チワワの寿命を縮めるNG行動を知ろう|愛犬に長生きしてもらうためにできること
チワワは比較的長生きする犬種です。しかし、飼い方によっては寿命が縮まってしまうこともあります。愛犬には少しでも健康的に長生きしてほしいですよね。今回は、チワワの寿命を縮めうる要因や、長生きしてもらうために飼い主さんができることをご紹介します。
目次
チワワの平均寿命ってどれくらい?
小型犬は中・大型犬と比べて比較的長生きする傾向にありますが、チワワの平均寿命はどれくらいなのでしょうか?
寿命は平均的
チワワの平均寿命はだいたい13~16歳ほどと言われています。これは犬全体の平均寿命とほとんど同じです。13~16歳は、人間の年齢に換算すると68~80歳ほどということになります。しかし、これはあくまでも平均寿命なので飼い方によってはこれよりも短くなってしまうことも少なくありません。
海外では過去に長寿でギネス認定されたチワワもいるので、上手に飼って平均寿命よりも長生きしてもらえるようにしましょう。
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犬の平均寿命は長くなっている
大切な存在であればいつまでも一緒にいたいと思いますよね。そのため、13~16歳という数字をみて短いなと思った方も少なくないと思います。実はこれでも寿命は延びた方で、1983年の犬の平均寿命は7.5歳でした。しかし最近では2倍ほどにまで寿命が延びており、2021年の犬全体の平均寿命は14.65歳、22年は14.76歳(※)となっています。ここでは飛躍的に犬の寿命が延びた要因として考えられているものをご紹介します。
①獣医療の発達
一昔前までは、感染力、致死率の高いウイルス(犬ジステンパーウイルス、パルボウイルス)によって命を落としてしまう犬が多くいました。しかし、最近ではワクチン接種や、フィラリアの予防薬が普及したため、感染症による死亡率が低下し、平均寿命が延びたと考えられています。
また、以前では治療することが難しかった病気も、予防や治療が可能になったことも理由の1つとされています。
さらに、飼い主さんの健康意識の高まりや、病気に対する知識が向上したことも、病気の早期発見や早期治療に繋がっているといえるでしょう。
②飼育環境の変化
当初、犬は外で飼うことが普通でした。暑くても寒くても外で過ごし、衛生環境はとても良いと言えるものではなく、放し飼いによる交通事故や誘拐なども少なくなかったと言われています。
しかし現在では1年中快適に管理された清潔な環境で過ごすことができ、感染症などにかかるリスクが低減しました。また、飼い主さんと同じ室内で過ごしていることで体調不良や怪我などの異変に気づいてもらいやすくなり、病気の早期発見に繋がっていると考えられています。
③ドッグフードの品質向上
以前は人間の残り物を与えられていたことも多かったため、食生活も犬の身体に良いと言えるものではありませんでしたが、最近では犬の健康を考えたドッグフードが数多く開発されたことも犬の長寿に関わっていると考えられています。
ライフステージに合わせたものや、アレルギー対応のフード、関節サポートなど成分が含まれているものなど多岐にわたり、愛犬の状態に合わせたドッグフードを選ぶことができるようになったことで、栄養状態が飛躍的に向上したことも長寿の一因とされています。
チワワの寿命を縮めてしまう要因って?
チワワは上手に育てることができれば平均寿命を超えて長生きしてくれる犬種です。愛犬にできるだけ長生きしてもらうためにも、寿命を縮めてしまいかねない要因となるものを知っておきましょう。
運動不足のストレス
チワワはその小さい身体から、「お散歩をしなくてもいい犬種」として紹介されることも珍しくありません。しかし、どんなに身体が小さくてもお散歩は必要不可欠です。というのも、お散歩には運動の他に、ストレス発散、脳への刺激、筋力の維持、社会化、肥満防止などのさまざまなメリットがあります。運動量でいえば家の中だけでも事足りますが、上記の役割も兼ねているお散歩はどんな犬種であっても必要なのです。
また、運動する機会が不足していることによるストレスは吠える、噛む、ご飯を食べないなどの問題行動の原因にもなります。忙しくてもできるだけ毎日のお散歩は欠かさないようにしましょう。ただし、天気が悪くお散歩に行けない日は無理に外に行かなくても大丈夫です。室内でできる遊びでエネルギーを発散させてあげてくださいね。
チワワは特に警戒心が強い性格をしているので、子犬のころからなるべく外に連れ出し社会化をさせる必要があります。他の犬や人と触れ合い、車や工事の音、電車などのさまざまな音を聞いて怖いと感じるものを減らす練習をしましょう。社会化が足りないと何に対しても恐怖を感じ、吠える癖がついてしまいます。
環境のストレス
寒暖差の激しい場所はチワワにとってストレスになります。チワワはメキシコが原産の犬種のため、寒さには特に弱いです。冬場は寒さ対策を必ず行い、快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。犬用のこたつや床暖房、湯たんぽなどもあるので、愛犬に合ったものを用意してあげてくださいね。場合によっては洋服を着せてあげるのも効果的です。
また、マズルが短いチワワは熱中症にもかかりやすいです。室内にいても、湿度が高いと熱中症になることもあるので、室温だけでなく、湿度にも気を配るようにしてください。最近では人感センサー付きのエアコンも増えてきましたが、人感センサーは犬には反応しないことも多いので、お留守番してもらうときには設定を見直すようにしてください。
ただし、エアコンが直風という状態にしてしまうと体調を崩してしまうことがあります。設定温度が低すぎないか、チワワに直接風が当たっていないかなどしっかり確認しましょう。サーキュレーターで空気を循環できるといいですね。
犬によって快適に感じる温度は異なるので、愛犬が寒い・暑いと感じたときに自分で調節できるような空間を作ってあげるのがおすすめです。
他にも、留守番が多く飼い主さんとのコミュニケーションが不足していたり、反対に構いすぎてストレスになっていることもあります。手足を舐め続けている、尻尾を追いかける、頭や身体をぶるぶるするなどの行動が見られたら、ストレスを感じているかもしれません。ストレスを感じさせないことが大切ですが、このようなサインが見られたら、生活環境を見直したり、ドッグランなどで思いっきり走らせてストレスを解消してあげてくださいね。
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食事内容
身体は食べたもので出来ているといっても過言ではありませんが、それは犬も同じです。そのため、あまり質の良くないドッグフードを与えていたり、普段からおやつをあげすぎていたりすると下痢や嘔吐を引き起こしたり、栄養が偏ってしまいます。
また、チワワは偏食傾向があるので、ドッグフードを食べないことも多々ありますが、ドッグフードを食べないからといって人間の食べ物を与えてはいけません。人の食べ物は嗜好性が高いので、ますますドッグフードを食べなくなるだけでなく、肥満や病気を引き起こす可能性もあります。
ドッグフードは種類がたくさんあるので何を与えたらいいのか迷ってしまいますが、愛犬のライフステージに合っているもの、涙やけや関節をサポートする成分の入っているもの、なるべく添加物が入っていないものなどの視点で選ぶと良いでしょう。ドッグフードはいきなり変えるとストレスの原因となったり、下痢や嘔吐を引き起こしてしまうこともあるので、1~2週間かけて切り替えるようにしてください。
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何気ない行動が愛犬の寿命を縮めているかも
愛犬の寿命を縮めたいと思っている飼い主さんはいないと思いますが、普段の何気ない行動が愛犬の寿命を縮める原因となっているかもしれません。ここでは、犬の寿命を縮める恐れのあるNG行動をご紹介します。
①喫煙の習慣がある
たばこの煙が身体にいいものではないということはご存知の方がほとんどだと思います。それは人間に限らず犬も同じです。受動喫煙によってガンを発症してしまうことも珍しくありません。また、たばこの煙によって粘膜が刺激され、いびきの原因となることもあります。愛犬がいる部屋とは別の場所で吸っていたとしても、たばこの有害物質が洋服や壁などに付着して、三次喫煙となることもあります。愛犬だけでなく飼い主さんの健康のためにも、禁煙するのが望ましいと言えますね。
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②健康診断を受診させていない
病気は早期発見・早期治療がカギとなります。そのため、健康であっても年に1回は健康診断を受診するようにしましょう。もしも病気が見つかっても、初期の段階であれば治療費などが比較的高額にならずに済むケースがほとんどです。
愛犬がシニア期に入ったら年に2回受診するのが理想的です。多いと思うかもしれませんが、犬は人間よりも早いスピードで歳を重ねているので、年に2回でも多すぎるということはありません。小型犬であるチワワはだいたい10歳頃からシニアと言われているので、「歩くスピードがゆっくりになってきた」、「寝ている時間が増えた」などのサインが見られ始めたら、愛犬の普段の様子をこれまで以上によく観察し、少しでも異変を感じたらかかりつけ医に相談するようにしましょう。
③ストレスを与えている
しっかりしつけなければと思うあまり、大きな声で叱ったり、叩いたりしていませんか?チワワは臆病な一面も持ち合わせているので、大きな声で怒られたり叩かれたりしてしまうと恐怖から吠えてしまったり、萎縮して粗相をしてしまうことがあります。また、チワワは骨が細いので、少しの衝撃でも怪我をしてしまう可能性も少なくありません。怒鳴ったり叩いたりしてもしつけとして効果的ではないので、絶対にやめましょう。チワワをしつけるうえでは、上手にできたらとにかく褒めてあげることが大切です。
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病気が原因となることも
上述した要因の他にも、さまざまな病気が原因となって寿命を全うできないこともあります。ここではチワワがかかりやすい病気をご紹介します。
気管虚脱
気管虚脱とは、何らかの原因により気管がつぶれたり変形してしまい、呼吸困難を引き起こしてしまう病気です。発症の原因ははっきりとは分かっていませんが、遺伝や気管の周辺の筋肉が乏しいことで気管が潰れやすく、気管虚脱を引き起こしているのではないかと考えられています。「ガーガー」というガチョウのような音が聞こえたり、乾いた咳をしている場合、気管虚脱の可能性があるので、動物病院へ連れていきましょう。
水頭症
脳脊髄液が脳内に過剰に溜まることで脳が圧迫され、さまざまな機能障害が起こってしまう病気です。詳しい原因は分かっていませんが、先天性のものが多く、ふらつきや同じところをぐるぐる回る旋回運動、けいれん発作などの症状が見られます。放っておくと死に至ることもあるので、愛犬の様子に異変を感じたらなるべく早く獣医師に相談するようにしましょう。
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僧帽弁閉鎖不全症
犬の心臓疾患の中でも1番多い病気で、シニア期を迎えた小型犬の発症率が高いとされています。重症化するとチアノーゼを起こしたり失神してしまうことがあります。1度罹患すると完治は難しく、生涯薬を飲み続けることになります。早期発見・早期治療が重要なので、愛犬がシニア期に入ったら定期的に健康診断を受診するようにしましょう。
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低血糖症
肝臓の機能がまだ十分に発達していない子犬に見られることが多く、元気がなくぐったりしたり、けいれん発作を起こしたりするほか、昏睡状態に陥ることもあります。長時間空腹状態が続いたり、寒さによって低血糖になることが多いため、子犬のうちは食事の回数を増やしたり、室温に特に気を配るようにしてください。自宅で低血糖症を起こした場合は、砂糖水やぶどう糖を舐めさせることでよくなることもありますが、判断が難しい場合や、口から糖分を与えることが難しい場合はすぐに動物病院に連れて行ってください。
なるべく長生きしてもらうために
チワワに長生きしてもらうためには、できるだけストレスがかからないようにしてあげることが大切です。病気の予防や食事内容はもちろんですが、「お散歩に連れて行ってあげる」、「快適な環境を整えてあげる」ことも重要な要素になるので、愛犬の様子を見ながら生活しやすい環境を整え、できれな毎日お散歩に連れて行ってあげましょう。
愛犬がシニア期に入ったら、これまで以上に愛犬の様子に気を配るようにしてください。食べやすいご飯への切り替えやお散歩のペース配分などのほか、生活環境も見直してあげるのが望ましいです。
また、定期的に健康診断を受診して病気の早期発見につなげることも長生きに繋がります。愛犬と過ごす時間を少しでも延ばせるように、精一杯お世話してあげてくださいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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