愛犬に味噌を与えても大丈夫?味噌の栄養素と食べさせるときの注意点について
私たち日本人にとってソウルフードともいえる味噌は、毎日の食卓に欠かせない食材のひとつですよね。味噌は、大豆に塩やこうじを加えて発酵・熟成させた発酵食品です。味噌といえば塩分が多いというイメージがあるかもしれませんが、愛犬にも与えてよいものなのでしょうか?
今回は、味噌の栄養素、犬に食べさせる時の注意点や愛犬におすすめの味噌を使ったレシピをご紹介します。
結論、愛犬に味噌を食べさせても大丈夫!
味噌の起源は平安時代にまでさかのぼり、貴族だけが口にできる高級品で、「医者いらず」とも呼ばれた貴重な調味料でした。鎌倉時代には、味噌汁が一般に普及したと言われています。
味噌の主原料である大豆は、日本人にとって大切なたんぱく源であり、また国菌に指定されている麹を使用したアミノ酸豊富な発酵食品です。
味噌の栄養素・成分を紹介
大豆を主原料とする味噌には、大豆が持つイソフラボン、サポニン、レシチンなどの栄養が含まれています。また、発酵の段階で酵素によって分解された大豆たんぱく質によって必須アミノ酸が生成されます。
さらに、ビタミン、ミネラル、食物繊維など犬にも嬉しいたくさんの栄養が含まれています。
- 大豆たんぱく質
- 必須アミノ酸
- ミネラル
- 食物繊維
- ビタミン
栄養素・成分【1】大豆たんぱく質
味噌に含まれているたんぱく質は植物性の大豆たんぱく質。酵素によって分解された味噌のたんぱく質は、大豆の段階で食べるよりも吸収しやすい状態になっていることが特徴です。
また、大豆にはホルモンバランスを整え、カルシウムの吸収を高める大豆イソフラボン、脳神経や細胞の維持に必要なレシチンなどが含まれています。
栄養素・成分【2】必須アミノ酸
必須アミノ酸は犬の体内で作ることができないため、食品から摂取する必要があります。必須アミノ酸は、犬の健康を維持するために欠かせない栄養素。味噌には、犬に必要な8種類の必須アミノ酸すべてが含まれています。
栄養素・成分【3】ミネラル
味噌に含まれているミネラルの中で、最も多いのがナトリウム。ナトリウムとカリウムは密接な関係にあり、味噌にはどちらもバランス良く含まれています。
塩分は犬に良くないと言われていますが、実は犬の健康維持にナトリウムはとても大切な栄養素です。ナトリウムは、体内の血液量や細胞液をコントロールし、水分バランスを整える役割があります。
また、カリウムは増えすぎたナトリウムを排泄し、水分調整を行う役割があります。
栄養素・成分【4】食物繊維
味噌には水溶性食物繊維が含まれています。水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きをします。
栄養素・成分【5】ビタミン
味噌には、抗酸化作用の高いビタミンEやビタミンB群が多く含まれています。中でも、血液の生成や細胞の合成に関わるビタミンB9である葉酸、コバラミンと呼ばれるビタミンB12が多く含まれています。
犬に味噌を食べさせる際の注意点について
犬の健康にも役立つ味噌ですが、犬に与える時には以下の点に注意しましょう。
- 大豆アレルギーに注意
- 塩分量に気をつける
- 与え過ぎは良くない
注意点【1】大豆アレルギーに注意
犬が大豆アレルギーを発症することはあまりないと言われていますが、稀にアレルギー症状を発症する場合があります。
初めて味噌を食べさせる際には、食後数時間は様子を見て、嘔吐や下痢などの消化器症状や口の周りのかゆみ、皮膚の赤みなどのアレルギー症状を発症しないか観察することがおすすめです。
注意点【2】塩分量に気をつける
味噌を犬に食べさせる時に最も注意したいのが塩分量です。一般的な味噌では、大さじ1杯の味噌に約2gの塩分が含まれます。
体重10kgの成犬では、1日に約1.27gの塩分が許容量とされています。実はこの数値は、成人男性の塩分摂取推奨量とほぼ同じ。
犬は、人間よりも効率よくおしっこで塩分を排泄できるため、塩分排泄に役立つカリウムを含む食材と味噌を組み合わせて与えることがおすすめです。
注意点【3】与え過ぎは良くない
犬は、発酵食品の匂いが大好きです。発酵食品の代表である味噌も、ほとんどの犬が好む匂いがします。しかし、味噌には多くの塩分が含まれているため、与えすぎには注意が必要です。
塩分の過剰摂取は、犬の健康に悪影響を与えます。テーブルの上など犬の手が届くところに、味噌の容器などを置きっぱなしにしないように気をつけましょう。
愛犬のための味噌を使ったおすすめレシピをご紹介!
塩分が高いと思われがちな味噌ですが、調理法によって塩分は調整できます。犬に味噌を与える場合は、食材に直接味噌を塗って作る味噌焼きなどは避けて、味噌を薄めて使用するレシピがおすすめです。
レシピ【1】具沢山のしじみ味噌汁
カリウムが多い食材と味噌を一緒に摂ることで、味噌に含まれる塩分の排泄を促してくれます。しじみは水から煮ることで美味しい出汁が取れる上、栄養価もアップ。出汁を取った後のしじみは取り除きましょう。
*犬用の味噌汁を作る時の味噌の量は、水200ccに対して大さじ1/2以下を目安にしましょう。
<材料>
- にんじん 1/4本
- 小松菜 1束
- かぼちゃ 少量
- しじみ 1/2パック
- 味噌 大さじ1/2
- 水 200cc
<作り方>
- しじみを水から煮て出汁をとる。
- しじみからよく出汁が出たらしじみは取り出す。
- 食べやすい大きさに切った野菜を2に入れる。
- 野菜が柔らかくなったら、味噌を入れ一煮立ちしたら火を止める。
レシピ【2】きのこと卵の味噌炒め
きのこもカリウムが多い食材のひとつ。低カロリーで栄養価の高いきのこを何種類か合わせて卵で炒めた簡単レシピです。きのこは好みのものを使用してくださいね。
<材料>
- エリンギ 適量
- 舞茸 適量
- しめじ 適量
- 卵 2個
- 味噌 小さじ1
- 昆布水 120cc
*昆布水は水にだし昆布をつけておいたものですが、なければ水でもOK
<作り方>
- きのこは食べやすい大きさに手で裂いておく。
- 卵は割りほぐしておく。
- フライパンに昆布水を入れ、きのこ類を入れて中火で煮立てる。
- 3が煮立ったら、味噌を入れよくかき混ぜる。
- 溶き卵を回し入れ、全体に卵が絡むようによくかき混ぜ、卵に火が通ったら完成。
レシピ【3】なすと大葉の味噌炒め
カリウムが多いナスは、味噌との相性が良い野菜です。大葉はβカロチンが豊富な栄養価の高い葉物で、健康な皮膚を維持する作用も期待できます。
<材料>
- ナス 1本
- 大葉(しそ)3~4枚
- 味噌 小さじ1
- 水 120cc
- ごま油 適量
<作り方>
- 大葉は軸を取り立て4等分にする。ナスは食べやすい大きさに切る。
- 味噌は約20倍に水で薄めておく。
- フライパンにごま油を入れて熱し、ナスを入れて皮から焼く。
- ナスに火が通ったら、2で作った味噌液を回し入れ、全体を混ぜ合わせる。
- 全体がよく混ざったら、火を止め大葉を加えて混ぜれば完成。
愛犬にも嬉しい栄養がたっぷり!お味噌を上手に使おう!
私たちの身近にある万能調味料である味噌。ドッグフードが普及する前は、味噌汁ぶっかけご飯やねこまんまと呼ばれる、残りご飯に薄めた味噌汁をかけたものを犬に与えている家も多かったとか。
最近では、欧米スタイルの犬ご飯が定着していますが、日本が誇る栄養価の高い味噌を上手に犬ご飯に取り入れてあげると、犬にとっても目先が変わって新鮮かもしれません。
その際には、塩分量や組み合わせる食材をよく考えて、塩分過多にならないように気をつけてあげてくださいね。
<参考文献>
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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