの原因により心臓内にある僧帽弁と呼ばれる血液の逆流を防ぐ弁に異常があり、悪化すると肺水腫や心不全を起こし死亡することもあります。お座りの体制でずっとハァハァと荒い息をしている状態の場合、僧帽筋閉鎖不全の疑いがありますので、病院に受診するようにしましょう。
気管虚脱
気管が何らかの原因で潰れてしまい、空気の流れに異常が生じる病気です。これは酸素不足になるため舌を出し、いびきのような音で呼吸します。肥満の犬や短頭種はなりやすいと言われています。
てんかん
てんかん発作を起こす前に舌が出たままになってしまうことがあります。逆に考えるとてんかん発作の予兆としても判断材料になります。てんかんを疑う行動があれば、病院を受診しましょう。そして、てんかん発作を起こす前に前兆を予測できるようになると受診等もスムーズにすることができます。
犬が舌を出す理由はさまざま
今回は「犬が舌を出す」理由をご紹介しました。 「舌を出す」と共に、呼吸の荒さなどの症状を合わせて観察し、愛犬の状態を確認するようにしてみてくださいね。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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