ポメラニアンにそっくりな、ジャーマン・ミッテル・スピッツってどんな犬?特徴や歴史など
ジャーマン・ミッテル・スピッツは、日本でも有名なポメラニアンの基礎となった犬です。見た目もポメラニアンにそっくりですが、体格や性格の違いなどがあります。ここでは、あまり知られていないジャーマン・ミッテル・スピッツの歴史・特徴・性格についてご説明します。
目次
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ジャーマン・ミッテル・スピッツの見た目の特徴
ジャーマン・ミッテル・スピッツの一番の特徴は、ふさふさとした被毛です。顔周りにはライオンのたてがみのようなカラーがあり、ふさふさの尻尾は背中の上でくるっと巻き上がります。ピンと立った耳は三角形で、顔は口元にいくにつれて細くなっていきます。体高は34cm程度で、体重は11kg程度の中型犬サイズになります。
毛色はバリエーション豊富で、抜け毛は多め
ジャーマン・ミッテル・スピッツの毛色は、ブラック、ブラウン、オレンジ、ホワイト、グレー、クリーム、ブラック&タン、クリーム・セーブル、オレンジ・セーブルなどカラーバリエーションがとても豊富です。被毛は上毛と下毛の二重構造になっているダブルコートです。そのため抜け毛の量は多くなります。
ジャーマン・ミッテル・スピッツの歴史とポメラニアンとの関連
ジャーマン・ミッテル・スピッツは、非常に古くから人間とともに生活してきた犬種ですが、日本ではマイナーなために、愛犬家でも馴染みがない方が多いと思います。ここではジャーマン・ミッテル・スピッツの歴史についてご説明します。
中部ヨーロッパ最古の犬種
ジャーマン・ミッテル・スピッツは、石器時代の「泥炭犬(トルフフント)」の子孫であり、中部ヨーロッパで最古となる犬種です。非常に古くから人間とともに生活しており、狩猟採集民が飼っていた犬だと考えられています。
中世になるとバイキングらの手によって北部ドイツやオランダに渡り、その後ヨーロッパやイングランドへと広まり、牧羊犬として活躍していました。それぞれの国で独自に改良されたため、ベルギーのFCI(国際畜犬連盟)では体格によって5つの部類に分けられます。
一番小さい「トイスピッツ」がポメラニアン
ベルギーのFCI(国際畜犬連盟)での体格による5つの部類は、大きいサイズから順に「ウルフスピッツ」、「ジャイアントスピッツ」、「ミディアムスピッツ」、「ミニチュアスピッツ」、「トイスピッツ」となります。一番大きなサイズのウルフスピッツがキースホンド、一番小さなサイズのトイスピッツが日本でも有名なポメラニアンと呼ばれています。
ジャーマン・ミッテル・スピッツの性格
家族に対しては愛情深い
飼い主に対してとても従順で物覚えがいいため、しつけが入りやすいです。家族に対してはとても愛情深く攻撃的ではないので、小さな子どもがいる家庭での飼育も問題ないでしょう。
無駄吠えしやすいのでしつけはしっかりと
ジャーマン・ミッテル・スピッツは、警戒心が強く初対面の人には不信感をいだいて甲高い声で鳴いてしらせます。そのため農場や家庭の番犬として愛されてきたのですが、現在の普通の家庭で飼う場合には無駄吠えとして悩みのタネになるため、しっかりとしつける必要があります。
ジャーマン・ミッテル・スピッツの飼い方
見た目はポメラニアンのようなジャーマン・ミッテル・スピッツですが、ポメラニアンよりも大きいサイズであるため、運動量も増えて扱いも注意しなければなりません。ここでは、ジャーマン・ミッテル・スピッツの育て方について紹介していきます。
被毛のお手入れが必要不可欠
ジャーマン・ミッテル・スピッツは、長いふさふさの被毛を保つために定期的なブラッシングが必要になります。長い被毛はからまりやすく毛玉になりやすいため、毛を抜かないように優しくブラッシングを行いましょう。シャンプーは、月に1〜2回ぐらいの頻度で行う必要があります。
運動量はたっぷりと
ジャーマン・ミッテル・スピッツは運動量が必要な犬種のため、散歩時間は1時間程度が必要です。しかし、大きさや個体差があるため、散歩のあとも元気に動き回っているようなら、散歩時間が足りないのかもしれません。また警戒心が強い性格のため、子犬の頃から積極的に外にだしていろんなものと触れ合う機会を作り、社会性を身に着けさせましょう。
室内飼いが好ましい
密度の高い下毛をもつジャーマン・ミッテル・スピッツは、冬の寒さには強いですが夏の暑さに弱いため、温度調節が効く室内で飼うのが好ましいです。加えて、ジャーマン・ミッテル・スピッツはスピッツのなかでも特によく吠えるため、外で飼うと警戒心から無駄吠えが目立つようになります。そのため、あえて番犬として外で飼うという方もいるようですが、熱中症には十分に気をつけるようにしましょう。
ジャーマン・ミッテル・スピッツはその特性をよく理解してから迎えよう
ジャーマン・ミッテル・スピッツは、中型サイズのため運動量も多く、被毛のお手入れも定期的に行う必要があります。愛情深く理解力の優れた犬種ですが、特にジャーマン・ミッテル・スピッツは無駄吠えが多いと言われています。ご近所トラブルに発展させないためにも、正しいしつけを根気よく行う必要があり、パートナーとして迎えたいと考えているのであれば、最後まで責任を持って訓練することができるか、今一度考えてみましょう。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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