犬が口をくちゃくちゃする理由って何?6つの原因と考えられる病気
愛犬が口をくちゃくちゃと動かしている姿を見たことはありませんか?たまにくちゃくちゃする程度なら良いですが、頻繁にしていると「何かの病気のサイン?」と心配になってしまいますよね。犬が口をくちゃくちゃする原因は、歯の生え変わりやストレス、病気などさまざまです。今回は、犬が口をくちゃくちゃする原因やその対処法、考えられる病気についてご説明します。
目次
犬が口をくちゃくちゃすることはよくあるの?
犬が口をくちゃくちゃすることはよくあることで、珍しい行動ではありません。
しかし、ご飯を食べているわけではないのに愛犬が口を動かしていると「どうしたんだろう?」と気になりますよね。
飼い主さんの中には、そのくちゃくちゃ音がストレスだと感じたり、うるさいと思ったりしてしまうこともあるでしょう。
犬が食事の時間以外でこのような行動をするのには、さまざまな理由があります。愛犬のその些細な行動が病気のサインという可能性もあるため、小さな異変は見逃さないことが大切です。
次の項では実際に犬が口をくちゃくちゃする原因について詳しく見ていきましょう。
犬が口をくちゃくちゃする原因と対処法
犬が口をくちゃくちゃする原因は実にさまざまですが、中には病気のサインというケースもあります。行動の理由を知り、愛犬の異変をいち早く察知することで病気の早期発見に繋がるため、日頃からしっかり観察しておきましょう。ここでは犬が口をくちゃくちゃする6つの原因と対処法について、詳しくご説明します。
1.口の中に食べかすや異物がある
私達人間が歯の間や歯茎に食べ物が挟まったときにそれを取り除こうと口をもごもごさせるのと同じで、犬も口の中に食べ物が挟まっているときに、口をくちゃくちゃと動かします。愛犬が食後に口を動かしているという場合は、このケースが多いでしょう。
しかし、自分の被毛やゴミ、壊れたおもちゃの破片、ティッシュなどの異物を噛んでいる可能性もあります。異物を口に入れている場合には喉に詰まらせる危険があるため、愛犬が長時間口をくちゃくちゃしていると気づいた場合は、一度口の中を開けてチェックしてあげてください。
口の周りを触られることが苦手な犬も多く、無理に触ろうとすると噛まれてしまうこともあるので、「ちょうだい(離して)」のコマンドを練習しておくのがおすすめです。
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2.ストレスを感じている
犬が口をくちゃくちゃと動かすのは、ストレスが原因である可能性もあります。
不安や恐怖を感じたとき、犬は自分の気持ちを落ち着かせるために、ボディランゲージである「カーミングシグナル」を出します。例えば、飼い主さんに怒られたときや、トリミングやシャンプーなど苦手なことをされたときなどです。
たまにするくらいであればあまり気にする必要はありませんが、頻繁にしているときは愛犬が日々強いストレスを感じながら過ごしている可能性があります。
散歩量が不足していないか?コミュニケーションは取れているか?などストレスの原因を探り、愛犬との関係性を見直してみましょう。
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3.気持ちが悪い
犬は、気持ちが悪いときや吐き気があるときに、口をくちゃくちゃと動かすことがあります。飼い主さんのなかにも、吐き気を催したり胃液があがってきたときに、よだれが出て口をもごもごさせた経験がある方も多いのではないでしょうか?
また、車酔いをした際も、あくびを頻繁にしたり口をくちゃくちゃとさせたりします。愛犬が「車に酔ったかな?」と思ったときは、一度車を止めて体を休ませてあげましょう。
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4.歯の生え変わり
子犬であれば、歯の生え変わりが原因であることが多いです。生後4ヶ月くらいになると、永久歯が生え始めますが、その際に歯茎がむずむずしたり痒かったりと違和感を覚えるため、口をくちゃくちゃと動かしてしまうのです。
歯のむず痒さを感じているときには違和感を解消しようとさまざまなものを噛んでしまうため、噛んでも良いおもちゃを用意してあげましょう。歯が抜けたりぐらついたりしていないか、コミュニケーションも兼ねて定期的に口の中をチェックすることも大切です。
また、子犬は好奇心が旺盛でいたずらをして何かを噛んでいる可能性もあるため、口をくちゃくちゃしているときには異物を口に入れていないか注意して観察しましょう。
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5.リラックスしている
口をくちゃくちゃさせる行動は犬がリラックスしているときにみられる行動でもあります。
ソファに座ってくつろいでいるときや、飼い主さんが撫でているときなどにくちゃくちゃしているのであれば、気持ちが落ち着いていて安心している証拠です。
リラックスしているときに口をくちゃくちゃさせる理由は、母犬のお乳を飲んでいた頃の名残といわれています。飼い主さんの近くにいるときにしている場合は、愛犬が甘えているのかもしれませんね。
6.病気が隠れている
頻繁に口をくちゃくちゃと動かすときには、何らかの病気が隠れている可能性もあります。
胃腸の調子が悪かったり、口腔系の病気にかかったりしているかもしれません。また、脳や神経の病気による麻痺や発作で口をくちゃくちゃとすることもあります。
元気がある場合は少し様子を見てもよいかもしれませんが、ぐったりしている、いつもと様子が違うといった場合はすぐに病院へ連れて行きましょう。
犬が口をくちゃくちゃするときに考えられる病気は?
前項では口をくちゃくちゃしているときの原因と病気の可能性についてご紹介しました。ここでは具体的にどんな病気が考えられるのか、一例をご紹介します。
口腔系の病気
口の中に痛みや違和感がある場合は、口をくちゃくちゃする様子がよく見られます。口の中のトラブルで考えられる3つの病気について簡単に説明します。
歯周病
歯周病は、3歳以上の犬の8割が発症するといわれているほど犬にとって身近な病気です。歯周病が進行することで歯が抜けたり、痛みが生じるため、不快感から口をくちゃくちゃとすることがあります。老犬が頻繁に口をくちゃくちゃしているという場合は、歯周病が原因の可能性が高いでしょう。
歯周病になると、以下のような症状が見られます。
- 口臭が強い
- よだれの量が多い
- 歯茎が赤い、腫れている、出血している
- ご飯を食べるのに時間がかかる、食欲がない
- 固いものを食べようとしない
歯周病が進行すると歯が抜け落ちるだけではなく、心臓病や腎臓病などの全身疾患を引き起こすことがあるため注意が必要です。毎日歯ブラシをしたり、歯磨きガムをあげたりして、歯周病を防ぎましょう。
舌炎
口をくちゃくちゃする原因として、舌炎を発症している可能性も考えられます。硬いものを食べたときや火傷、虫刺されなどで舌が傷つくことで、炎症を起こしてしまうのです。
また、外傷だけではなく、栄養の偏りや細菌・寄生虫の感染などが原因の場合もあります。
舌炎を発症すると食欲不振や口臭が強くなることがあるので、「いつもと様子が違う」と思ったときや症状が気になる場合は、病院へ行って検査をしてもらってください。
口内炎
犬も人と同じように、口内炎を発症します。口内炎は口の中の炎症全般を指すため、歯周病による炎症も含みますが、犬にとって害となる植物や洗剤・漂白剤などの刺激物の摂取、免疫力の低下、口腔内の怪我などが原因となって起こることもあります。これらによって痛みや違和感があることで、くちゃくちゃと口を動かしてしまうのです。
口内炎を発症すると、以下のような症状がみられます。
- 口臭が強くなる
- 食欲不振になる
- よだれの量が多くなる
- 口内が腫れる
食欲がない、食事中に痛がるなどの行動がみられる場合は、一度獣医さんに相談してみましょう。
胃腸の病気
くちゃくちゃと口を動かすのは、胃腸の病気が隠れているからかもしれません。空腹が長く続いた場合や、胃腸に異常がある場合にみられ、吐き気や嘔吐が伴うことが多いです。
また、ガンや細菌、ウイルス、寄生虫などに感染して消化器症状を起こしているという可能性も考えられます。
以下のような症状がみられる場合は、早めに動物病院へ連れて行ってください。
- 1日に何度も吐く
- 吐き気が治まらない
- 吐瀉物に血が混じっている
- 食事を食べず元気がない
- 呼びかけに応じない
放置すると命に関わることもあるため、早めに対処しましょう。
てんかん
口をくちゃくちゃする原因として、てんかんも考えられます。てんかんと聞くと、体が硬直したりガクガクと震わせたりといった発作を思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、てんかんの中にはあくびを繰り返す、くちゃくちゃと口を動かすといった小さな発作(部分発作)が見られることもあります。
愛犬が呼びかけに応じなかったり、反応が薄かったりするときは、スマートフォンで様子を撮影しておき、獣医さんにその様子を見てもらってください。
いきなり愛犬の様子がおかしくなると不安になって体を揺すったり大きな声を出したりしてしまいがちですが、発作が収まるまでそばで見守ってあげましょう。
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口をくちゃくちゃしやすい犬の特徴
口をくちゃくちゃしやすい犬の特徴をご紹介します。これから紹介する特徴に愛犬が当てはまるか、確認してみましょう。
歯が生え変わる前である
歯が生え変わる時期の子犬は、グラグラと歯が動いていたり、むず痒かったりすることで口をくちゃくちゃすることが多いです。
歯が痒いと、ソファやテーブルのイスなどの家具を噛むこともあるため、おもちゃを与えたりしつけをしたりと対応してあげましょう。
日頃から口の中をチェックしやすくするためにも、幼犬のうちから口元に触れるようにしておくことをおすすめします。
拾い食いする癖がある
拾い食いする癖があるワンちゃんは、口をくちゃくちゃと動かすことが多いです。
お散歩中、道端に落ちているたばこの吸い殻やおやつのパッケージなどはもちろん、草に撒かれている除草剤やカエル・ムカデなどの生き物を口に入れることで中毒症状を起こしたり痛みが生じるほか、小枝や石であっても口の中や食道を傷つけてしまうこともあり、犬が口にしてしまうと危険なものはたくさんあります。
また、自宅の中でも犬にとって害となるたまねぎやチョコレートなどの食べ物、飲み込めるサイズの雑貨など、口にしてはいけないものは多いです。犬にとって害となるものはすぐに片付ける、愛犬の手の届かないところに置く、拾い食いしないようにしつけるなどの対応をしましょう。
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口元を触られるのが嫌い
口元はデリケートな部分のため、触れられるのが苦手な犬は多いです。
しかし、口元に触れないと口内チェックができず、飼い主さんは愛犬の病気やケガに気付きにくくなってしまうでしょう。
また、愛犬が口元を触られるのを過剰に嫌がる場合は、歯周病や歯槽膿漏などの病気をすでに発症している可能性があります。
歯周病が進行すると心臓病や腎臓病を引き起こすことがあるため、病気を早期発見することが大切です。
日頃から口元に触れられるように、少しずつ慣れさせていきましょう。
口をくちゃくちゃすることが多い子はこまめにチェックを!
今回は犬が口をくちゃくちゃする原因や考えられる病気についてご説明しました。口をくちゃくちゃする理由はさまざまですが、中には早めに対処しなければいけないケースもあるので、愛犬が口をくちゃくちゃしていたらよく様子を確認しておきましょう。
小さな異変に気づいて対処することで、愛犬が安心して過ごせるようになるはずです。
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この記事のライター
42ba
動物が大好きで、小さいころから犬や猫などいろいろな子たちと暮らしてきました。犬好きの皆さんのタメになるような情報をお届けできたらと思います。