パグの寿命ってどれくらい?かかりやすい病気と一緒に暮らすうえでの注意点
特徴的な見た目はもちろん、陽気で愛嬌のある性格やユニークな行動から人気のパグ。無駄吠えも少ないことから集合住宅でも飼いやすいと言われており、いつか飼いたいと思っている方も多いのではないでしょうか。そこで気になるのが、どのくらいの時間を一緒に過ごすことができるのか、ということ。そこで本記事ではパグの平均寿命やかかりやすい病気についてご紹介します。パグと暮らすうえでの注意点も解説するので、パグのお迎えを検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
パグの平均寿命について
鼻ぺちゃな犬種の中でもフレンチブルドッグと並んで人気のあるパグ。SNSやテレビで見かけることも多く、いつか一緒に暮らしてみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。犬を迎える前にはその犬種の特性をよく理解しておくことが望ましいですが、あわせて平均寿命やかかりやすい病気を調べ、飼い主としてどのようなことができるのかを知っておくことも大切です。ここではまずはじめに、パグの平均寿命についてご紹介します。
寿命はやや短めの傾向
アニコムの「家庭どうぶつ白書2023」を見てみると、2021年度のパグの平均寿命は12.8歳であり、犬全体の平均寿命が14.2歳ということを踏まえるとやや短いことが分かります。
また、一般社団法人ペットフード協会の「令和5年全国犬猫飼育実態調査」(※)の「犬 飼育・給餌実態と支出p64」を参照すると、2023年の犬全体の平均寿命は14.62歳、小型犬は14.29歳となっているため、犬全体で見ても小型犬という括りで見てもパグの平均寿命は短めであると言えます。
※最新の調査が掲載されると過去の調査は見れなくなります。
なぜパグは寿命が短めなの?
犬の寿命は個体差や、日頃の食生活・飼育環境・健康管理などの飼い方によっても多少異なるため、一概にすべてのパグの寿命が短いというわけではありませんが、一般的にパグの寿命が短い理由は、短頭種という身体構造上、呼吸器トラブル(短頭種気道症候群)を起こしやすいことや熱中症のリスクが高いこと、さらには肥満になりやすいことが関係しているのではないかと考えられています。
パグがかかりやすい病気にはどんなものがある?
パグはその身体的な特徴からかかりやすい病気が多数あります。主なものを簡単にご紹介しましょう。
短頭種気道症候群
短頭種気道症候群とは、短頭種の犬に見られる呼吸器の異常が単独もしくは複合的に生じる状態を指します。寝ているときにいびきをかきやすかったり、ガーガー、ブーブーという呼吸音が聞かれたりします。また、中には咳や嘔吐が見られるケースも。特に興奮時や運動後、高温多湿の時期は症状が強く現れやすいです。短頭種気道症候群に含まれる疾患として具体的には以下のようなものがあります。
■軟口蓋過長症
- のどの手前にある「軟口蓋」と呼ばれる柔らかい部分が先天的に長く、気道がふさがれてしまう状態。
■外鼻孔狭窄
- 先天的に鼻の穴が狭く、慢性的に鼻呼吸がしづらい状態。
■気管低形成
- 気管が本来の大きさにならず、正常な気管と比べて狭いため、呼吸がしづらい状態。
上記のような状態が長期間にわたり続くことで、喉頭虚脱や喉頭小嚢の外反などの二次的な問題が引き起こされることがあります。
呼吸がしづらいため頑張って呼吸をしようとしますが、それにより気管に負担がかかりさらに気管が狭まってしまうという悪循環に陥り、呼吸困難やチアノーゼを起こして突然死してしまう事例もあります。
また、普段から努力呼吸をしている状態のため、パンティングをしても熱をうまく逃がすことができず、熱中症になりやすいです。高齢になると体温調整がしづらくなるので、より注意が必要になります。
短頭種気道症候群は身体構造が原因となっているため、予防することができません。また、発症した場合、内科的治療では治らないので、症状を軽快するためには手術を検討する必要があります。
外耳炎
パグは垂れ耳であることや生まれつき耳道が狭いことから、外耳炎の好発犬種とされています。細菌・真菌の繁殖やダニ、アレルギー、異物などが原因で外耳に炎症が起こり、耳をかゆがる、床に耳を擦り付ける、耳垢が増える、耳から悪臭がするなどの症状が見られます。
一般的には外耳道の洗浄や点眼薬での治療となりますが、再発しやすく、自宅でのお手入れも重要です。アレルギー性皮膚炎により外耳炎が生じている場合には、長期的な治療が必要になります。
皮膚病
パグは皮膚が弱く、皮膚トラブルを起こしやすいと言われています。具体的には以下のようなものがあります。
■食物アレルギー
食べ物が原因となって生じる皮膚炎で、皮膚のかゆみのほか、下痢や嘔吐などの消化器症状も見られます。
■アトピー性皮膚炎
ハウスダストマイト、花粉、カビなどが原因の皮膚炎で、若齢で発症しやすいです。遺伝や体質が大きく関わっていると考えられています。
■膿皮症
皮膚に細菌が感染することで引き起こされる皮膚病です。皮膚のバリア機能の低下のほか、高温多湿な環境、外傷、不適切なスキンケアなどによる皮膚のコンディションの悪化が原因だと考えられています。
目の怪我・病気
パグは目が突出しているため目を傷つけやすく、怪我や外傷が原因で炎症を起こすことが多いです。
■眼瞼内反症
眼瞼(まぶた)が内側(眼球側)に巻き込まれてしまう状態で、まぶたやまつげが眼球に触れることで痛みやかゆみが生じ、涙が多くなったり目ヤニがでます。まぶたの周りの皮膚が余っていることでまぶたが内反して起こりますが、多くは先天的なものだと考えられています。慢性的に眼球が刺激されるため、結膜炎や角膜炎、角膜潰瘍を引き起こすことがあります。
■角膜潰瘍
パグやフレンチブルドッグ、ペキニーズなど眼球が突出している犬は目を傷つけやすく、角膜潰瘍を起こしやすいです。目をしょぼしょぼさせる、目を痛そうにしている、まぶたが痙攣している、涙が多い、目が赤いなどの様子が見られます。
パグ脳炎
パグ脳炎は正式には壊死性髄膜脳炎といいますが、パグでの発症が多いことからパグ脳炎という俗称がつきました。マルチーズ、シーズー、ヨークシャーテリア、チワワ、ペキニーズなどの犬種でも見られます。はっきりとした原因は分かっておらず、現在のところ確実な治療法も確立されていません。
主な症状は痙攣や旋回運動、歩行困難、斜頸、失明などで、急速に進行する場合とゆっくり進行する場合があります。
パグと暮らすうえでの注意点
パグがかかりやすい病気は短頭種という身体構造が関わっていることも多く、予防ができないものもありますが、普段の生活の中で飼い主さんが気を付けることで長生きに繋げることができることもあります。
熱中症に注意
先述した通り、パグは慢性的に呼吸のしづらさを抱えており、体の熱を逃がすのが苦手なため熱中症のリスクが高い犬種です。犬の熱中症による死亡率は約50%とも言われており、熱中症が疑われる様子が見受けられたら素早く適切な処置を行わなくてはいけません。
夏場のお散歩時はもちろん、たとえ自宅にいるときであってもエアコンを使って温度管理をしましょう。寒さにも弱いので冬場は暖房を入れる必要がありますが、暖房で熱中症になることもあるため、犬が暑いと感じたときに移動できるよう逃げを用意してあげてください。
犬によって快適に感じる温度は異なるので、愛犬の様子を見ながら調整していくことが大切です。また、冬場は暖房により乾燥してしまうため、加湿器も活用するのがおすすめです。
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こまめにお手入れしよう
顔のしわはパグのチャームポイントの1つですが、汚れがたまりやすいので注意が必要です。放っておくと悪臭がするようになったり、皮膚炎を引き起こす恐れがあります。ごはんのあとや水を飲んだあと、お散歩のあとなどこまめに拭き取ってあげるようにしましょう。
また、短毛ではありますがダブルコートのため抜け毛は多いです。ブラッシングには死毛を取り除くほか、皮膚や被毛に付着した汚れやほこりの除去、皮膚の状態のチェック、ノミ・ダニの早期発見、血行促進などさまざまなメリットがあります。パグは皮膚トラブルも多いので、ブラッシングを習慣にすることをおすすめします。
体重管理をしっかりしよう
パグはごはんを食べることが大好きな子も多いです。たくさん食べる様子は飼い主として嬉しいものですが、肥満になってしまうと呼吸のしづらさや熱中症のリスクが上がるだけでなく、心臓病や糖尿病などの病気を引き起こしたり、膝や腰に負担がかかってヘルニアやパテラになってしまうこともあります。
犬種ごとに理想の体重はあるものの、適正体重は個体差もあるので、愛犬の適正体重を把握して日頃から体重管理をすることが大切です。
定期的に健康診断を受診しよう
これまでは子犬、老犬は半年に1回、成犬は1年に1回が受診の目安とされていましたが、近年では成犬でも半年に1回の健康診断がおすすめされています。わたしたち人間よりも年を重ねるスピードが速い犬にとって1年は数年分に相当することや、人間よりも病気の進行速度が速いためです。1歳以上の犬は、1年で人間にとっての4歳年を取ると言われており、半年に1回でも2年に1回の検診と同じなのです。
パグは寿命が短めだけれど
今回はパグの平均寿命からかかりやすい病気、さらには飼い主さんが普段の生活の中で気をつけるべきことをまとめてご紹介しました。
比較的長生きすると言われている小型犬の中でも、短頭種という身体構造上寿命が短い傾向にあるパグですが、最高齢は19歳という報告や、20歳の子の存在が確認できたという情報もあるので、飼い方次第では平均寿命を大きく超えて長生きしてくれることもあるかもしれません。
とはいえ、どんなに気を遣っていても病気になってしまうこともあります。日頃から愛犬の様子をよく観察しておき、定期的に健康診断を受診して、病気の早期発見・治療に繋げましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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