犬が飼い主さんの足元で寝るのはなぜ?足元以外の場所で寝る理由もあわせて解説します
椅子に腰かけているときやベッドで横になっているときに飼い主さんの足元にやってきて眠る子は少なくないですよね。眠るのなら自分のベッドのほうがぐっすり眠ることができそうなものですが、なぜわざわざ飼い主さんの足元にやってくるのでしょうか?今回は犬が飼い主さんの足元で寝る心理についてご紹介したいと思います。愛犬が足元で寝ていることが多いという飼い主さんはぜひチェックしてみてくださいね。
犬が飼い主の足元で寝るのはどうして?
愛犬が飼い主さんの足元で眠りだしたら、「可愛いなぁ」と思うと同時に「なんで自分のベッドで寝ないんだろう?」と気になったことはありませんか?単に「眠くなっちゃったのかな」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この何気ない行動にも愛犬の気持ちが隠されているのです。ここでは犬が飼い主さんの足元で寝る心理をご紹介します。
信頼している
飼い主さんのそばに来て寝るのは、大好きな飼い主さんのそばにいたいという気持ちや安心感が得られるからと言われることが多いですが、寝る位置によっても多少意味が異なり、一説には顔→お腹→足元の順番で信頼度が増すとも言われています。つまり、愛犬があなたの足元にやってきて眠るのであれば、愛犬から信頼されているということになるのです。
せっかくそばで寝てくれるのであれば膝の上や顔の近くに来てほしいと思ってしまいますが、足元で寝るのは愛犬からの信頼の証だとするなら飼い主としては嬉しいですよね。
ただし、ベッドで寝るときに犬が足元を選んで寝るのは単にスペースが広く落ち着いて眠れるからだという説もあります。
心地がいい
飼い主さんがベッドやソファで横になっているときに足元にやってくるのであれば、飼い主さんのそばにいたいという気持ちに加えて、ふわふわした感触がお気に入りだから、という可能性もあるかもしれません。愛犬が自分の足元にいると蹴ってしまいそうで完全にリラックスできないかもしれませんが、それでも愛犬がそばにやってきてくれるのは嬉しいですよね。
また、「今の寝床よりもこっちの方が快適に眠れる!」と思えば、より良い環境を求めて移動してきただけというケースも考えられます。
飼い主さんを守ろうと思っている
犬が飼い主さんの足元で寝る理由の1つに、何かあった時に備えて飼い主さんを守ろうとしているというものがあります。
これは犬の祖先と言われているオオカミの習性に起因しています。オオカミは群れのリーダーを守るためにリーダーの足元に身を寄せ合って眠る習慣があったそうです。野生で暮らしていたオオカミにとって足は狩りをするためにも強敵から逃げるためにも重要な部位であったため、本能的に守ろうとしていたことが大きな理由なんだとか。そしてこの習性は犬にも受け継がれていると言われています。
愛犬が足元で眠るのは飼い主であるあなたをリーダーだと認識し、守ろうとしているのかもしれません。
甘えたい
愛犬が足元でうとうとしていたら声をかけたり頭や身体を撫でてあげる飼い主さんは多いと思います。犬にとって、はじめはただ安心するからという理由で足元で寝ていたのかもしれませんが、飼い主さんに構ってもらった経験から、ここで寝れば構ってもらえると学習し、甘えたいときに足元にやってくるようになることがあります。
愛犬が足元で寝る際に気を付けること
愛犬が足元で寝てくれるのはポジティブな理由であることが多いということが分かりました。安心できる、甘えたい、守ろうとしているなどの気持ちから足元に来て眠っていると思うと愛おしさが募りますが、その際には自分の近くで眠っている愛犬を蹴らないように注意しましょう。
特に小型犬や超小型犬に分類される子たちは骨が細い子も多く、蹴られた衝撃や蹴られたことでベッドやソファから落ちてしまい骨折してしまう可能性もあります。
愛犬の気持ちは尊重したいですが、起きているときはまだしも眠っているときに意識を向けることは難しいですし、気を遣うあまり変な体勢で寝てしまい飼い主さんが身体を痛めてしまうのもつらいので、飼い主さんが就寝するときは別々に寝ることをおすすめします。
また、飼い主さんが起きてリラックスしている場合であっても動きたいときには愛犬に移動してもらうようにしましょう。
足元以外で寝る場合の犬の気持ちについて
犬が飼い主さんの近くで眠る場合、足元以外の場所であることも多いですよね。ここでは眠る場所別の犬の気持ちについて簡単にご紹介します。
お腹の近くで寝る
犬がお腹の近くに来て寝るのは、飼い主さんのことを自分の仲間だと思っているからだと言われています。犬は群れで生活していたころ寄り添いあいながら眠っていたので、飼い主さんのそばで眠ることで安心するのかもしれません。
また、お腹のそばは飼い主さんとの距離が近くぬくもりを感じやすいので、飼い主さんのことが大好きという気持ちや寒さを和らげるために隣で寝ているとも考えられます。
心音や呼吸音が聞こえる位置だとリラックスして眠れるため、そばにやってくるのかもしれませんね。
顔の近くで眠っている
先述した通り、顔の近くは頼りになる存在と認識されているというより、どちらかというと「何かあった時には自分が人間を守ってやらねば!」と思っている可能性が高いようです。
普段からあまり言う事を聞いてくれないという場合には飼い主さんのことを自分よりも下の立場だと認識しているケースもあるので関係性を見直した方が良いとされています。
しかし、中にはできるだけ飼い主さんのそばにいたくて顔の近くで眠る子もいます。飼い主さんのコマンドをしっかり聞いてくれるのであれば、純粋に飼い主さんの側で眠りたいという気持ちから顔の近くで眠っているのでしょう。
また、飼い主さんの枕に頭を乗せている場合、枕があると寝やすいと思っているか、飼い主さんの匂いがすることで気に入っていることも考えられます。枕を好む子は意外にも多いものです。
今までは自分の隣や足元で寝ていたのに、急に顔の近くで寝るようになったということであれば、飼い主さんの寝相が悪く、腕や足に攻撃されないように避難した結果、顔の近くで落ち着いているのかもしれませんよ。
こちらの記事もチェック!
飼い主さんの上に乗っかって寝る
飼い主さんのことが大好きなという子の場合、飼い主さんの身体の上にやってきて眠ることがあります。特にお腹の上は密着できるので、気持ちを落ち着かせたいときや甘えたいときに乗っかることも珍しくないようです。
ただし、飼い主さんの身体の上にやってきて震えている場合、何か不安を感じていたり怖いことがあったのかもしれません。思い当たることがあれば原因を取り除いてあげるようにしましょう。
こちらの記事もチェック!
飼い主のそばで寝ないのは嫌われているから?
愛犬が自分の足にピタッと寄り添って眠っていたら癒されるものですが、中には飼い主さんのそばには行かず自分の寝床やお気に入りのスポットでしか眠らない子もいます。
これは飼い主さんのことが嫌い、信頼できないと思っているわけではなく、性格的に自分の寝床で寝たいと思っていたり、安心してぐっすり眠ることができる場所がすでにあるため、飼い主さんの足元に来て寝ないだけだと考えられます。
また、同じ空間に飼い主さんの存在を感じられるだけで満足し、安心して眠ることができているのかもしれません。
そのため、愛犬が自分のそばで寝てくれないという場合であっても信頼関係が築けていないと断言できるわけではないので心配しすぎないでくださいね。
はじめは自分のそばで寝ていたのに急に移動してしまったという場合には、単純に暑さや寒さを感じて移動した可能性があるので、温度設定を見直してあげると良いかもしれません。
こちらの記事もチェック!
寝る場所によって気持ちが違うと言われるけれど
今回は愛犬が足元や足元以外の場所で眠る理由・気持ちについてご紹介しました。愛犬が自分の足元で眠ってくれるのは愛らしいですが、子犬の頃から自分のベッドで眠ることがきちんと習慣化されている子やその子の性格によっては飼い主さんのそばにやってきて眠るということはしない可能性があります。そのため、「愛犬は自分のそばで寝てくれない・・」と気に病む必要はありません。
飼い主さんのコマンドをよく聞く、アイコンタクトができるなどは信頼関係が築けているからこそできることです。犬の中にはあまりベタベタしたコミュニケーションを好まない子もいますが、愛犬からのカーミングシグナルに気づくことができれば、足元で寝てくれなくても愛犬にどう思われているのかは分かるはず。普段から愛犬の表情や耳、しっぽの動きなどを観察して愛犬からの愛情のサインを見逃さないようにしてくださいね。
こちらの記事もチェック!
この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
犬の気持ちに関する記事
犬の生態/気持ち
犬が目を合わせない理由とは?愛犬の気持ちを汲み取れる飼い主になるために
愛犬に見つめられるのは、飼い主としては嬉しいことですよね。しかし、飼い主が見つめても愛犬が目を...
2023年2月20日
しつけ
犬が唸っているのは威嚇しているから?シーン別で見る愛犬の心理としつけの仕方について
犬が唸るのは威嚇で、問題行動の一つだと思われている方が多いのではないでしょうか。もちろん威嚇の...
2023年1月11日
犬の生態/気持ち
【獣医師監修】愛犬がお腹を見せる4つの理由|犬の気持ちと隠された意味を解説
犬がコロッとひっくり返り、お腹を見せる姿はとても可愛らしいですよね。散歩中や遊んでいるときなど...
2022年12月21日
犬の生態/気持ち
【獣医師監修】耳を倒す仕草に込められた愛犬の気持ち|対処が必要なケースも
愛犬が、耳を前や後ろに倒していたりすることはありませんか?何気ない仕草に見えるかもしれませんが...
2022年12月19日
犬の生態/気持ち
【獣医師監修】信頼されている証?愛犬が飼い主さんにお尻を向ける心理とは
愛犬に突然お尻を向けられた経験はありませんか?何気ない行動のように見えますが、実は、ある気持ち...
2022年12月7日