【獣医師監修】犬に人間用の石鹸を使ってもいい?安全の基準や石鹼を手作りする方法、使う際の注意点を解説
愛犬のために良い石鹸を使ってあげたい、と思ったことはありませんか?人間用の石鹸は種類も豊富で肌に優しい商品もありますが、犬に人間用の石鹸を使っていいものか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、犬と人間用の石鹸の関係について解説していきます。犬に使える石鹸を手作りする方法や、皮膚トラブルを防ぐための、石鹸を使うコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
人間用の石鹸を使って愛犬を洗っても大丈夫?
基本的には犬に人間用の石鹸を使用するのは好ましくありません。人間用の石鹸は、洗浄成分が強く、保存料や香料といった添加物が含まれているからです。
犬の皮膚の厚さは人間の3分1ととても薄く、外部からの刺激に弱いという特徴があります。また、人間の皮膚は弱酸性ですが、犬の皮膚は中性~弱アルカリ性で性質が異なります。
人間用の石鹸を犬に使用すると、皮膚トラブルを発生させる危険性があることを理解しておきましょう。
人間用の石鹸は原材料をチェック
どうしても人間用の石鹸を使用しなければならない場合は、原材料を確認してみてください。無添加あるいは天然成分のみを使用した化学成分が入っていない商品や、人間の赤ちゃん用の商品であれば、皮膚に対する刺激は少ないでしょう。
しかし、十分に安全に配慮されたものでも、犬の体質によっては合わない場合もあります。皮膚トラブルが起きた場合は、すぐに使用するのをやめましょう。
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愛犬用の石鹸を手作りするために必要な材料と手順
犬用石鹸は専門のショップで購入するのが安心ですが、飼い主さんが手作りしてみるのもおすすめです。手作り石鹸はご自身で材料を選べるので、愛犬に合ったものを作ることができるでしょう。
ここでは、犬用石鹸を手作りするために必要な材料や手順について解説していきます。
手作り石鹸に必要なもの
手作り石鹸に必要な材料と備品は以下のリストの通りです。あらかじめ用意しておきましょう。
なお、今回は3つのオイルを使用した方法を紹介しますが、オイルの配合を変えると泡立ちの良さや保湿力が変わります。色々な種類を試してみるのがおすすめです。
材料
- オリーブオイル:160g
- キャスターオイル:80g
- ココナッツオイル:100g
- 精製水:119g
- 苛性ソーダ:46g
- 氷水:適量
※犬用石鹸に使用してはいけないオイル
ルー、ヤロー、アニス、カシア、タイム、バーチ、カラマス、サンタナ、タンジー、ヒソップ、カンファー、ジュニパー、マグワート、サッサフラス、ワームウッド、ウォームシード、マスタードセイボリー、ビター・アーモンド、ラベンダーストエカス、グローブウィンターグリーン
備品
- 保護メガネまたはゴーグル
- マスク
- ゴム手袋
- ボウル
- スプーン
- 計量カップ
- 型(好きな形のものでOK)
- 温度計
- 泡立て器
- タオル
- ペットボトル
- 保温用の容器
手順
- 安全のために保護ゴーグル、マスク、ゴム手袋をつける
- ボウルに入れた苛性ソーダに精製水を加える
- 化学反応によって液温が上がるため、ボウルごと氷水に入れて約40~45℃になるまで冷やす
- 冷やしている間に、オイルを全種類別のボウルに混ぜ、約40~45℃になるまで湯煎する
- 苛性ソーダとオイルが同じ温度になったら、2つをゆっくり混ぜる
- 全体にムラができないように注意しながら、泡立て器でゆっくり混ぜる(約20分)
- クリームのように白くドロっとしてきたら、型に流し込む
- 型の底をトントンと叩き、空気を抜く
- 型ごと保温用の容器に入れ、タオルでくるむ
- お湯を入れたペットボトルとともに2~3日間寝かす
- 型から石鹸をはずす(サイズが大きい場合は、切り分ける)
- 風通しが良く、日の当たらない場所で1ヶ月乾燥させれば完成
手作り石鹸の注意点
苛性ソーダは危険な薬品です。保護ゴーグル、マスク、ゴム手袋を必ず着用し、換気が十分な環境で使用するようにしてください。
また、完成した石鹸を実際に犬に使用する際は、まずは少量を使ってみて、皮膚に異常がないことを確認してから本格的に使用するようにしましょう。
石鹸で犬を洗う場合のコツと注意点
石鹸で犬の体を洗うときに、液体シャンプーと同じ要領で洗っていませんか?もしかすると石鹸の効力を存分に発揮できていないかもしれません。
ここでは、石鹸で犬の体を洗うコツを解説します。石鹸を使う際の注意点とあわせて、ぜひ参考にしてくださいね。
石鹸で犬の体を洗う3つのコツ
石鹸で犬の体を洗うときには、以下の3点を意識してみてください。
1.たっぷりの泡を使う
汚れがなかなか落ちないときは、泡が足りないサインと言えます。汚れや毛量に合わせた泡の量を用意してあげましょう。
泡立てネットを使えば、たっぷりの泡が作れます。ぜひ利用してみてください。
2.体にこすりつけない
石鹸で犬の体を洗う際は、石鹸を直接犬の被毛や皮膚にこすりつけるのではなく、あらかじめ作ったふわふわの泡を犬の体に乗せるイメージで洗いましょう。
石鹸を直接こすりつけると、犬が嫌がったり、皮膚が赤く腫れる場合があるからです。泡立てるのが難しい場合は、石鹸水を作り、その中に犬を入れて泡立ててあげるといいでしょう。
3.最初に体全体をしっかり水で濡らす
石鹸は水に溶けることで泡立つ性質を持ちます。したがって、犬の体を十分に濡らしていないと、泡が途切れてしまい、洗浄力が落ちてしまいます。
最初の段階で、体の表面だけでなく、被毛の下の皮膚までしっかり濡らしてあげるようにしてください。
石鹸を舐める・食べることに注意
犬が石鹸を食べ物だと勘違いして、食べたり、舐めたりしてしまうことがあるので、注意が必要です。
石鹸の致死量は体重1kgあたり、5gだとされています。一般的な石鹸は1個あたり約50gなので、体重10kgの犬が丸々1個食べてしまうと、致死量になってしまいます。
少量であれば嘔吐や下痢だけで済みますが、食べた量が多い場合は、早急に動物病院へ相談するようにしてください。
石鹸を正しく使って愛犬の皮膚トラブルを防ごう
人間用の石鹸は洗浄力が強く、添加物も含まれているため、犬への使用は基本的に向いていません。犬に石鹸を使用したい場合は、犬用として販売されているものを購入することで、皮膚トラブルを防げるでしょう。
また、犬にとって安全な石鹸は手作りすることも可能です。今回の記事を参考に、ぜひ手作りにも挑戦してみてください。しかし、安全な石鹸を使用しても、シャンプーの際に洗い方が悪いと皮膚トラブルを招くことがあります。正しい洗い方を実践し、愛犬の皮膚を守ってあげましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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