犬のフケが増える原因や対策は?病院に行くべきかの判断基準も解説
犬も私たちと同じくフケが出ます。
しかし今までと比べて急にフケが増えた場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
今回はフケの原因や予防にも繋がる対策、対処法を紹介します。
どんな場合に病院に連れて行くべきかも解説しているため、ぜひ読んでみてくださいね。
フケが増える原因
犬のフケが増える原因としては、以下の5つが考えられます。
- 肌のターンオーバーのサイクルが崩れている
- 体にシャンプーが合っていない
- 皮膚が乾燥している
- ストレスを感じている
- 病気により発生している
順番に見ていきましょう。
肌のターンオーバーのサイクルが崩れている
フケが増える原因として考えられるのは、肌のターンオーバーのサイクルが崩れていることです。
ターンオーバーとは肌の生まれ変わり、新陳代謝を指しています。
皮膚は常に細胞が新しく作られ、古くなった細胞を捨てるサイクルを繰り返していますが、その捨てられる古くなった細胞がフケです。
フケが現れること自体は、新陳代謝が行われていることを示す正常な現象ではあります。
しかし、あまりに大量にフケが見られる場合、ターンオーバーのサイクルがうまくいっていない可能性があります。
ターンオーバーのサイクルが崩れる原因はこの後見ていく体に合っていないシャンプーや乾燥、ストレスや病気です。
犬の皮膚はとても弱く、私たち人間と比べて1/6程度の薄さしか持っていません。
人間よりも敏感で、変わったことがあればすぐに異常を示すことを理解しましょう。
フケが大量に出ているということは何らかの原因でターンオーバーのサイクルが崩れているものだと考えて、原因を探り対策を行う必要があります。
体に合っていないシャンプー・スキンケア
フケの原因として考えられるのは、シャンプーやスキンケアが体に合っていないことです。
私たち人間と同じように、犬も被毛や地肌に合っていないシャンプーやスキンケアを行うことで、フケが出たり皮膚に炎症が起こったりしてしまいます。
一言にシャンプーといっても多くの種類があります。
皮膚にこだわるのであれば、被毛のハリやツヤを維持する美容シャンプーは控えましょう。
皮膚へのダメージの少ない無添加のシャンプーや低刺激シャンプーを試してみてください。
またシャンプーの間隔も大切です。
特別な問題がなければ1ヶ月に1回、多くても2週間に1回で十分でしょう。
洗いすぎは皮脂も一緒に洗い流してしまうため、乾燥から皮膚を守るバリア機能が正常に保てなくなってしまいます。
現在愛犬のフケについて悩んでいる方やフケ予防を考えている方は、愛犬の体に合ったシャンプーやスキンケアを行っているか、洗う感覚は適切か考えてみてください。
皮膚が乾燥している
フケが出る原因として考えられるのが、乾燥です。
特に冬になると空気が乾燥しますが、外だけでなく部屋の中の乾燥にも注意しましょう。
ストーブやエアコンは寒さをしのぐのに最適ですが、床暖房やこたつなども体が触れた箇所に乾燥を招いてしまいます。
加湿器の設置や濡れタオルを干すなどの対策により部屋の乾燥は防げるため、ぜひ試してみてくださいね。
ストレス
フケの原因として考えられるのは、ストレスです。
私たち人間も同じですが、犬もストレスを感じると免疫力が下がります。
免疫力が下がった状態で肌に合わないシャンプーや乾燥などの刺激を少し受けると、皮膚のトラブルを引き起こしてしまうでしょう。
皮膚のトラブルにより犬が皮膚を掻くと、フケが出やすくなってしまいます。
犬は少しの刺激でストレスを感じやすい動物のため、小さなことでも何か思い当たる原因があれば突き止め、解決してあげることが必要です。
対処法でも後述しますが、食事や運動習慣により徐々にストレスが溜まっていった可能性も否定できません。
思い当たる原因がない場合でも、愛犬のために食事や運動習慣を見直してみることも大切です。
病気
最後にフケが増える原因として考えられるのが、病気です。
- 感染性皮膚炎
- アレルギー性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 脂漏症
上記は一例ではありますが、それぞれについて簡単に見ていきましょう。
感染性皮膚炎
感染性皮膚炎とは、寄生虫や細菌に感染して起こる皮膚炎です。
原因となる寄生虫や細菌には以下のものが考えられます。
- 寄生虫:ツメダニや疥癬、毛包虫など
- 細菌:皮膚糸状菌やマラセチア
寄生虫による皮膚炎も細菌による皮膚炎も、動物病院での治療が必要です。
ツメダニや疥癬、マラセチアなどは人間に移る場合もあります。
フケと共に激しいかゆみを引き起こすため、感染が広がらないように早めに治療を開始すべきといえるでしょう。
アレルギー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎とは、アレルギーの原因物質であるアレルゲンを吸い込んだり食べたりして体内に取り入れることでアレルギー反応を示す皮膚炎です。
考えられるアレルゲンには以下のものがあります。
- 花粉
- 食べもの
- ハウスダスト
- カビなど
体内にアレルゲンが入ると、体の防御機能が働いて化学物質が放出されます。
化学物質はアレルゲンを攻撃すると共にかゆみも引き起こすため、かゆみを解消しようと掻くことでフケが出てしまうのです。
アレルギー性皮膚炎は原因を特定し、アレルゲンを取り込まないように環境やフードを見直す必要があります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、遺伝的にアレルギー体質である犬に起こる、慢性的なかゆみを起こす皮膚炎です。
遺伝的に皮膚のバリア機能が弱い場合が多く、若齢期から発症する場合もあります。
完全に治療するというよりは、慢性的なかゆみをいかにして抑えるかを考えることが重要です。
治療のゴールは皮膚炎があるもののかゆみは大分抑えられた状態まで持っていくことで、常に愛犬の皮膚の状態に気を配り、継続的な治療をしていく必要があります。
脂漏症
脂漏症とは皮膚のバリア機能の低下によって皮膚が乾燥したり、逆にベタついたりしてしまう症状です。
乾いたフケが出る脂漏症を乾性脂漏症といい、皮膚がベタつく脂漏症を脂性脂漏症といいます。
体質として脂漏症になりやすい犬もいるため、その場合はシャンプーに気をつける必要があります。
程度によっては内服薬の服用も考えなければいけません。
脂漏症を引き起こす疾患が隠れている場合もあるため、体質だろうと放っておかず、病院で治療を受けるのがおすすめです。
フケの対策・対処法
フケの対策や対処法は、以下の3点が挙げられます。
- シャンプー・スキンケアを工夫する
- 食事・運動習慣などストレスがないか見直す
- 病院に連れて行く
順番に見ていきましょう。
シャンプー・スキンケアを工夫してみる
フケの対策を行うために、シャンプーやスキンケアを工夫することは重要です。
- 犬用のシャンプーを使用する
- シャンプーの方法を見直す
- スキンケアの方法について
上記の3点について見ていきましょう。
犬用のシャンプーを使用する
大前提として、愛犬のシャンプーは犬用のシャンプーを使っているかを確認しておきましょう。
犬の皮膚は人間よりも薄いと前述しましたが、肌も人間の弱酸性とは異なり、pHは弱アルカリ性となっています。
犬の皮膚は弱アルカリ性を保つことで肌のバリア機能が十分に働き、肌を健康な状態にキープしてくれるのです。
肌質の違う人間と同じシャンプーを使ってはいけません。
シャンプーを切らしてしまった場合は水で洗い流しただけでも皮膚の汚れを落とす効果はあるので、人間のシャンプーを使わないようにしてください。
シャンプー方法を見直す
フケの対策を行うために、シャンプーの方法を見直してみましょう。
- シャンプー前にはブラッシングを行う
- しっかりと地肌まで濡らす
- シャンプーはしっかりと泡立ててから皮膚につける
- 擦らず優しく洗う
- ぬるま湯でシャンプーが残らないよう十分すすぐ
- ドライヤーは近づけすぎない
上記のほか、シャンプーの成分についても動物病院やペットショップに問い合わせて愛犬に合ったものを見直してみるとよいでしょう。
フケが多い場合は薬用シャンプーを一定期間使用して、肌の状態を戻すことも考えられます。
スキンケアの方法について
フケの対策として、スキンケアの方法を工夫してみましょう。
- 保湿剤
- トリートメント
- ブラッシング
今までシャンプーはしてきたけれど日々のスキンケアはしていない飼い主さんにおすすめなのが、上記の3つのスキンケアです。
保湿剤を日常的に使うことで皮膚のバリア機能が正常に保てます。
バリア機能は内側から水分が抜けるのを防ぐと同時に外から入ってくる菌やアレルゲンを防いでくれるため、保湿剤はぜひ使っておきたいスキンケアです。
またシャンプーを行う際にトリートメントを行うことで被毛の健康を保ち、アレルゲンの侵入を防げます。
毎日のブラッシングは古くなった毛を取り除き、通気性を高めるのに効果的です。
血流も改善して皮膚を健康な状態へと戻すため、ぜひおこなっていきましょう。
食事・運動習慣などストレスが無いか見直す
フケの対策として、食事や運動習慣などにストレスを感じていないか見直しましょう。
ストレスを感じるような特別な原因が思い当たらなくても、食事や運動習慣が愛犬に合わずにストレスを感じている可能性も否定できません。
ただし食事の場合、いきなり切り替えてはいけません。
2週間程度かけて元のフードと新しいフードを混ぜ、嘔吐や下痢などの消化器症状が出ないか確認しながら切り替えましょう。
運動も普段の散歩の時間が限られていて増やせないようであれば、週末にドッグランに連れて行くといった工夫をしてみてください。
駆け回らず室内で遊ぶ時間が増やせれば、それだけでも犬は満足してストレスが解消できるかもしれません。
飼い主さんとのスキンシップにもなり絆を深めるのにもおすすめなので、ぜひ食事や運動を見直してみてください。
病院に連れて行く
フケの対策として、病院に連れて行くことも考えましょう。
しかし炎症や痒みが見当たらない場合、フケの症状だけで病院に連れて行くべきかどうかは難しいところですよね。
病院に連れて行くとフケの原因を調べるための検査や薬用シャンプーの処方、皮膚病を伴う場合は内容薬の処方も考えられます。
場合によっては薬用シャンプーを病院スタッフがおこなってくれるところもあるため、症状の改善まで飼い主さんの手間がかからない場合もあるでしょう。
最後に病院に連れて行くべきかどうかについて解説していますので、ぜひ読んでみてください。
病院に連れて行くべきか
病院に連れて行くべきかどうかは、以下の3点を中心に考えると判断しやすくなります。
- スキンケアを変えても変化を感じられない場合
- 量が多すぎる場合
- 病気の症状が見られる場合
順番に見ていきましょう。
スキンケア等を変えても変化を感じられない場合
スキンケア等を変えても改善が見られない場合、病院へ連れて行きましょう。
ただし犬の皮膚は、21日程度の時間をかけて生まれ変わります。
そのため、シャンプーやスキンケアを変えた次の日からフケが出なくなるようなことはないと理解しておいてください。
改善が見られれば、そのままのスキンケアを試す価値はあります。
2~3週間続けて少しも改善が見られない場合や悪化してしまった場合は、動物病院に連れて行きましょう。
量が多すぎる場合
フケの量が多すぎる場合、病院へ連れて行きましょう。
肌のターンオーバーにより出るフケは、決して異常ではありません。
しかし、以前と比べて明らかに増えたり一緒に暮らしていて明らかな違和感を覚えたりする場合、皮膚になんらかのトラブルが起きていることが考えられます。
すぐに量を減らすことは出来ませんが、病院では改善に向けての的確なアドバイスをもらえるため、量が多すぎると感じた場合は受診を検討してみてください。
病気の症状が見られる場合
フケのほかに以下のような病気の症状が見られる場合、病院へ連れて行きましょう。
- 脱毛
- 皮膚の赤み
- かゆみ
- 毛のべたつき
上記の症状を伴う場合、病気によりフケが出ていることが考えられます。
前述しましたが、寄生虫や細菌のなかには飼い主さん自身や家族にも移るものもあります。
フケのほかにも症状が見られる場合は、早めに病院に連れて行きましょう。
まとめ
今回は犬のフケについて原因や対策、病院へ連れて行くべき判断基準を解説しました。
フケは肌のターンオーバーの過程で作られる副産物のため、決して悪いものではありません。
しかし、多すぎるフケはターンオーバーサイクルが崩れていたり皮膚の異常が考えられたりするため、対策や病院での治療が必要です。
シャンプーやスキンケアを見直し、解決しない場合や不安な場合は病院へ相談しましょう。
飼い主さん一人で悩まずに、相談して解決するようにしてくださいね。
この記事のライター
satoko
わんちゃん大好きなドッグライターです!愛犬のコーギーに癒される日々を送っています。皆さんにとって有益な情報を発信できるよう頑張ります!
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