チワワの原産国はどこ?犬種名の由来やルーツなどチワワの歴史を辿ろう
小さい身体とうるんだ瞳、飼いやすさなどの理由から人気のチワワはどこの国が原産かご存知でしょうか?今回はチワワの原産国をはじめ、「チワワ」という犬種名の由来や、日本にやってきた時期などもあわせてご紹介していきます。
チワワはどこの国出身なの?
日本で大人気のチワワですが、どこの出身のわんちゃんか知っていますか?まずはじめにチワワの原産国についてご紹介しましょう。
原産国は暖かい国!
これまでチワワの原産国はどこであるのかについては諸説ありました。中国説やヨーロッパ説、メキシコ説などが挙げられ、真相が分からなかったのです。
しかし、2013年にスウェーデンにある大学のDNA調査(※)により、チワワの原産国は「メキシコ」であることが特定されました。
※参考論文
「チワワ」という犬種名の由来は?
「チワワ」という犬種名は、32州あるメキシコで最大の面積を持つチワワ州(chihuahua)が由来となっています。分かりやすいですね。
ちなみに州名の「チワワ」にはナワトル語で「2つの水の間」、「穴の開いた石の場所」、タラフマラ語で「乾燥した砂の場所」という意味があると言われています。
チワワの歴史
メキシコが原産のチワワの歴史を辿っていきましょう。チワワのルーツについては諸説ありますが、有力とされているものをご紹介します。
祖先犬は?
チワワのルーツは諸説ありますが、最も有力なのが9世紀頃に古代メキシコの先住民である「トルテカ(トルテック)族」に飼育されていた「テチチ」という犬であると言われています。テチチは写真や映像などが普及していない時代に生きていたので、その姿かたちをはっきりと記録したものは残っていませんが、これまでに発見されている遺跡などに描かれてる犬がチワワに似ていることから、このように考えられているようです。小さくて吠えないテチチは家畜として飼われており、毛色によって扱いが異なっていた(※1)とされています。
トルテカ文明の後継としてアステカ文明が成立したあとも、テチチは人々とともに暮らしていました。アステカ文明はトルテカ文明の影響を多く受け、独自に発展しましたが、アステカ族もトルテカ族同様、犬を食用としていたので、テチチの多くは食べられてしまったり、いけにえとして捧げられてしまったことで寿命を全うすることが少なかったのではないかと言われています。
しかし、テチチはトルテカ族にとってもアステカ族にとっても大切な存在であり、家族同然のように育てられていたようです。メキシコの遺跡にはテチチの壁画や彫刻が多く残っていることからも、神聖な存在として扱われていたことが分かります。
ところが、15~16世紀頃にメキシコにやってきた開拓者や戦争の影響でテチチの数は激減しました。一説には開拓者であるスペイン人がテチチを食べつくしてしまったとも言われています。やがてアステカ族がスペインのコルテスによって滅ぼされると、この地域に住んでいたテチチは消息が分からなくなり、その後は数世紀に渡って生きているのか絶滅してしまったのか不明という状況でした。
のちの1850年に、チワワ州で発見された3頭の小さい犬がテチチの血を引く犬種だと考えられていますが、これらの犬は純粋なテチチではなく、すでにテチチ以外の血が混ざっていた可能性が高いと考えられています。
純粋なテチチは絶滅したとされる一方で、テチチは今も生きていると唱える専門家もおり、真相は不明です。今も南米のどこかでテチチたちがひっそり暮らしているかもしれませんね。
(※1)毛色による扱いの違い
赤褐色のテチチは、亡くなった人の魂を悪霊から守り、黄泉の国に導いてくれると考えられていて、主人が亡くなった際にはともに火葬されたり、宗教的な儀式でいけにえとされたり、穀物を食べさせ太らせ食用として扱われたりしていました。古代の人のお墓からは、テチチと思われる小型の犬の骨が一緒に見つかっているようです。
一方で、ブルーの毛色を持つテチチは神聖な神の使いとして大切にされていたと言われています。
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チワワは短毛のみだった
1850年頃にチワワ州で発見された小さい3頭の犬たちは犬種の保存のためにアメリカへ移り、約50年に及んで改良が進められ、現在の身体の小さいチワワの姿になったと言われています。
アメリカで交配が進められた際に、ポメラニアンやパピヨン、ヨークシャーテリアなどの長毛種と掛け合わされたことによって、ロングコートのチワワが誕生したのです。
現在はスムースコートとロングコートのチワワがいますが、はじめはスムースコートのみだったんですね。
チワワは1904年にアメリカンケネルクラブに(通称:AKC)正式に犬種として登録されました。
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チワワは今ほど人気がなかったって本当?
今でこそ見かける機会の多いチワワですが、犬種としてAKC(アメリカンケネルクラブ)に登録されたころは、現在のような人気はありませんでした。基本的にアメリカでは広大な土地で暮らしている人が多く、大型犬が人気の傾向にあり、身体が小さく使役犬として使えないと認識されていた小型犬は需要がなかったと言われています。
しかし1960年以降、アメリカの住環境が変化しはじめました。人々が都市部に移るようになり、限られた居住スペースでは大型犬を飼うことが難しく、アパートやマンションでも飼うことができる小型犬が注目されるようになったのです。
また、アメリカで活躍したスペイン出身のラテン音楽楽団のリーダーであるザビア・クガートがチワワを溺愛しており、チワワを抱えながらチェロを弾き、指揮もするというパフォーマンスでチワワの知名度と人気が急上昇したと言われています。
チワワが日本で人気になったのはいつ?
チワワが日本に輸入されたのは、1970年代だと言われています。当時の日本では犬は番犬としての役割が強く、外飼いが基本で、ご飯は人間の残り物を与えていました。また、自宅には広い庭を持っている家庭が多かったことからも、外で飼われていることがほとんどでした。
そんな折、日本でも都市化が進み、アパートやマンションなどの住宅が増加していったことで、小型犬の人気が高まりはじめます。また、この頃は愛玩犬の御三家(※2)などのブームも到来し、日本でも愛玩犬が注目されるようになっていったのです。
そして、チワワの人気に火がついたのが2000年代に入ってからと言われています。この頃になると、テレビや雑誌などのメディアにチワワが取り上げられるようになり、たくさんの人の目に留まるようになりました。うるうるした瞳でこちらを見つめるチワワのCMは見たことがあるという方も多いのでは?そしてその人気を裏付けるように、チワワは2001年からJKC(ジャパンケネルクラブ)の犬種別犬籍登録頭数において2位であり続けています。
(※2)愛玩犬の御三家…マルチーズ・ポメラニアン・ヨークシャーテリア
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チワワは深い歴史を持つ犬種
今日ではとても人気のあるチワワには、長く深い歴史があることが分かりました。さまざまな犬種と交配が進められ、現在のチワワの姿になったんですね。
実際のルーツは未だ解明されていないこともあり、本当の起源は謎に包まれています。可愛い見た目とは裏腹にミステリアスな一面も持っているところも魅力の1つと言えるかもしれません。
チワワをお迎えすることになったら、悠久の歴史に思いを馳せながら、愛情をたっぷり注いであげてくださいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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