ことわざ「犬猿の仲」の由来って知ってる?英語での表現の仕方や対義語・類義語も紹介
仲が悪いということを表すとき「犬猿の仲」と例えることがありますが、そもそもなぜ「犬」と「猿」で表すのでしょうか。意味は分かっていても、その由来まではなかなか知る機会がありませんよね。今回は、犬にまつわる雑学として「犬猿の仲」ということわざの適切な使い方や語源の由来をご紹介します。また、類義語・対義語も合わせてご紹介します。
「犬猿の仲」の意味
犬猿の仲は「そりが合わずとても仲が悪い関係」であることを意味することわざです。一方だけが相手を嫌っているのではなく、双方とも相手のことをよく思っていないというニュアンスが含まれているので、どちらかが一方的に嫌っているようなケースには当てはまりません。
例文で確認しよう
「犬猿の仲」は、以下のように使います。
- 犬猿の仲の◯さんと◯さんの席は、隣り同士にしない方がいいよ
- 昔から彼女とは犬猿の仲で、彼女の考えていることが理解できない
犬猿の仲は「仲が悪い」「険悪な関係」に置き換えられ、使い方がややこしくないので、ことわざの中では比較的よく使われています。当人それぞれが「仲が悪い」と自覚している場合や、周りの人から見ても「際立って悪い関係に見える」ときに使われます。
もし誰かと誰かが犬猿の仲だということを耳にしたときは、当人たちの関係を悪化させないように気をつけましょう。
「犬猿の仲」の由来は干支?
「犬猿の仲」ということわざの由来は、いくつかの説があります。
干支を決めるときのけんか
干支になれるのは、神様のもとに挨拶をしに来た最初の12種の動物で、到着した順に十二支の順番が決まったと言われています。実はこれが犬猿の仲の由来に関係していると考えられています。
犬と猿は仲良く神様のもとへ向かいますが、いつしか“我、先に”と競争心が芽生え、途中の川にかけられた丸太の橋でどちらも自分が先に渡ろうとして、犬も猿も川に落っこちてしまいまいました。これにより大げんかが始まり仲が悪くなったからと言われています。
また、仲良く一緒に神様のもとに向かっていたところ、途中で猿が犬にいたずらを仕掛け、そのすきに猿が先に神様のところへ到着。出し抜かれた犬は猿のことが大嫌いになり仲が悪くなった、という干支が由来の説もあります。
犬も猿も干支の順番が遅いので、この由来もあり得るかもしれませんね。
犬と猿が威嚇し合うから
2つ目の説は、干支の話と全く違い、とても現実的です。猟師に同行して猟犬が山を歩いていたところ、縄張りに入ってきたとして猿が激しく威嚇。それに対し猟犬も威嚇して激しく吠え立て、その互いに威嚇する様子が「=とても仲が悪い」ということわざの由来となっているという説です。
現実的にあり得る光景なので、納得できるところがありますよね。
「犬猿の仲」の類義語や対義語と英語での表現の仕方
犬猿の仲の類義語には「水と油」などがあります。水と油は「そりが合わない」「しっくりこない」という意味合いがあり、気が合わず仲が悪い様子を表します。性質が違う水と油は、一生懸命混ぜても分離してしまうので、この性質を「仲がよくない関係」に例えているのです。
そして、犬猿の仲の対義語には「魚と水」が挙げられます。魚にとって水は生きていくうえで欠かせないものなので、その様子を例えて「とても仲がよい関係」「親密な関係」を表すときに使われます。
英語では犬と猫が主役に
犬猿の仲は英語では「犬と猫のように仲が悪い」という意味になります。
「like cats and dogs」やこれにFightを加えて「They fight like cats and dogs.」として使用します。後者の方は戦うという単語が入っているので「犬と猫のように喧嘩する」となります。
また「水と油」という類義語ですが、これはそのまま「like oil and water」となるため、猫という表現がしっくりと来ない場合にはこちらを使用するといいでしょう。
犬猿の仲の意味を理解して正しく使おう
「犬猿の仲」は、険悪な関係であることを強調したいときに使われることが多く、日常生活で耳にすることがあると思います。どちらか一方しか嫌っていないときは当てはまらないので、使い方を間違えないように気をつけてくださいね。また、類義語や対義語も普段から使われているので、合わせて覚えておくと便利かもしれません。以上、犬にまつわる雑学【ことわざ・犬猿の仲】でした。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
犬のことわざ・慣用句に関する記事
犬の生態/気持ち
「犬も歩けば棒に当たる」の意味は2つあるって知ってた?類義語や対義語もチェック!
日本には、動物をたとえに用いたことわざ・言葉がたくさんあり、「猿も木から落ちる」や「河童の川流...
2023年4月6日
犬の生態/気持ち
犬に関することわざや慣用句は世界中にたくさんある!日本語と英語のことわざ・慣用句を紹介します
「犬も歩けば棒に当たる」ということわざは、多くの方が一度は耳にしたことがある有名なことわざでは...
2023年4月2日
犬の生態/気持ち
ことわざ『狡兎死して走狗烹らる』って知ってる?犬が登場することわざをチェック!
『狡兎(こうと)死(し)して走狗(そうく)烹(に)らる』ということわざをご存知ですか?「ことわ...
2023年1月22日
犬の生態/気持ち
【ことわざ】『犬馬の労』の由来って知ってる?気になる意味や例文、類義語も紹介
皆さんは「犬馬の労」ということわざをご存知でしょうか?世の中には、『犬』という言葉を使った慣用...
2023年1月10日
犬の生態/気持ち
ことわざ「犬猿の仲」の由来って知ってる?英語での表現の仕方や対義語・類義語も紹介
仲が悪いということを表すとき「犬猿の仲」と例えることがありますが、そもそもなぜ「犬」と「猿」で...
2023年1月7日