柴犬が威嚇するのはなぜ?唸る理由と対処法を解説
柴犬はジャパンケネルクラブの犬種別犬籍登録頭数で数多くの小型犬が上位を占める中、フレンチブルドッグとともに10位以内にランクインすることが多い犬種です。そんな高い人気を誇る柴犬ですが、警戒心が強く、人や犬に対して威嚇することも珍しくありません。犬が威嚇するのにはさまざまな理由があるので、原因に合わせて対応することが大切です。そこで今回は柴犬が威嚇する理由やその対処法についてご紹介します。柴犬が他の犬に吠えられやすいと言われる要素についても解説するので、柴犬と暮らしている方やこれから迎えようと考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
柴犬が威嚇する理由とは
柴犬に限らず犬が威嚇する際にはいくつかの理由が考えられます。どんな理由があるのか詳しく見ていきましょう。
①独占欲
お気に入りのおもちゃや毛布、フードボウルなどを片付けようとしたときに愛犬が唸ってきた、という経験はありませんか?
犬は自分のものを取られると感じたときに独占欲から、歯をむき出して唸ったり噛みつこうとすることがあります。
自分の身体や頭を所有物に擦り付けて匂いをつける犬は、独占欲が特に強い傾向があるようです。
②恐怖や不安感から
身の危険を感じたり、恐怖や不安を感じた際に唸って威嚇することもあります。震えていたり、耳や尻尾を下げているなどの様子が見られたら、恐怖や不安から威嚇している可能性が高いと言えるでしょう。
柴犬は特に警戒心が強い犬種なので、見知らぬ犬や人に会ったときや、初めて訪れる場所、嗅いだことのない匂いや聞いたことのない音などに対して警戒心を持ちやすいです。
③縄張り意識
犬は縄張り意識が強い生き物なので、自分のテリトリーに侵入されたと思うと攻撃的になることも珍しくありません。
来客や宅配業者の方に対して家から追い出そうと威嚇することはもちろん、インターホンのチャイムが鳴っただけでもけたたましく吠えることもあります。
また、自宅の中で自分の寝床やお気に入りのスポットに飼い主さんが近づいた際にも吠えたり唸ったりすることもあるようです。
④身体に痛みがある・具合が悪い
愛犬の身体に触ったときに威嚇のような様子が見られるのであれば、怪我や病気で痛みを感じていたり、具合が悪くて触ってほしくないため唸っている可能性も考えられます。
普段は触っても怒らない、いつもと様子が違うなどの異変を感じたら、無理に触ったりせずにかかりつけ医に相談しましょう。
⑤興奮している
飼い主さんや他の犬と遊んでいるうちに気持ちが高ぶって唸ることがあります。楽しいという気持ちから来るものではありますが、興奮状態のため、そのままエスカレートすると吠えたり本気噛みに発展してしまうこともあります。
⑥他にもこんな理由も
上記のほかにも、社会化不足や反抗期、要求などの理由や甘えているときにも唸ることがあります。また、家族が喧嘩しているときに仲間意識からどちらかの味方になって吠えたり、怒られている子どもを守るために唸ることもあります。母犬の場合、母性から子犬を守るために飼い主さんに対して威嚇するような行動が見られることもあります。
威嚇しているときに見られる行動やポーズの例
威嚇しているときは緊張状態であることも少なくなく、うっかり触ろうとして噛まれてしまうこともあるので、次のような様子が見られたら注意しましょう。
- 歯をむき出しにしている
- 鼻にしわを寄せている
- 体勢を低くして唸っている
- 全身がこわばっている
柴犬が威嚇しているときの対処法
柴犬が威嚇しているのは些細なことが理由であるケースも多いですが、原因によって対処法が異なります。むやみに近づいたり、落ち着かせようと撫でようとして噛まれてしまうという恐れや、名前を呼んだり声をかけることで応援されていると勘違いして行動が助長されてしまうケースもあるので、対応する際には注意が必要です。では、柴犬が威嚇しているときはどのように対応したらよいのでしょうか?
独占欲から威嚇してしまう場合
愛犬が遊んでいるおもちゃを離してほしいときや、フードボウルを片付けたい場合に唸ったり吠えたりするのであれば、他のおもちゃや興味を示すものとの「交換」がおすすめです。
また、「ちょうだい(離して)」のコマンドを教えておくと、他の子のおもちゃを気に入ってしまい離さない場合やお散歩中に何かを咥えたときにもトラブルや誤飲を防ぐことができます。
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恐怖や不安感から威嚇してしまう場合
お散歩中の犬や通行人に唸ったり吠えたりする場合には、一時的に愛犬の視界を飼い主さんが遮ったり、吠える前におやつで気を逸らすことはできますが、根本的な解決にはなりませんよね。
犬が威嚇する理由は恐怖や不安感からくるものが多いと言われています。必要以上に身の回りのものを警戒したり恐怖を感じないようにするには、子犬期の社会化がとても重要です。生後3~12週齢の社会化期にたくさんの人や犬と触れ合わせたり、日常生活で耳にすることの多い音に慣れる練習をしておきましょう。
社会化期を過ぎている場合でも遅いということはありません。愛犬が恐怖を感じているものに対して、愛犬のペースで少しずつ慣れる練習をしてあげてください。愛犬が吠えてしまっても飼い主さんは動じずにいることもポイントです。
縄張り意識から威嚇してしまう場合
来客などに対して威嚇する場合、恐怖心から威嚇する場合と縄張り意識から威嚇する場合があります。どちらの場合も、一時的な来客(出前や宅配など)の場合は用が済んだら帰ってしまうため、「吠えたら追い返せた!」と学習してしまい、エスカレートする恐れもあるので対応には注意が必要です。
来客がある場合にはあらかじめ自分の寝床や他の部屋に移動させたり、おもちゃやおやつで気を逸らしましょう。寝床(またはケージ内)は自分が安心できるテリトリーだと認識していると、来客時やインターホンが鳴ったときにそこにいてもらうことで落ち着いて過ごすことができるケースもあります。
「自分が吠えなくてもやがて帰る」、「来客は被害を加えるものではない」ということを認識すれば次第に吠えなくなっていきます。
興奮して威嚇してしまう場合
興奮から威嚇のような行動をとるのは主に子犬に多く、成犬になるにつれて落ち着いていくケースがほとんどですが、遊んでいる最中に感情が高ぶりやすい子は「待て」や「伏せ」などのコマンドで一旦クールダウンしたり、遊びを中断して落ち着かせるようにしましょう。
また、人が好きな子に多いのが、来客に撫でてもらったりすることで興奮してしまうケースです。あまりに興奮してしまうと飛びついたり甘噛みしたりして怪我をさせてしまう可能性があります。構いすぎず、適度に無視してもらい落ち着かせましょう。
「柴犬が威嚇している」は誤解?
柴犬は他の犬と比べても吠えられやすい犬種という噂もありますが、いったいなぜなのでしょうか?それには柴犬の姿勢が関係しているようです。詳しく見ていきましょう。
柴犬の立ち姿は威嚇のポーズ?
愛犬は普通にしているのに、他の犬にわんわん吠えられたという経験はありませんか?これにはどうやら柴犬の姿勢(立ち姿)が威嚇しているように見えることが関係していると言われています。
具体的には、「ピンと立った立ち耳」、「立てているように見えるしっぽ」などの柴犬の身体的特徴や「胸を張った姿勢」や「相手をじっと見つめる」癖(?)などが相手の犬には威嚇しているように見えてしまうんだとか。そのため、特に怖がりの犬にはわんわんと吠えられてしまうことが多いようです。
なぜこれらの特徴が「喧嘩を売っている」と思われるのかというと、犬界では、目線を合わせる仕草や尻尾が真上にピンと立っている状態は威嚇の意味を持ち、相手に威圧感を与えてしまうことが関係しているようで、喧嘩を引き起こす原因になるとも言われています。
たしかに言われてみると、近所の柴犬は犬でも人でもじっと見つめていることが多く、チワワやポメラニアンなどに吠えられても動じずに見つめ続けている子が多いかもしれません。
柴犬にはそんなつもりはなくても、身体の特徴や姿勢で威嚇しているように受け取られてしまうのはなんだか切ないですが、そんな不器用なところもなんだか柴犬らしいと思ってしまいますね。
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威嚇している理由に合わせて対応しよう
「威嚇」と聞くと怒っているときの行動だと思ってしまいますが、威嚇にもさまざまな理由があることが分かりました。理由によって対処法が異なるので、何が原因で威嚇しているのかを把握して対応することが大切です。
中には判断が難しいこともあるかもしれません。そんなときには表情、耳やしっぽの動き、姿勢、鳴き声など愛犬の様子をよく見て恐怖からくるものなのか、縄張り意識からくるものなのか、はたまた興奮なのかなど、どんな理由で威嚇しているのかを見極めましょう。
愛犬が威嚇しているときには身体を触ったり、名前を呼んだり、「ダメだよ」と叱ったりしてしまいがちですが、これらの行動は逆効果だと言われています。威嚇行動が頻繁に続いたり、自分では対応しきれないと悩んだときにはプロの力を頼るのも1つですよ。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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