犬が寝る時間ってどのくらい?愛犬の寝る時間が増えたときの理由を解説!
昼間も気持ちよさそうに寝ている愛犬を見て「こんなに寝ていて大丈夫かな?」と心配になったことはありませんか?犬の睡眠メカニズムは人間とは異なり、犬の場合には、体や脳を休め疲労を回復するために長い睡眠時間が必要不可欠です。 今回は、子犬・成犬・老犬における平均睡眠時間や、寝ている時間が増えた場合に考えられる理由を解説していきます。
目次
犬が寝る時間は1日にどのくらいが普通なの?
犬が寝ている時間は年齢とともに変化し、子犬、成犬、老犬で異なります。それぞれの平均睡眠時間を見ていきましょう。
子犬の平均睡眠時間
子犬の平均睡眠時間は、18〜19時間程度です。人間の赤ちゃんと同じで子犬ほど睡眠時間は長くなります。そのため生後3週間くらいまではほぼ1日寝ていることがほとんどです。子犬は好奇心旺盛でよく動き回り体力を消耗しますが、体が未完成で体力の回復に時間がかかるため、長い睡眠時間が必要です。また、記憶を整理しているともされています。可愛いゆえにたくさん遊んであげたくなることもあるかと思いますが、寝ている間に成長ホルモンが分泌され脳や体の発達に関わるため、十分に睡眠をとらせてあげましょう。
なお、子犬の睡眠時間は、生後5ヶ月で平均14~16時間程の睡眠時間になり、体力が備わってくる1歳頃から徐々に短くなっていきます。子犬期でも、月齢によって変化していくようです。個体差もあるので、沢山寝る子もいればあまり寝ない子もいます。しかし成長に睡眠は欠かせないので、静かな環境を作り十分な休息を取れるよう配慮してあげましょう。
成犬の平均睡眠時間
成犬になると睡眠時間は、12〜15時間程度になります。犬といえば活発なイメージがありますが、元気な成犬でも1日の半分以上は寝て過ごします。
留守番が長くその時間を寝て過ごしている場合は、夜眠れなかったり朝早く起きてしまうこともあります。朝晩の散歩や、帰宅した後は愛犬と遊び、少し疲れさせるなどの工夫が必要です。
老犬の睡眠時間
老犬になると、成犬期より睡眠時間が長くなり、16〜18時間程度を寝て過ごします。加齢により体力が低下し疲れやすくなるため、長い睡眠時間が必要なのです。そのため食事とトイレ以外は、寝て過ごしていることも珍しくありません。寝ているときは無理に起こしたりせず、休ませてあげましょう。
しかし、寝ているだけだと筋力が低下してしまい体力も落ちるので、老化のスピードが早くなってしまいます。夜に寝ることができるように無理のない範囲で散歩に連れ出し、外の空気を吸わせてあげることも大切です。
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犬の睡眠時間は長いが眠りは浅い
犬の睡眠時間は長いですが、実は浅い眠りの時間が長く、人のように長い時間熟睡していません。人と同様、犬も寝ているときには、浅い睡眠(レム睡眠)と深い睡眠(ノンレム睡眠)を繰り返していますが、睡眠時間の約8割がレム睡眠で、ノンレム睡眠はたったの2割程度と言われています。犬の睡眠のメカニズムははっきりとは解明されていませんが、16分寝て5分の覚醒を繰り返しているようです。
眠りが浅く寝ている時間が長いのは、野生時代の名残と言われています。野生で生活していた犬は、寝ているときに襲撃される危険があるので、気配を感じたらすぐに動き出せるよう、浅い眠りにならざるを得ませんでした。また、狩りにはたくさんのエネルギーが必要となるので、活動していないときは小まめに睡眠時間を確保し、体力を温存していました。そのため「眠りが浅い・睡眠時間が長い」という睡眠になったのです。
ペットとして人と暮らすようになった現在、犬は敵に襲撃されることはありませんが、野生時代の睡眠の習慣が残っていると考えられています。
大型犬の方がよく眠る?
大型犬は小型犬や中型犬と比べて多くのエネルギーを消費することに加え、回復にも時間がかかるため、個体差はあるものの、睡眠時間が長い傾向にあるようです。マスティフ、セントバーナード、ニューファンドランド、グレートピレニーズなどはよく眠る傾向があると言われています。
反対に、牧羊犬や狩猟犬は睡眠時間が短いという説もあります。また、眠るのが好きな犬種もいるようです。しかし、一番は年齢によるものが大きいとされています。
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犬が寝る時間帯は夜?飼い主と同じタイミングで寝てるの?
かつて犬が狩りをしていた頃は、暗い時間帯の方が気配を消して獲物を狙いやすかったため、夜に長時間寝る習慣はありませんでした。しかし、適応能力に優れている犬は、ペットとして暮らすようになってからは、飼い主さんの生活ペースに合わせて夜に長い時間寝るようになりました。
とはいえ、先述のように野生時代の名残が残っているため、夜にある程度寝たとしても昼間も睡眠をとり、多くの睡眠時間を確保しています。
愛犬の眠りの質を高めるには
人と同じように犬も良質な睡眠をとることは大切です。十分に運動をして心地よい疲労感があったり、飼い主や他の犬と一緒に遊んで刺激を受けることの他に、快適な寝床を整えることが重要になります。
愛犬が安心して眠れる空間を作ってあげましょう。清潔感があり、人通りが少なく、音・光などの影響を受けにくい落ち着ける静かな場所に寝床を設置するのが望ましいです。もともと巣穴で暮らしていたので狭くて暗いところを好む習性があります。犬は綺麗好きなため、トイレと寝床は離した方がよいです。
ふわふわした犬用ベッドの活用や季節に合わせた適切な温度管理も必要になります。子犬や老犬は体温調節が苦手なので、毛布やヒーターなどを適宜利用しましょう。老犬は寝ている時間が長いので床ずれを起こしてしまうことがあります。クッション性の高いベッドを用意したり、定期的に体勢を変えてあげるようにしましょう。
人間と同じで、犬も質の高い睡眠がとれないとストレスになったり体調不良に繋がります。愛犬にぐっすり眠ってもらうためにも居心地の良い寝床を作ってあげることが大切です。
温度管理に関してはこちらの記事で紹介しています
眠くて寝ているわけではないことも
日中は家に人がおらず、一人でお留守番をしているという子も多いかと思います。コミュニケーションをとる相手もなく、何時間も一人でいるのが暇で寝ているということもあります。日頃からお留守番の時間が長い子は、ペットシッターなどのサービスを活用するのも手です。
愛犬の寝る時間が増えたときに考えられる理由とは?
老犬になると体力が衰えてくるため、寝ている時間が増えるのは自然なことです。しかし加齢によるものでなく、いつもより寝ている時間が長くなったときは、病気を患っている可能性が考えられます。
病気を患っていると体のだるさが増し、休息をとって回復させようとするため睡眠時間が長くなるのです。また、体のどこかに痛みがある場合も、痛みが生じるのを防ぐためにずっと寝ていることがあります。この他にも、ストレスや疲労でも長く眠ることがあります。大好きな散歩にも行こうとせず、寝ている時間が長くなった場合は、獣医師に相談した方がよいでしょう。
反対に睡眠時間が短くなった場合も注意が必要です。眠りが浅い、急に起きて吠えるなどの様子が見られたら、認知症の可能性があります。いつもと様子が違うと感じたら動物病院へ連れて行きましょう。
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飼い主と同じベッドで寝てもいいの?
同じベッドで寝ること自体は問題ではありません。犬と人が一緒に寝ることで幸せを感じたり安心感を得ることができるでしょう。しかし一緒に寝る上ではいくつか注意が必要な点があります。
しつけは大切
同じベッドで眠ると主従関係が崩れ、ベッドからおりるよう指示しても言うことを聞かなくなる可能性があるとする説があります。また、いつも一緒に寝てしまうと、飼い主と離れたときに不安でストレスを感じるようになることがあります。分離不安症の原因となってしまうこともあるため、一人で眠る日も作りましょう。災害時などは避難所での人とペットのエリアが分けられていることも少なくありません。
日頃から色々な場所で眠ることができるようにしておくことは、飼い主にとっても愛犬にとっても大切なことです。
怪我に注意
飼い主が寝返りをうったときに愛犬を怪我させてしまう可能性もあります。無意識とはいえ大切な家族である愛犬に怪我をさせてしまったら辛いですよね。そのため、十分な広さを確保する、落下してしまったときのためにベッドの下に毛布を敷いておくなどの工夫をしましょう。
病気になることも
普段の生活では問題がなくても、犬と一緒に寝ることでアレルギーが出ることもあります。ノミやダニの対策がしっかりできていなければ人もノミダニの被害に遭う可能性も低くはありません。マダニによって人が死亡したケースもあるので、注意が必要です。
また、犬から人へ、人から犬へ病気が感染することもあります。犬と人間で病気が感染する確率は高くはありませんが、リスクがあるというということは認識しておきましょう。
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愛犬が寝るのは健康維持のため!しっかり寝る時間を確保してあげよう!
犬にとっても睡眠は、脳や体を休め体力を回復させるための大切な時間です。睡眠不足になると健康に支障をきたす恐れがあるので、安眠を妨げないようにしてあげましょう。
老犬になると、食事とトイレ以外は寝て過ごしていることもありますが、体力がある成犬期にもかかわらず、あまりにも寝ている時間が長い場合は、病気を患っている可能性があるので獣医師に診てもらうようにしましょう。
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寝相についてはこちらの記事で解説しています
犬も夢を見るのかについてはこちらの記事をどうぞ
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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