犬がおねしょする原因は何?考えられる病気や対策、おしっこの掃除方法まで
「子犬がおねしょをしてしまった」「トイレトレーニングは完了しているのに、愛犬がおねしょをするようになった」というお悩みはありませんか?犬のおねしょはさまざまな理由が考えられますが、中には病気が原因の可能性もあります。今回は、犬のおねしょの原因と考えられる病気、さらにはおねしょの対策方法や掃除方法についてもご紹介します。
犬がおねしょをする原因とは
おねしょは無意識のうちにおもらししてしまうことを指し、尿失禁といいます。犬のおねしょの原因は、ストレスや加齢などさまざまです。詳しく見ていきましょう。
ストレス
長時間の留守番、引っ越しや飼い主さんの結婚、出産などの環境の変化、さらには雷や花火などの大きい音などがストレスとなりおねしょをしてしまうことがあります。
膀胱が未発達のため
子犬は膀胱が未発達であるためおねしょをしやすいです。膀胱や尿道の筋肉が発達するまでは、尿漏れが起きやすくなります。興奮時に漏らしてしまう「うれしょん」は筋肉が緩むことで尿道が開いておもらしをしてしまいますが、これも子犬に多いです。
加齢によるもの
シニア犬は、筋肉の老化によって膀胱や尿道の筋肉が緩んでしまったり、脳からの伝達が鈍くなったりすることでおねしょをしやすくなります。
避妊手術によるもの
避妊手術を済ませた子がおねしょをするという場合、子宮と卵巣を摘出したことで女性ホルモンの分泌が不足し、尿漏れが発生している可能性があります。トイレトレーニングは完了したのに、手術後におねしょをするようになったという場合は、手術の影響かもしれません。
犬がおねしょをするときに考えられる病気
犬のおねしょは病気が原因の可能性もあります。おねしょをする場合に考えられる主な病気は以下の通りです。
前立腺肥大
前立腺肥大はオス犬にみられる病気です。去勢しなかったシニア犬に多く報告されています。前立腺が大きくなることで膀胱に尿をためておけなくなるのが原因です。
前立腺肥大の場合、おねしょのほかにも以下のような症状があります。
- おしっこやうんちをするときに力む
- 便秘になる
- 排尿後におしっこが垂れる
- 体重が減少する
尿道括約筋機能不全
尿道括約筋機能不全はメス犬にみられる病気です。避妊手術をした中・大型犬に多く報告されています。尿を排出するために必要な尿道の筋肉を収縮させておく機能の低下が尿漏れの原因です。ホルモンバランスの乱れが原因とされ、1歳前に去勢手術を受けると発症しやすくなります。治療はホルモン剤を用いることが一般的です。
ホルモン反応性尿失禁
ホルモン反応性尿失禁はメス犬にみられる病気です。去勢手術をした老犬に多く報告されています。加齢とともに、女性ホルモンの分泌は不足するものです。女性ホルモンの減少による、尿道括約筋機能の低下が原因といえるでしょう。一般的な治療はホルモン剤の投与となり、重い副反応がでる可能性もあります。老化による生理現象なので治療を受けない選択肢もあるでしょう。皮膚のかぶれに注意しながらオムツで対処する犬もいます。
膀胱炎
膀胱炎は膀胱や尿道に炎症が起きる病気です。年齢や性別に関係なく発症します。シニア犬の場合、炎症が原因でおねしょをしてしまうことが少なくありません。通常の尿漏れとは異なり、「おしっこの色が白っぽい」「排尿の回数が増える」「おしっこの臭いがきつくなる」という症状があります。
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糖尿病
糖尿病になると、のどが異常に乾きます。水を大量に飲むことが、おねしょにつながるのです。糖尿病を患うと食欲が増します。たくさん食べて、たくさん飲むのに体重は増えません。おしっこと一緒に栄養を排出している可能性があるからです。愛犬が水分をたくさん飲むようになって、おねしょが増えたときは食欲と体重も観察しましょう。
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腎臓病
腎臓病はシニア犬に多い病気です。シニア犬だけでなく、事故で腎臓にダメージを受けた犬にも報告されています。腎臓病を患うと、水分をたくさん飲むようになり、おしっこの量もトイレの回数も増えます。トイレの失敗やおねしょが続くときは、腎臓病の可能性があるかもしれません。
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椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアはシニア犬に多い病気です。シニア犬だけでなく、遺伝やアクシデントで椎間板に損傷を受けた犬にも報告されています。椎間板が突出し、脊髄を圧迫する激しい痛みや麻痺が主な症状です。神経の麻痺が原因で排尿のコントロールができなくなります。下半身に力が入らなくなって、おねしょや尿漏れが増えます。
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クッシング症候群
クッシング症候群はシニア犬に多い病気です。ホルモン異常が原因で、「水をよく飲むようになる」という症状があります。水分の摂取量が増えることで、おねしょの増加につながっているかもしれません。
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避妊・去勢手術の後遺症
避妊・去勢手術の後遺症は病気ではありません。手術後すぐに起こることは少なく、数年後におねしょが増えることもあります。トイレトレーニングを完了していた犬が、おねしょをするようになることもあるでしょう。愛犬が避妊や去勢手術をした場合は、後遺症におねしょがあることを覚えておいてください。
犬のおねしょ対策方法
犬のおねしょは原因によっては治りません。そのため、飼い主はおねしょ対策を考えておくとよいでしょう。
洗えるシーツを使用する
犬がおねしょをする場所には、洗えるシーツを使用しましょう。犬用であってもベッドやソファーを洗うのは大変です。あらかじめシーツで覆っておけば、洗濯機で洗うだけで処理ができます。ペットシートは面積が狭いので、おねしょ対策にはおすすめできません。
おねしょシーツを使用する
洗濯が大変な飼い主はおねしょシーツを使用しましょう。おねしょシーツは防水加工がされています。人間の介護用品としても人気が高く、おねしょの処理におすすめです。洗濯して繰り返し使用することもできるので、シニア犬の介護に向いています。
水のいらないペット用のシャンプーを利用する
おねしょをすると、犬の体も汚れてしまいます。毎回、シャンプーするのは大変です。水のいらないシャンプーを利用すれば手軽に愛犬をきれいにできます。汚れた部分にスプレーしてふき取るだけで、汚れもニオイも落とせるでしょう。人間用のシャンプーもありますが、犬には使用しないでください。
犬用のオムツを使用する
おねしょ対策にオムツを使用することもできます。犬用のオムツはサイズも豊富なので、おしっこが漏れる心配はありません。しかし犬によっては、オムツの感触を嫌がることがあります。最初は短時間から履かせて、少しずつオムツに慣れるようにしてあげましょう。オムツを使用すれば、おねしょで布団や犬の体が汚れないというメリットがあります。
おねしょを叱らない
犬のおねしょは無意識の現象です。飼い主が叱っても、おねしょは改善されません。飼い主に叱られることで、犬は恐怖とストレスを感じます。緊張からおねしょが増える可能性もあるでしょう。おねしょ対策のためにも、飼い主は叱らずに淡々と後処理をしましょう。
食事を見なおす
おねしょする原因の1つは、水分量が多いことです。水分は、飲み水だけではなく食事にも含まれています。おねしょ対策として食事を見直してみましょう。手作りでフードをつくっている場合は、水分量が多くなる傾向があります。ドライフードの場合は、栄養過多が原因で水を欲することも珍しくありません。
犬のおしっこ掃除方法
犬のおしっこはニオイが強く、正しく掃除しないと寝具や家具が使えなくなることもあります。犬のおしっこの掃除方法について知っておきましょう。
薄めた中性洗剤を使用する掃除方法
中性洗剤は家庭にあるもので十分です。
- おしっこを雑巾やキッチンペーパーで拭いておく
- 中性洗剤をパッケージ通りに希釈する
- 雑巾やキッチンペーパーに2を染みこませ、たたくように拭く
- 別の雑巾やタオルを水でぬらし、かたく絞ってから丁寧にふき取る
クエン酸水スプレーを使用する掃除方法
クエン酸はアンモニア臭を消します。時間がたってしまったカーペットや布団におすすめです。
- おしっこを雑巾やキッチンペーパーで拭いておく
- クエン酸水を自作する場合は10~20倍に希釈する
- クエン酸スプレーをおねしょした場所に吹きかける
- 雑巾やタオルでたたくように拭く
熱湯を使用する掃除方法
雑菌やアンモニアは熱を加えると分解できるといわれています。熱湯は除菌や殺菌作用もあるので、おねしょの処理に役立ちます。羽毛やポリエステルなど熱湯が不向きの素材には注意しましょう。
- おしっこを雑巾やキッチンペーパーで拭いておく
- 熱湯をおねしょの後にかける
- お湯が冷めるのを待つ
- 雑巾やタオルで水分をしっかりと拭く
重曹と酢を使用する掃除方法
重曹には消臭、脱臭作用があります。酢と混ぜると、酢酸ナトリウムに変化して加わるのが研磨作用です。重曹と酢を使用することで、汚れ落としと消臭作用が期待できるでしょう。
- おしっこを雑巾やキッチンペーパーで拭いておく
- 水と酢を1:1の割合で希釈する
- おねしょした部分に重曹を振りかけて約5分放置する
- 2の酢水を重曹の上からスプレーして約5分放置する
- 雑巾やタオルで水分をしっかりと拭いて乾かす
酵素洗浄剤を使用する掃除方法
酵素洗剤は汚れだけでなくニオイの元も分解します。汚れの除去と消臭を同時にできるので、おしっこの処理に役立つでしょう。
- おしっこを雑巾やキッチンペーパーで拭いておく
- 酵素洗剤をおねしょの部分にしみこませて15分程度放置する
- 雑巾やタオルで洗剤をしっかりと吸収する
- 2の場所が完全に乾くまでアルミホイルをかぶせておく
スチームクリーナーを使用する掃除方法
スチームで汚れを浮かして取り除く方法です。熱湯をかけるのと同様の作用があるものの、ニオイを完全に除去できません。ニオイの軽減を目的として使用しましょう。カーペットのように洗うのが難しい場所でおねしょをしてしまったときに役立ちます。
- おしっこを雑巾やキッチンペーパーで拭いておく
- 取扱説明書に従ってスチームクリーナーをかける
まとめ
犬のおねしょについて解説しました。おねしょは生理現象なので、愛犬を叱らずに飼い主が対処しましょう。おねしょは身体が汚れてしまうこともありますが、そのままにしておくと雑菌が増えてしまったり皮膚トラブルを引き起こしてしまうこともあるので、お尻周りの被毛を洗ったり拭き取ってあげるようにしてください。
犬のおねしょはさまざまな原因が考えられますが、中には病気が原因の場合もあるので、状況に応じて動物病院に連れていくようにしてくださいね。
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この記事のライター
ネコト
愛犬が快適に過ごせるよう日々試行錯誤しています。その中で得た有益な情報を共有していきたいと思います。