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かぼちゃは犬に与えてもいい?含まれる栄養素と食べさせる前に必要な工夫

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栄養たっぷりのかぼちゃは、煮たり焼いたり蒸したりとさまざまな調理法がありますよね。特に味付けをしなくても優しい甘さを感じることができるかぼちゃは、犬に与えても大丈夫な食材です。今回はかぼちゃに含まれる栄養素と愛犬においしくかぼちゃを食べてもらうためのちょっとした工夫についてご紹介します。

かぼちゃは犬に与えてもいい?含まれる栄養素と食べさせる前に必要な工夫

目次

  1. かぼちゃは犬に食べさせてもOK!
  2. 犬にかぼちゃを与える際にはひと工夫しよう
  3. かぼちゃを食べることによる懸念点は?
  4. 栄養満点のかぼちゃはおやつ程度に

かぼちゃは犬に食べさせてもOK!

犬 かぼちゃ

かぼちゃは犬に与えても問題ない野菜です。豊富な栄養素が含まれているため、適切に取り入れることで愛犬の健康をサポートすることができると言えます。

なるべく栄養を損なわずに食べるのであれば蒸すのがおすすめですが、ゆっくりと時間をかけて火を通すことで甘みが増すと言われているため、余裕があるときは煮るのもいいかもしれません。犬は甘みを感じるものを好むと言われているので、味付けをしなくても甘みがあるかぼちゃはおやつ感覚で喜んで食べてくれるでしょう。

かぼちゃに含まれる栄養素について

「冬至の日にかぼちゃを食べると風邪をひかない」と言われるかぼちゃには、具体的にどのような栄養素が含まれているのでしょうか?かぼちゃの代表的な種類は「日本かぼちゃ」、「西洋かぼちゃ」、「ペポかぼちゃ」の3種類ですが、日本のスーパーでよく見かけるかぼちゃは「西洋かぼちゃ」です。ここでは西洋かぼちゃ(生)に特に多く含まれる注目すべき栄養素をご紹介します。

 食物繊維(総量) 

 3.5g                                    

 カリウム 

 430㎎ 

 β-カロテン 

 2500μg 

 ビタミンE(※) 

 3.9㎎ 

 ビタミンB1 

 0.07㎎ 

 ビタミンB2 

 0.08㎎ 

 ビタミンB6 

 0.23㎎ 

 ビタミンC 

 43㎎ 

※α-トコフェロール 

【参考】食品成分データベース 食品詳細【出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年】

食物繊維

食物繊維には水溶性と不溶性があり、かぼちゃにはどちらの食物繊維もバランスよく含まれていますが、特に不溶性の食物繊維が豊富です。(※)不溶性の食物繊維は腸の蠕動運動を助け、スムーズな排便を促すため、便秘解消の効果が期待できます。

※かぼちゃに含まれる食物繊維のうち水溶性食物繊維は0.9g、不溶性食物繊維は2.6g

カリウム

カリウムは体内の浸透圧の調整や、余分なナトリウムを排出する役割などを持っています。基本的には総合栄養食を食べていれば不足することはありません。カリウムは重要な栄養素ではありますが、過剰に摂取することで高カリウム血症を引き起こしてしまうため、バランスよく摂取することが大切です。

詳しくはこちらの記事をチェック! 

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β-カロテン

β-カロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変わり、視力や健康的な被毛の維持、皮膚や粘膜を保護する役割などを持ちます。ビタミンAが不足すると皮膚疾患や骨や歯の形成不全、視覚障害、免疫力の低下などを招きますが、過剰に摂取することでも不調をきたすためバランスよく摂取することが重要な栄養素です。

また、β-カロテンには抗酸化作用があるため、老化の予防も期待できると言われています。

ビタミンE

ビタミンEは強い抗酸化作用を持つ栄養素で、細胞膜の保護やがん・皮膚病などの予防、血行促進といった効果が期待できます。脂溶性のビタミンであることから体内に蓄積されるので、過剰摂取には注意が必要です。

ビタミンB群

ビタミンB群はさまざまなエネルギー代謝に関わる栄養素です。不足すると食欲不振や皮膚炎、神経障害などが見られます。

かぼちゃに多く含まれるビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6は水溶性ビタミンなので尿中に排泄されやすく過剰になってしまう心配はあまりありません。その一方で欠乏しやすいため、日々の食事で摂取することが望ましいとされています。

ビタミンC

ビタミンCは水溶性のビタミンで、強い抗酸化作用を持ち、がん予防や老化防止、鉄分の吸収促進などの役割を担っています。

犬はビタミンCを体内で生成することができますが、病気の影響や年齢を重ねるごとに生成できる量が減るため、食事やサプリメントで摂取するのがおすすめです。

犬にかぼちゃを与える際にはひと工夫しよう

かぼちゃ

栄養豊富なかぼちゃを愛犬にも食べさせてあげたいと思う飼い主さんは少なくないのではないでしょうか。かぼちゃを美味しく食べてもらうには、与える前に簡単な工夫が必要です。それぞれ見ていきましょう。

加熱しよう

かぼちゃは生のままだと硬いので蒸す、煮る、焼くなど一度加熱調理をして柔らかくしてから食べさせてあげましょう。そのまま与えると消化不良を引き起こし下痢や嘔吐などの原因となります。

電子レンジでも加熱できますが、70℃前後の温度で時間をかけて温めると甘みが増すと言われているため、茹でたり蒸したりするのがおすすめです。

加熱調理する際には油や塩、しょうゆなどの調味料を使わないようにしてくださいね。

小さくカットしよう

犬がかつて野生で暮らしていたころにはえさを丸飲みしたり早食いしていたため、人と暮らすようになった現在でも本能的な習性としてあまり噛まずに飲み込むケースは少なくありません。尖った歯の形状的にも、よく噛んで食べるのには向いていないため、喉や食道に詰まらせないようになるべく小さくカットしてから与えましょう。

種などは取り除く

かぼちゃを与える際には皮や種・ワタの部分は取り除いてください。これらは消化しにくいため、そのまま与えてしまうと消化不良を引き起こしたり、喉や食道に詰まってしまう恐れがあります。

一方で、これらには栄養がたくさん含まれているので、柔らかくなるまで加熱し、食べやすい大きさにカットすれば与えてもいいという意見もあります。

サイトによって「種は殻を割って細かくすればOK」、「皮も種もワタもNG、与えるのは実だけ」など見解がバラバラです。不安な場合はこれらの部分は与えないことをおすすめしますが、与えたいのであればかかりつけ医に一度相談してください。

かぼちゃを食べることによる懸念点は?

かぼちゃ

かぼちゃは栄養豊富な野菜ですが、以下のような懸念点・注意点もあるので、留意しましょう。 

肥満に注意

かぼちゃは可食部100gあたり78kcalとカロリーが高い食材のため、あげすぎには注意が必要です。体にいいからといって与えすぎると肥満の原因となりかねません。ドッグフードに少量トッピングするか、おやつとして与える場合には1日の必要摂取カロリーの10%に留めるようにしましょう。

また、食物繊維も豊富なので、食べすぎることで消化不良を起こしてしまう可能性もあります。「もっとちょうだい!」とおねだりされても、あげすぎないようにしてくださいね。

アレルギーの可能性

かぼちゃには少量ではありますがタンパク質が含まれているので、アレルギーを引き起こす可能性も0ではありません。食物アレルギーは体の痒みのほか、下痢や嘔吐といった消化器症状を伴う特徴があるので、かぼちゃを食べさせた後にこのような症状が見られたら動物病院に連れていきましょう。

イモ類にアレルギーがあることが分かっている場合には、かぼちゃを与えるのは避けてください。

持病がある場合は与えない

かぼちゃにはカリウムが多く含まれているため、腎臓に疾患を抱えている犬には与えないほうがいい食べ物です。普段から療法食を食べている子の場合は特に自己判断せず、一度かかりつけ医に相談するようにしましょう。

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加工品はNG

犬用に作られたおやつであれば問題はありませんが、人間用に加工された食べ物や飲み物は犬にとって糖分や塩分などが多すぎて健康を害する恐れがあるほか、嗜好性が高く、今まで食べていたドッグフードを食べなくなってしまう可能性があります。そのため、愛犬に与える場合は犬用のものか、一切味付けをせず十分に加熱して小さくカットしたものを与えるようにしてください。

栄養満点のかぼちゃはおやつ程度に

犬 かぼちゃ

さまざまな栄養素が含まれているかぼちゃは、犬が中毒を起こす成分が含まれていないので与えても問題ない食材です。しかし、食物繊維やカリウムが豊富なので、与える際には量に注意しなければいけません。また、高カロリーでもあるので、栄養豊富だからといってあげすぎると肥満の原因にもなります。現在腎臓病を患っており、療法食を食べているという場合には自己判断では食べさせず、かかりつけ医に相談することが大切です。

適量はその子の状態によっても変わるので、はじめは少しずつ様子を見ながら与えるようにしましょう。かぼちゃは加熱するだけでも甘みが感じられるので、ごほうびとして食べさせてあげると喜んでくれるかもしれません。かぼちゃが美味しい季節になったら、愛犬のごはんにぜひ取り入れてみてくださいね。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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