ペット先進国スイスには「犬税」がある?|スイスから学ぶべき犬の環境について
ヨーロッパにはペット先進国が多く、日本に比べて犬や猫を飼う環境が整っているというイメージがあります。
スイスも例外ではなく、わたしたち日本人から見たら驚くような事も、普通の事として受け入れられる環境です。犬が暮らしやすい背景には、国の政策はもちろんですが、飼い主さんたちの努力も反映されていると言えます。
今回は、ペット先進国スイスの犬を取り巻く環境についてご紹介します。
スイスではかつて愛犬とのトレーニングが義務だった
スイスでは数年前まで、犬を飼う際には必ず愛犬と一緒にトレーニングを受けなければならないという決まりがありました。言わば、犬の義務教育です。
そのトレーニングを受けてから1年以内に実技テストに合格すると、「終了証」が交付されます。また、交付された終了証は、地方自治体に提出する必要がありました。
現在は、トレーニングの義務化は廃止されましたが、初めて犬を飼う人には推奨されており、犬を飼う上での知識と責任感を身に付ける意味でとても大切なこととして捉えられています。
スイスには犬税がある
犬を飼う上で、減税スイスでは犬の税金「犬税」を払う義務があります。金額は1~2万円ほどで、毎年支払う必要があります。
ただ、税金を支払うかわりに、スイスの街にはウンチを捨てるための袋やごみ箱がいたるところに設置されているなど、愛犬家が暮らしやすい街づくりがされています。
犬も子ども料金を払うと鉄道に乗れる
スイスの鉄道の券売機には、犬マークがついた料金ボタンがあり、大人の半分の料金(子ども料金)を支払うことで一緒に鉄道に乗ることができます。ケージなどに入れる必要はなく、リードのまま乗車可能で、多くの犬が電車を利用しています。
また、愛犬を連れてレストランに入れるほか、ホテルにも一緒に泊まれるところが多いのがペット先進国スイスです。「ペット不可」のサインのある場所以外は基本的に愛犬とどこでも行けるという、愛犬家にとっては羨ましい環境ですね。
スイス原産の大型犬種
アルプスの山々に囲まれたスイスは山岳農業や畜産が盛んで、それらをお手伝いする作業犬が人間社会で活躍してきました。
ここでは、特徴的なスイス原産の2犬種をご紹介します。
セント・バーナード
犬の中で最重量級のセント・バーナードの体重は、50~90kgという想像を超える重さです。
寒さに強く、タフなセント・バーナードは、アルプス山脈の峠で救助犬として活躍していました。首に小さな木製のタルをつけている写真を見た事があるという方も多いと思いますが、あの中にはウイスキーやラム酒などのアルコール度数の高いお酒が入っており、山で遭難した人に飲ませ、体の中から温めるために用いられます。
バーニーズ・マウンテン・ドッグ
日本でも人気の犬種で、おおらかで優しい性格のバーニーズ・マウンテン・ドッグは、本場スイスでも家庭犬として長く愛されています。
もともとは、スイスの山で荷車を引く「荷引犬」として活躍していたということもあり、タフで賢く飼い主さんに従順なことから、大型犬の中でも飼いやすい犬種として人気を集めています。
スイスでの人気犬種は意外なあのコ
スイスといえば、「アルプスの少女ハイジ」を思い浮かべる方も多いと思います。
ハイジに登場する大きな犬の「ヨーゼフ」。おっとりしたマイペースな性格のヨーゼフが、一体何の犬種なのかご存知でしょうか?
ヨーゼフの犬種は「セント・バーナード」です。
そのイメージから、スイスの山には大きなセント・バーナードがたくさんいるのかと思いきや、犬種別登録件数を見るとセント・バーナードは50位以内には入っていません。
気になる1位は雑種で、2位はなんと「チワワ」です。大型犬が多いとイメージしがちなスイスですが、犬種の中でもサイズの小さいチワワがトップとは少し驚きです。
犬と人とが寄り添って暮らせる国スイス
どこへでも愛犬と一緒に出かけられるスイス。
スイスの犬をとりまく環境は、理想的な暮らし方だと感じる方も多いのではないでしょうか。
その背景には、長い年月をかけて国全体に根付いた「動物は家族である」という意識が反映されています。またそれに加え、飼い主さん一人一人が命を預かる責任をきちんと負っているという所も大きな要因なのだと思います。
学ぶべき点が多いスイスのペット事情、日本でも参考にできるところと取り入れて、少しでも動物たちが暮らしやすい国になるといいですね。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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