冒頭でもお話しした通り、マルチーズといえば白い被毛を想像する人が多いのではないでしょうか？黒いマルチーズを見たことがある！という人は少ないと思います。

まずはじめに、そもそもマルチーズは何色が犬種標準として認められているのか、犬籍の登録や血統書の発行、優良な犬の普及などに努めている一般社団法人ジャパンケネルクラブ（JKC）のホームページで確認してみました。

マルチーズの被毛については、

となっており、犬種のスタンダードとして認められているのは「ピュア・ホワイト」で、「淡いアイボリー」は許容範囲、「淡いオレンジ」は許容されるものの、ドッグショーにおいては欠点となると示されています。

つまり、黒いマルチーズは「スタンダードとしては認められていない」ということが分かりました。ただし、JKCの犬種標準はその犬種の理想像としての基準であり、ドッグショーに出陳する際や計画繁殖する際の参考となるものです。そのため、この理想とされる基準から外れた犬が存在しないというわけではありません。マルチーズは歴史の古い犬種（一説には紀元前1500年頃とも）のため、スタンダードとしては認められていないけれど、存在する（した）可能性はあるので、調べてみました。

犬種標準としては認められていないものの、黒い被毛を持つマルチーズ自体は存在するのか気になりますよね。そこで、黒いマルチーズが実際にいるのかどうか調査してみました。

たくさんの子犬を掲載しているブリーダーサイトであれば、黒い被毛を持つマルチーズがいるかもしれないと思い検索してみましたが、2024年2月29日現在では、条件に合う子犬はいませんでした。

昔は白の他にも、黒をはじめ茶色などの毛色も存在したらしいという記述は見つかりましたが、あくまで可能性としてに留まり、はっきりとした根拠はないようです。

また、白以外の毛色の子がいなくなってしまった理由としては、当時は黒いマルチーズよりも白いマルチーズの人気が圧倒的に高く、白以外の毛色の子の繁殖が進められなかったことが原因だとされています。

黒い毛色のマルチーズは、「過去に存在した可能性はあるものの、現在では見かけることはない」と言えますが、黒いマルチーズがいる！という目撃情報があがるのはなぜなのでしょうか？その理由として考えられるのが、ミックス犬の存在です。

最近ではさまざまな犬種を掛け合わせたミックス犬が存在しますが、中でもマルチーズはトイプードルやチワワと同様、ミックス犬の種類が多い犬種です。マルチーズのミックス犬として主なものをご紹介すると、

などの掛け合わせがあります。

マルチーズのミックス犬は掛け合わせる犬種によっては「ブラック単色」や「ブラックが混ざっている子」が生まれます。たとえば、トイプードルとのミックス犬マルプーは、トイプードルの毛色が強く出れば「ブラック」や「ブラックタン」の子が生まれることがあるのです。

また、チワワとのミックス犬チワマルは、ブラックのチワワの特徴が強く出ればブラック＆ホワイトの被毛を持った子が生まれることもあります。そのため、マルチーズのミックス犬を見て黒いマルチーズがいるという話が出たのかもしれません。

詳しくはこちらの記事をチェック！

ミックス犬ではなくても、マルチーズに似ている純血種の犬もいます。今回は黒い被毛が存在する犬種で探してみました。

犬種についてはこちらの記事をチェック！

犬種についてはこちらの記事をチェック！

犬種についてはこちらの記事をチェック！

・・・こう見ると、たしかにマルチーズに似てますよね。

マルチーズは全体に黄味がかった子や耳や背中に淡いベージュが入った子も少なからずいますが、基本的には真っ白であることが分かりました。そのため、黒いマルチーズは現在はいないと言ってよいかもしれません。

ただし、他の犬種とのミックス犬であれば、毛色がどうなるかは成長するまで分からないので、黒い被毛を持ったマルチーズのような見た目の子も存在します。もしも黒いマルチーズを見かけたとしたら、それはマルチーズと他の犬種のミックス犬かもしれないですね。

現時点では純粋なマルチーズで黒い被毛を持つ子に会うことは難しいですが、どうしても黒のマルチーズをお迎えしたいということであれば、ミックス犬なら出会える可能性はあります。ただし、ミックス犬は子犬の頃と顔つきや毛色が変わることも珍しくないので、成長して想像とは異なる姿になったとしても愛情をもって最期までお世話する覚悟を持ってくださいね。

こちらの記事もチェック！