愛犬がムカデに噛まれた?!落ち着いて応急処置ができるようにまずムカデについて知っておこう!
お散歩中や庭で遊んでいるときなどに愛犬がムカデに噛まれるという事故が意外と多いということをご存知ですか?ムカデは土がある場所ならどこにでも生息している生物で、特にキャンプ場や公園、河川敷をはじめ、お風呂場や床下など、暖かくてジメジメしている暗い場所を好みます。今回は、意外と知られていないムカデの生態や愛犬が噛まれた時の対処法・予防法と噛まれたときにやってはいけないことをご紹介します。
目次
まずはムカデの生態を知ろう!
「百足」と書くムカデは、細長い体にたくさんの足を持つ体長7〜13cm程度の虫です。夜行性のため日中は目につく場所に出てきません。そのため、家の周辺に生息していても気がつかないことも多いです。
家の中や散歩コースなどあらゆる場所に生息するムカデ
ムカデは暖かくジメジメした場所に生息するため、いつものお散歩コースに潜んでいる可能性も少なくありません。公園などの土がある場所はもちろん、落ち葉の下や河川敷の石の隙間をはじめ、キャンプ場の草むら、森の中などの場所は注意が必要です。
また、キッチンやお風呂場の排水口、エアコンの排気口、石垣、床下などの身近な場所に入り込んでいる可能性もあります。
ムカデには毒があるので要注意!
ムカデはコオロギやゴキブリなどの昆虫を捕食する肉食性の虫で、たんぱく質で構成された毒を持っています。刺激を与えない限り噛みつくことがありませんが、お散歩の最中に誤って犬が踏んでしまったり、気になって触ってしまうことで、噛みつく可能性があります。
ムカデは「刺す」?「噛む」?
みなさんはムカデにチクっと攻撃されたら、「刺された」と言いますか?それとも「噛まれた」と言いますか?蜂や蚊のように針で刺す虫の場合は「刺された」と表現するので、トゲのようなツノのようなものがあるムカデも「刺してくる」のではないかと思いますよね。
しかし、実はムカデには顎肢(がくし)という毒牙があり、この牙で相手を噛んで毒を注入するとされています。そのため、ムカデに攻撃された場合の表現としては「刺された」ではなく「噛まれた」が正しいようです。
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愛犬がムカデに噛まれた!!すぐに応急処置をしよう!
お散歩中に限らず、家の中や庭先などあらゆる場所で遭遇する可能性があるムカデ。気がつかないうちに犬が触ってしまったり、踏んでしまい噛まれてしまうというケースも少なくありません。もしも噛まれたらどうなるのか、また応急処置をするにはどうすればいいのかについて知っておきましょう。
犬がムカデに噛まれるとどうなるの?
ムカデには命に関わるほどの毒性はありませんが、犬がムカデに噛まれると人間と同じように激しい痛みが生じるため、お散歩中に突然歩かなくなってしまうことがあります。
また、ムカデの持つ毒には蜂と似たような物質が含まれているので、噛まれた際にアナフィラキシーショックを起こすこともあり、注意が必要です。特に、過去にムカデに噛まれたことがある犬はアナフィラキシーショックを起こす可能性が高いとされています。
応急処置の仕方を知っておこう
犬がムカデに噛まれたと分かったら、全身に毒が回らないようになるべく早く応急処置を施しましょう。ムカデの毒はたんぱく質で構成されているため、熱に弱いという特徴があります。
噛まれたところをすぐにお湯で洗い流す
ムカデに噛まれた時は、早急に43〜45度以上のお湯で5分以上毒素を洗い流すことが有効です。ムカデの毒は噛みついた皮膚の表面に付着するため、早急に洗い流すことで毒が全身に回るのを食い止めることができるとされています。
ただし、時間が経過している場合にはこの方法は逆効果になるため注意が必要です。また、愛犬が火傷をしないよう細心の注意を払わなければなりません。
すぐに動物病院へ連れて行く
犬がムカデに噛まれると人間の場合と同じようにズキズキとする痛みや激しいかゆみ、腫れなどの炎症を発症します。また、小型犬やアレルギーを持っている犬の場合は、嘔吐や発熱などの症状が出る可能性があります。
そのため、ムカデに噛まれたと気がついたら悪化する前に早急に動物病院で処置してもらいましょう。
愛犬がムカデに噛まれた時に絶対やってはいけないこと
ムカデの毒は間違えた応急処置をしてしまうと悪化させる可能性があります。そのため、万が一噛まれた場合にやってはいけないことを把握しておくことが重要です。
噛まれた箇所を冷やす
虫に刺された時は赤く腫れた箇所を流水や保冷剤で冷やすと効果的だと言われていますが、ムカデの場合は逆効果です。ムカデの毒は冷やすことで痛みが増し、けいれんを起こす可能性があります。ムカデに噛まれたと気がついたら、絶対に冷やさないようにしましょう。
舐める
犬はかゆみや痛みがある箇所を舐めたり噛んだりしてしまいますが、ムカデは噛む時に毒を分泌しますが、体内に入り込む量よりも皮膚の表面に付着する量のほうが多いと言われています。しかし、ムカデに噛まれた箇所を犬が舐めたり噛んだりすることで、口の中に毒が入ってしまいます。
犬の口の中に毒が入ってしまうと、口内や喉、気管などが炎症を起こし、息苦しくなってしまったりかゆみを起こす可能性があるため注意が必要です。
ぬるま湯で流す
ムカデに噛まれた際の応急処置として、お湯で毒を洗い流すことが効果的ですが、お湯の温度が40度以下のぬるま湯では毒が活性化するので、症状が悪化する恐れがあります。
また、噛まれて時間が経過している場合は、お湯で洗い流すことが逆効果になってしまうため、ムカデに噛まれて時間が経過している時には、すぐに動物病院へ連れて行くことが大切です。
愛犬がムカデに噛まれないようにするためにできることは?
あらゆる場所に潜んでいる可能性があるムカデ。予防として、まずは愛犬がムカデに触れることがないように気をつけることが基本です。
いつものお散歩コースやアウトドアレジャーでは
ムカデはジメジメした暖かい場所を好むため、湿った土の上や落ち葉の中、草むらを歩かせるのは避けるようにしましょう。
また、河川敷や河原などの石がある場所では石の裏側にムカデが潜んでいる可能性があるので、石を裏返したり、動かしたりしないようにすることも大切です。
自宅でムカデの侵入を予防するには
ムカデは、室内、室外問わず出現します。ムカデを侵入させないために、以下のような対策をとりましょう。
キッチンやお風呂場の排水口には栓をしよう
暖かく、ジメジメした排水管はムカデが好む場所です。この排水管を通って、排水口から室内へ侵入してくることがあります。そのため、使っていない排水口には栓をしてムカデが室内へ侵入しないように対策をとりましょう。
庭の落ち葉などはこまめに掃除を
ムカデは落ち葉の下や草むらなどの環境も大好きです。庭に落ち葉がたまらないようこまめに掃除をしたり、雑草が茂らないように草取りをするなど、ムカデが好む環境を作らないようにしましょう。
専門業者に駆除を依頼する
ムカデを庭先や室内でよく見かける、そんな家庭では専門の業者に依頼し駆除をしてもらうのがおすすめです。ムカデの駆除には薬剤を使用するため、犬が近寄らないように気をつけましょう。
危険を知らない犬たちにとって、ムカデは大敵!
キャンプ場や川遊びなどのアウトドアレジャーのフィールドはもちろん、自宅の庭や普段のお散歩コースでも見かけることがあるムカデ。
好奇心旺盛な犬はこれ何?と匂いを嗅ごうとしたり、足でチョンチョンと触ろうとしがちです。しかし、ムカデは少しの刺激でも自分を守るために噛み付いてくることがあるので注意しなければいけません。特に、春と秋はムカデの動きが活発になる季節なので、愛犬がムカデに近寄らないように目を光らせておきましょう。
そうはいっても、自然の中ではなかなか難しいもの。ムカデはハッカ油やヒノキが苦手だと言われているので、これらの成分が含まれた忌避スプレーを活用してみるのもよいかもしれませんね。
参考文献
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この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。