サルーキの平均寿命は?長生きしてもらうために知っておきたい健康管理方法について
アラーに遣わされた犬として、エジプトの王家ファラオのピラミッドにも埋葬されていることで知られるサルーキは、現在犬種登録されている犬の中で、最も歴史の古い犬と言われています。中東アラビアの遊牧民族と共に狩りをしながら生活をしていたサルーキの魅力は、なんといってもその俊足です。愛犬には1日でも長く健康でいて欲しいもの。今回は、サルーキの平均寿命やかかりやすい病気、健康管理方法について解説していきます。
サルーキの平均寿命は?
全犬種の中で最高のアスリートと評されるサルーキは、その優雅で筋肉質、細身の美しい容姿から古代エジプトではサルーキだけが人間と同じテントに入ることを許された特別な犬でした。「高貴な人」とも呼ばれ王家で大切に育てられてきたサルーキは、他の品種との育種を厳しく禁じられ、6〜7000年もの間、品種改良されることなくその姿を現代に受け継いでいるのです。
多くの資料では、平均寿命は12〜14歳とされていますが、15〜17歳まで元気に暮らしているサルーキもいるため、比較的長生きであると言えます。
サルーキがかかりやすい病気
健康で長生きとされてきたサルーキですが、サイトハウンドが持つ独特の特徴や近年のデータから遺伝疾患があることがわかっています。そのため飼育する際には、サルーキの身体的構造をよく知っておくことが長生きの秘訣ともなります。
血液検査の数値が他犬種と異なる
走るトップスピードが高くそれを長距離持続できるサイトハウンドは、他犬種と比べて心臓が大きいのではないかと言われています。他犬種の血液検査の標準値と比べると、サルーキは白血球が少なく赤血球が多く、血小板が少ないという結果となり、健康診断などで間違った診断をされることがあるため注意が必要です。
手術ができない場合がある
サルーキの病気ではありませんが、サルーキに限らずサイトハウンドは体脂肪が極端に少ないことから、麻酔に対して敏感で手術の際にはリスクが伴います。特に、通常の手術で使用されているパルピツール酸麻酔へのリスクが高く、病院によっては手術を行わないこともあります。
①CL症(セロイドリポフスチン沈着症)
ボーダーコリーに多く発症する遺伝疾患として知られていますが、サルーキにもこの遺伝疾患の発症が報告されています。CL症とは、脳内の老廃物を除去する酵素がないため老廃物が除去されず、中枢神経に老廃物が蓄積し運動障害、知的障害、視力障害などの中枢神経障害を発症するものです。症状が進行すると死に至る恐ろしい病気ですが、治療法は確立されていません。
②血管肉腫
血管肉腫は、脾臓や肝臓に発症するものと皮膚に発症するものがあり、サルーキが発症する血管肉腫は皮膚タイプのものです。皮膚タイプの血管肉腫は、長時間にわたり皮膚が紫外線を受けることによって発症すると言われています。サルーキは、短毛でシングルコートであること、歯が当たった程度でも皮膚が裂けてしまうほど皮膚が薄いとされていることから、長時間紫外線に当たらないように気をつけることが大切です。
③進行性網膜萎縮症
進行性網膜萎縮症は、網膜が徐々に変性し視覚障害を起こす遺伝疾患で、近年サルーキでも発症が認められています。この病気を発症すると、階段を嫌がる、溝に落ちるなど視覚障害が原因の症状があらわれ、やがて完全に失明してしまいます。発症年齢や進行度合いには個体差がありますが、現在のところ、予防法や治療法は確立されていません。
サルーキの体重を管理するうえでのポイント
以前は、遺伝疾患や病気をほとんど発症しない健康な犬種として知られていたサルーキですが、家庭犬として繁殖されるようになり、他の犬種と同じように遺伝疾患や命に関わる病気を発症するようになりました。そのため、サルーキと暮らしていく上で必要なこととして、少しの体調の変化にでも気がつくことが大切です。特に、ストレスは万病の元となるため、ストレスをかけない生活環境を整えてあげることが長生きの秘訣と言えます。
スレンダーな体型が魅力のサルーキの適正体重
ペルシャのグレイハウンド、ガゼル(最速のカモシカ)ハンターとも呼ばれているサルーキの特徴は俊足。サルーキの走るスピードは、平均時速48〜56km、トップスピードは時速80kmにも達すると言われています。そのため繊細で細身に見えるサルーキのボディは走ることに適した筋肉質で、適正体重はオスが18〜29.5kg、メスはこれより小さめです。
サルーキのごはんの量
サルーキは、食欲旺盛で太りやすい性質であるため、食べさせすぎには注意が必要です。常に、スレンダーで美しい星を維持するためにも、決められたごはんの量以上には与えないことが大切です。また、テーブルの上にあるものやキッチンに置いてあるものをこっそり食べてしまうこともあるため、サルーキの届く範囲に食べ物を置いておかないことも健康管理のポイントです。
サルーキは走ることが命!運動量も散歩時間もたっぷりと
エジプトの砂漠地帯で自慢の脚を使って狩猟をしていたサルーキは、高い運動能力とアグレッシブな性格が特徴です。ひとたび走り出せば、人間は絶対に追いつくことができず、またどこまででも走って行ってしまうサルーキ。一般的な犬種との大きな違いは、優雅でエレガントな見た目からは想像もつかないアグレッシブな性質であるところ。飼い主と何かを一緒にすることよりも、小動物をダッシュで追いかけハンティングすることに喜びを感じる犬種なのです。
そのため、リードでのお散歩だけでは、サルーキは満足しません。また、驚異的なジャンプ力を持っているため、通常のドッグランのフェンスは軽々と飛び越えてしまうことでも知られているので、ドッグランでは注意が必要です。
オンオフの切り替えができる
「サルーキは犬であって犬ではない。サルーキはサルーキ」と言われているほど、サルーキには独特の性質があります。そのため、「呼び戻し」や「持ってこい」などのような一般の犬種と同じような遊びはサルーキには合いません。独立心が強くプライドの高いサルーキは、自由で奔放な性質が魅力でもあるのです。
そんなサルーキは、トップアスリートの能力を持ちながら、常に走ることを求めているわけではありません。飼い主と1対1のような単独行動の場合は、走り回るというより静かに行動し、サルーキ同士が集まるところでは狩猟犬のスイッチが入るところが特徴だと言われています。
サルーキと暮らす場合は、他犬種にはないサルーキならではの性質をよく理解した上で、その高い運動能力を満たしてあげられる環境づくりをすることが大切です。
サルーキの狩猟本能を満足させられることが第一条件
サルーキに必要な運動量として、朝晩の散歩は1時間程度、また最低でも週に数回は、安全かつ広々としたところへ連れて行き、思いっきり自由に走らせてあげることが大切です。アメリカをはじめ日本でもサルーキの狩猟本能と運動欲求を満たすため、定期的にルアー・コーシングと呼ばれる疑似餌を追いかけるドッグスポーツの大会が開催されています。狩猟犬として本来の能力を発揮する場所がない日本では、このような大会に参加することが大切です。
スーパーモデルのような容姿とトップアスリートの能力を併せ持っているサルーキ
その美しい容姿から、サルーキと是非一緒に暮らしてみたいと思う方も多いのではないでしょうか。サルーキは、狩猟犬としての本能と高い運動能力、独特の気質など古代から受け継いだ特徴がそのまま残っている犬種です。そのため、一般の犬種と同じような生活環境では満足できません。広いところで走ることを信条としているサルーキにとって、走れないことは大きなストレスとなり、問題行動や健康を害する引き金にもなります。狩猟犬から家庭犬へと立場が変わったサルーキですが、今までにはなかった遺伝疾患が報告されていることから病気に対する注意も必要です。サルーキが健康で長生きできるためには、環境づくりがとても大切であることを理解しておくことが大切だと言えます。
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この記事のライター
ずーこ
動物全般が大好きで現在は猫を飼ってます!犬もだいすきなのでpetanでは犬に関する様々な情報を発信していきたいと思います!!
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