スタンダードダックスフンドとミニチュアダックスの違いは?犬種の特徴や性格、育て方を解説
“ダックスフンド”と言えば長めの胴に短めの足が特徴的であり、「ミニチュアダックスフンド」はよく聞く犬種だと思います。その中でも「スタンダードダックスフンド」はガッチリとした筋肉質な体型を持つ犬種で、運動量も多いです。日本では登録件数も多くないため、実は希少な犬種でもあります。今回はそんなスタンダードダックスフンドの歴史から特徴・性格・基本的な育て方についてご紹介します。
スタンダードダックスフンドの歴史と特徴
ダックスフンドは、体格に応じて「スタンダードダックスフンド(通称スタンダード)」「ミニチュア・ダックスフンド」「カニンヘン・ダックス」の3種類に分類されます。一般社団法人ジャパンケネルクラブでの分類をベースに見ていくと、ダックスフンドの中で最も身体が大きいのが「スタンダードダックスフンド」となります。
スタンダードダックスフンドの歴史
スタンダードダックスフンドは、1600年代のドイツで「ジャーマンショートヘアードポインター」「バセットハウンド」「ミニチュアピンシャー」「ブラッドハウンド」など、さまざまな犬種と掛け合わせて誕生したと言われていますが、実はその起源ははっきりと分かってはいません。
スタンダードダックスフンドの特徴
スタンダードダックスフンドは、アナグマの猟をするために胴長短足の体型をしています。アナグマは、穴の中に巣を作るため、狭い巣の中にスムーズにもぐれるようにと、このような体型となりました。
体型・体質
スタンダードダックスフンドは、胸囲35cm以上・体重9〜12kgの中型犬に分類されます。 体長は体高の約2倍で、引き締まった筋肉質な体型をしています。
・ミニチュアダックスフンド:胸囲30~35cm・体重4.5~4.8kg
・カニンヘンダックスフンド:胸囲30cm以下・体重3.2~3.5kg
毛色・被毛・抜け毛
■毛色
スタンダードダックスフンドの毛色は、バリエーション豊かです。 単色ではレッド、レディッシュ・イエロー、イエロー(クリーム)、シェーデッドという黒いさし毛も単色として分類されます。2色ではブラック&タンやブラウン&タン、ブラック&イエロー、ブラウン&イエロー、その他の色にはダップルやブリンドルなどがあります。
ワイヤーヘアードにはこの他に、ワイルドボア(イノシシ色)、枯葉色の単色も認められています。
■被毛
スタンダードダックスはスムースヘアード、ロングヘアード、ワイヤーヘアードの3つの被毛に分けられます。
■抜け毛
スタンダードダックスフンドに多いスムースヘアードは、光沢のある短毛です。密に生えているため、抜ける時期になると目立ちやすくなります。ロングヘアードは、やわらかい長毛。毛が長いためもつれたり毛玉になりやすく、抜け毛も多くなります。ワイヤーヘアードは、剛毛で比較的抜け毛は少ない方ですが、毛が伸びますので定期的なトリミングが必要です。
寿命・かかりやすい病気
スタンダードダックスフンドの平均寿命は14〜17歳と言われています。生活環境や病気などによって寿命は変わってきます。
スタンダードダックスフンドは胴長短足の体型により、足や腰に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアになりやすい犬種です。食欲旺盛でもありますので、肥満になりやすいところもあります。階段の上り下りやジャンプは出来るだけさせないようにし、足や腰に負担をかけない配慮が必要です。また、夏場の散歩は特に注意が必要です。短足なためアスファルトからの照り返しにより、熱中症になりやすいです。散歩の時間を変えてあげることで防ぐことができます。
スタンダードダックスフンドはどんな性格?
スタンダードダックスフンドは、被毛の種類によっても性格の違いがあると言われています。
物おじせず、負けず嫌い
スタンダードダックスはもともと狩猟犬だったこともあり、物おじせず、負けず嫌いなところがあります。テリア系を掛け合わせているワイヤーヘアードは気が強い部分もあるようです。
明るく活発で好奇心旺盛
明るく活発で、好奇心旺盛なスタンダードダックスですが、スムースヘアードは遊び好きで、ロングヘアードは人懐っこく甘えん坊が多いようです。
スタンダードダックスフンドを上手に育てるポイント
スタンダードダックスフンドの基本的な育て方についてご紹介します。
しつけ
スタンダードダックスのしつけは、狩猟犬の本能が残っていることから、吠える声が大きく、無駄吠えしやすいことや穴を掘ることが大好きという性質があります。賢い犬種ですので、徹底してしつけることが必要です。
ケア
スタンダードダックスは、抜け毛のある犬種ですのでこまめなブラッシングと、月1~2回程度のシャンプーをおすすめします。爪切り・足裏の毛のカットをして、滑りにくくすることで、足や腰にかかる負担の軽減ができます。また、垂れ耳ですので、通気性が悪くなると外耳炎になってしまいますので、定期的な耳掃除をしてあげましょう。
運動
スタンダードダックスは運動量の多い活発な犬種ですので、たくさん遊んでたくさん運動させてあげましょう。運動不足はストレスがたまるだけではなく、肥満などの病気を引き起こす原因となります。1日2回に分け30分以上の散歩を毎日しましょう。
環境
スタンダードダックスフンドは、体は大きいですが室内での飼育が好まれます。運動神経のいいスタンダードダックスはソファやベッドに飛び乗ったり、階段の上り下りをさせないようスロープや柵をつけるなどの対策をしてあげましょう。
スタンダードダックスと楽しい生活を
今回はスタンダードダックスフンドについてご紹介しました。がっちりとした重量感のある引き締まった体型はスタンダードダックスフンドならではの迫力があります。明るい性格のスタンダードダックスフンドとの生活はきっと飼い主さんを喜ばせてくれることでしょう。ただし、愛犬との楽しい暮らしを送るためにも、しっかりとスタンダードダックスフンドの特徴を理解していく必要があります。ぜひ愛犬をよく観察し、信頼関係を深めてくださいね。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。