犬はかぶを食べてもいいの?豊富な栄養素と与える際の注意点
一年を通してスーパーなどで手に入るかぶですが、旬は春と秋の2回。春の七草「すずな」とも呼ばれる春のかぶは柔らかく、秋のかぶは甘みが強いのが特徴です。かぶは根の部分も葉もアクが少なく、美味しく食べることができる野菜です。そんなかぶは、犬にとっても嬉しい栄養素がたくさん詰まっています。
今回はかぶに含まれる栄養素と、犬にかぶを食べさせる時の注意点から犬のためのかぶを使ったレシピまでをご紹介します。
犬にかぶを食べさせてもOK!
煮ても焼いても、そして生でも美味しく食べることができるかぶ。丸くて白い根の部分と葉のどちらも食べられることが特徴の野菜です。
また、根の部分と葉では、栄養価に違いがあるため、両方を食べることがおすすめです。
特に、つい捨ててしまいがちな葉は緑黄色野菜に分類され、根の部分よりも栄養価が高いため、犬に与えるときは葉も忘れずに調理してあげましょう。
かぶの栄養素・成分を紹介
かぶには、白い球状の他に赤、紫色などさまざまな色や大きさがあります。日本書紀にも記録されているほど古くから日本人に親しまれている野菜がかぶです。
全国各地それぞれの土地で発展したことから、地域ごとにさまざまな品種が栽培されていますが、ここでは一般的な白い球状のかぶの栄養素についてご紹介します。
栄養素・成分【1】葉に含まれるβカロチン
緑黄色野菜に分類されるかぶの葉には、βカロチンやビタミンCが豊富に含まれています。中でもβカロチンは、犬の皮膚や粘膜の維持に欠かせない栄養素。
さらに、高い抗酸化作用から免疫力アップにも役立つとされています。
栄養素・成分【2】葉には葉酸も含まれている
造血のビタミンとも呼ばれる葉酸がかぶの葉には豊富に含まれています。葉酸は、細胞の生産や再生を助け、鉄とともに赤血球を作るのに欠かせない成分です。
栄養素・成分【3】葉はカルシウムも豊富
かぶの葉には、カルシウムが100gあたり250mgとたっぷり含まれています。カルシウムは犬にとって必要不可欠な栄養素です。
また、かぶの葉にはリンもたっぷり含まれているので、カルシウムとリンをバランスよく摂取する必要がある犬にとって有効な食材と言えます。
栄養素・成分【4】根には食物繊維も豊富
かぶには、不溶性と水溶性の2種類の食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、腸内細菌のバランスを整える作用があります。
かぶに含まれている食物繊維はデトックス効果が高いことでも知られ、古くから胃腸の不調時にはすりおろしのかぶが食されています。
栄養素・成分【5】根の部分に含まれているアミラーゼ
かぶには、消化酵素であるアミラーゼが含まれています。アミラーゼは、デンプンを分解し消化を助ける働きがある栄養素で、大根にも多く含まれていることで知られています。
栄養素・成分【6】カリウム
体内の余分な水分を排出する働きがあるカリウムがかぶには含まれています。カリウムは、犬にとって必須のミネラルの一つで、細胞が正常に働くために欠かせない栄養素です。
犬にかぶを与える際に気を付けること
犬にとっても栄養豊富なかぶですが、アブラナ科の野菜であるため、体質によっては、食べさせない方がいい場合やアレルギー症状を発症する可能性もあるため注意が必要です。
注意点【1】甲状腺機能低下症の犬には与えない
かぶに限らず、アブラナ科の野菜には甲状腺ホルモンの分泌を妨げる成分であるゴイトロゲンが含まれています。
また、健康な犬でも大量に摂取することで、甲状腺機能低下症を発症することがわかっているため、与えすぎには注意が必要です。
注意点【2】イソチオシアネートが含まれている
かぶに含まれている辛味成分がイソチオシアネートです。犬にアブラナ科の野菜を与える時には注意が必要と言われるのは、このイソチオシアネートが含まれていることから。
この成分は、大量に与えると胃腸に刺激を与えてしまう可能性があるため、与える際にはごく少量からにして様子を見ることがおすすめです。
かぶを使ったおすすめレシピ
かぶの根の部分は、生でも食べられますが、消化吸収のためには加熱調理をしてあげることがおすすめです。かぶは、薬膳では胃腸を温め、咳を鎮める作用があるとされています。ここでは、犬にも美味しいかぶのレシピをご紹介します。
かぶの挽肉あんかけ
かぶを柔らかく煮て作る、胃腸にやさしいレシピです。
<材料>
- 葉付きのかぶ 2個
- ひき肉(鶏や豚などお好みで)50g
- 昆布水 100cc
- 水溶き片栗粉 大さじ1程度
<作り方>
- 水に昆布を入れ昆布水を作っておく。
- かぶは葉と切り離し、丁寧に洗って泥を落としておく。
- 葉、かぶともに食べやすい大きさに切る。
- 鍋に昆布水を入れひき肉を入れてひと煮立ちさせ、アクをとる。
- アクが出なくなったら、かぶとかぶの葉を加え、かぶが柔らかくなるまでゆっくり煮る。
- かぶが柔らかく煮えたら、水溶き片栗粉でとろみをつける。
かぶと鶏肉のスープ煮
体を温めるかぶと鶏肉を使った寒い日に最適なレシピです。かぶの葉も一緒に柔らかく煮て、栄養豊富なスープを作りましょう。
<材料>
- 葉付きのかぶ 1個
- 鶏胸肉またはささみ 100g
- 鶏がらスープ 1カップ
- 生姜 少量
- オリーブオイル
<作り方>
- 鶏がらスープがない場合は、鶏がらを水から煮てスープをとる。
- かぶは葉を切り落とし、丁寧に水で洗い泥を落とす。
- 葉は食べやすい大きさに切る。
- かぶは皮ごと一口大に切る。
- 鶏肉は一口大に切る。
- 鶏肉とかぶの葉をオリーブオイルでさっと炒める。
- 鶏がらスープとすりおろした生姜を鍋に入れ、鶏肉を入れ、ひと煮立ちさせる。
- 沸騰したらかぶとかぶの葉を入れ、弱火にして蓋をして、コトコト鶏肉に火が通るまで煮る。(かぶは煮すぎると溶けてしまうので、様子を見ながら煮てください)
寒い季節はかぶ料理で乗り切ろう
栄養価が高くまた短時間の調理で柔らかくなるかぶは、犬ご飯にトッピングするのに最適な食材です。体を温める作用のほかに、胃腸の調子を整えてくれる栄養素も含まれているので、寒い季節にお腹の調子が悪くなるコにはぴったりの食材と言えます。
また、下痢をした時やお腹の調子が悪い時には、かぶをすりおろしてスープで煮てあげることで、水分補給にもなるお腹に優しい一品ができます。
ぜひ、かぶを上手に使って犬ご飯にトッピングしてあげてくださいね。
<参考文献>
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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