ウエスト・シベリアン・ライカって知ってる?現役で活躍する狩猟犬の秘密に迫る!
ウエスト・シベリアン・ライカという犬種をご存知でしょうか?ロシア原産の犬種で、現役で狩猟犬として活躍しています。日本では見かける機会はほぼありませんがロシアでは人気のある犬種です。今回は、そんな珍しい犬種のウエスト・シベリアン・ライカについて知るために、歴史や性格の特徴などを紹介していきます。
目次
ウエスト・シベリアン・ライカの歴史
ウエスト・シベリアン・ライカは、ロシア原産のライカ犬の一種で、北ウラル、西シベリア産の古いライカ犬を基礎としています。
第二次世界以前の西シベリアには、先住民と暮らしていた様々なライカ犬が存在していましたが、戦争終結後にライカ犬を犬種として確立させる働きが起こります。これにより、1946年に「ウエスト・シベリアン・ライカ」、「イースト・シベリアン・ライカ」、「カレロ=フィニッシュ・ライカ」「ラッソ・ヨーロピアン・ライカ」の4種類のライカ犬が誕生しました。
その後、1996年にUKCに認められましたが、JKCには登録されていません。(2020年現在)
分類される犬種グループ
ウエスト・シベリアン・ライカは、JKCに登録されていませんので、FCI(国際畜犬連盟)によって分類されたグループになりますが、「5G:原始的な犬・スピッツ」に分類されます。
この犬種グループには、マズルが尖り、耳が立ったスピッツ系の犬や日本犬が含まれています。
活躍の歴史
ウエスト・シベリアン・ライカは、ツンドラ地帯の地域とウラル山脈の密集した森林地帯で、鳥などの小さな動物からクマやイノシシなどの大型動物を相手にした狩猟犬として活躍していました。
特にネコ目イタチ科のクロテンの高級毛皮産業を助けてきましたが、クロテンがほぼ絶滅してしまったため、狩猟犬のライカの人気も急激に衰退しました。
その後ウエスト・シベリアン・ライカを保護する動きがあり、先ほども紹介したように1946年に4種類のライカに分離され、正式な犬種として確立されました。
ウエスト・シベリアン・ライカは、ロシアで最も一般的な狩猟犬種で、現在でも狩猟用に飼育されています。また、1992年にアメリカへ輸入されたことで、300頭ほど飼育されていると言われています。(2014年時点)
ウエスト・シベリアン・ライカの特徴
ここでは、ウエスト・シベリアン・ライカの外見的な特徴について紹介していきます。
髭がチャームポイント!
ウエスト・シベリアン・ライカのチャームポイントは、頬にある立派な髭です。口周りにももちろんありますが、ほっぺのあたりにある黒々とした1、2本のおひげがチャーミングですよね。オオカミのような凛々しい外見をしていますが、笑って広角が上がるとおひげもピョコっと動いて可愛いですよ。
被毛の特徴
ここでは、ウエスト・シベリアン・ライカの被毛の特徴について紹介していきます。
コートタイプ
シベリア地方の厳しい気候にも耐えられるよう密生した分厚いダブルコートです。粗く真っ直ぐな被毛は、抜け毛が多いため、定期的なブラッシングとグルーミングが必要になります。特に春と秋にある換毛期には大量の抜け毛が発生するため、毎日のブラッシングが必要です。
また、他の犬種と比べて、犬独特の体臭が少ないのが特徴的です。油性ではないコートであるため、自然に汚れを弾いて濡れても匂いが少ないようです。
代表毛色
ウエスト・シベリアン・ライカの代表的な毛色は、ホワイト、ペッパーアンドソルト、レッドアンドグレイがあります。
適正体重・標準体高
ウエスト・シベリアン・ライカの標準的な体高は53-61cm、体重は18-23kgとされています。異なるライカ種のイースト・シベリアン・ライカよりも小柄な中型犬サイズですが、丈夫でがっちりとした体型をしています。
ウエスト・シベリアン・ライカはどんな性格?
ここでは、ウエスト・シベリアン・ライカの性格の特徴について紹介していきます。
飼い主には愛情深く忠実
ウエスト・シベリアン・ライカは、信頼する飼い主や家族には愛情深く、忠実で賢い性格です。
ただ、先ほども紹介した通り頑固な性格ですので、子犬の頃から一貫したしつけを根気強く行い、信頼関係を築く必要があります。一度信頼関係を築いて、愛犬が家族の中での立ち位置を理解すれば、最高のパートナーになってくれます。
警戒心が強く頑固な性格
狩猟犬として現在でも活躍しているウエスト・シベリアン・ライカは、警戒心が強く頑固な性格です。そのため、しつけの難易度が高く、はじめて犬を飼う方向けの犬種ではありません。
狩りへの欲求が強いため、小動物との同居には向いていません。また、吠えて獲物をハンターに知らせることを仕事とするので、見知らぬ人や動物を見つけるとよく吠えます。強い攻撃性を見せることもあるため、しっかりと訓練する必要があります。
ウエスト・シベリアン・ライカの寿命とかかりやすい病気
ここでは、ウエスト・シベリアン・ライカの平均寿命と気をつけたい病気について紹介していきます。
平均寿命
ウエスト・シベリアン・ライカの平均寿命は、14〜16 歳とされています。犬の平均寿命は、12〜15歳と言われていますので、若干長めと言えます。
気をつけたい病気
ウエスト・シベリアン・ライカは、既知の遺伝的健康問題がないため、丈夫で健康的な犬種として知られていますが、いくつかの気をつけたい病気があります。
熱中症
ウエスト・シベリアン・ライカは寒さには強い犬種ですが、分厚い密生したダブルコートのため暑さが苦手です。
犬の熱中症も最悪命を落とす可能性もある危険があります。熱中症の症状が見られたら、犬の体温が下がるよう涼しい場所への移動や保冷剤などで体を冷やすなどの応急処置を行い、すぐに動物病院を受診しましょう。
関節形成不全症・肘関節異形成症
肘関節異形成症とは、猛スピードで成長していく発育期の肘関節に関節炎が起こり痛みが生じる病気です。大型犬が特に発症しやすく、最も起こりやすい時期が5~9カ月齢前後と言われています。
全く症状が見られない場合もありますが、痛みによって前足をあげて歩いたり、肘を曲げたがらないなど歩行異常が見られます。
ウエスト・シベリアン・ライカはクールな現役狩猟犬!
ウエスト・シベリアン・ライカは、日本ではまず見る機会のない犬種ですが、原産国ロシアでは現在でも狩猟犬として活躍している犬種です。小さな獲物から大きな獲物まで怯むことなく立ち向かう姿は、真のハンターと言えますね。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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