セッターという犬種について解説!特徴や代表犬種、育て方のポイントなど
鳥猟犬として活躍してきた犬種は、いくつかのタイプに分類されていますが、その中の1つに「セッター」と呼ばれる犬種が存在します。セッターと聞いてもピンとこない方もいるかと思いますので、今回はセッターの特徴や代表犬種、育てる際に気を付けるべきことなどを解説していきます。
セッターとはどんな種類?
セッターとは、ハンター(飼い主)の鳥猟をサポートする犬として活躍してきた犬のことです。獲物である鳥を見つけたら静かにその場で伏せをして、その合図によりハンターに獲物がいることを知らせる役割をしていました。伏せをして構える姿勢を「セットする」ということから、セッター(セットする者)と呼ばれています。
セッターの特徴
飼い主と共に行動し連携して鳥猟をしていたことから、協調性があり飼い主に忠実です。また、忍耐力や運動能力が高いのも特徴です。
セッターの役割は、あくまでも獲物の位置をハンターに知らせるだけで、獲物に噛みついて仕留める仕事はしていなかったため、攻撃性は高くありません。基本的にフレンドリーで優しい性格です。
ルーツや歴史
セッターの原産国は、イギリスやアイルランドです。長時間にわたりハンターと共に行動し、獲物を見つけたら気付かれないようにその場でじっと静かに待たなければならないことから耐久力が高い、かつ伏せをして構えている状態の犬をハンターが見つけやすいような毛色や身体の大きさへと改良され、現在の姿に至りました。
現在はよき家庭犬として世界中で広く愛されていますが、鳥猟犬ならではの気質は今も持ち合わせています。
セッターの代表犬種は?
ジャパンケネルクラブの犬種グループで、セッターは「ポインター・セッター」のグループに分類されています。ポインター・セッターの犬種グループの中で、以下の4犬種がセッターです。
- イングリッシュ・セッター
- アイリッシュ・セッター
- アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター
- ゴードン・セッター
ここではセッターの代表犬種として、過去3年間連続してジャパンケネルクラブに登録がある、アイリッシュ・セッターとイングリッシュ・セッターについてご紹介します。
アイリッシュ・セッター
美しい艶やかなリッチ・チェスナット(赤みを帯びた濃い栗色)の毛色が印象的なアイリッシュ・セッターは、争いを好まない穏やかな性格です。また、学習能力が高いため、教えたことはどんどん覚えていきます。感受性は強いですが細かいことには動じない精神的なタフさがあるのも特徴です。
身体のサイズ
アイリッシュ・セッターの身体のサイズは、体高62?67cm前後、体重27?33kgで、大型犬に属します。
スリムな体型ですが筋肉質で、全体的にバランスが取れています。優雅な外見とは裏腹に、一日中歩き回っても疲れを見せないほどの体力があります。
原産地やルーツ
アイリッシュ・セッターは、その名の通りアイルランド原産のセッターです。17?18世紀頃にスパニエル種やテリア種、ポインターなどを掛け合わせて誕生したと考えられています。
犬種標準が確立されたのは1800年代後半です。容姿端麗なルックスであることから、現在はショードッグとして活躍しているアイリッシュ・セッターもいます。
イングリッシュ・セッター
イングリッシュ・セッターは温和で飼い主に従順です。また、甘えん坊な一面もあり、家族といることを好みます。
普段は基本的に穏やかですが、猟犬として飼育されているフィールドタイプのイングリッシュ・セッターはとても活発で、そのエネルギー溢れる姿は目を見張るものがあります。
飼い主の言うことを聞く素直な性格で、しつけは入りやすいと言われています。
身体のサイズ
イングリッシュ・セッターは、体高61?68cm、体重25?30kgで、アイリッシュ・セッターと同じぐらいの身体のサイズです。絹糸のような長くて美しい被毛に覆われているので、一見わかりづらいかもしれませんが、筋肉がよく引きしまった体型をしています。また、首を長く伸ばして優雅に歩く姿も特徴の1つです。
原産地やルーツ
イングリッシュ・セッターの原産国はイギリスです。セッターの中で最も歴史が古く、14世紀にスペインからイギリスに渡ったスパニエル種がルーツと考えられています。
15世紀になるとポインターやスプリンガースパニエルなどのいくつかのスパニエル種と交配が行われ育種が進められていましたが、「イングリッシュ・セッター」の犬種名が確立したのは19世紀になってからです。
家庭犬としてはもちろん、ショードッグとしても人気がありますが、鳥猟犬として働いている現役のイングリッシュ・セッターも多くいます。
セッターを飼うときに気を付けるべきことは?
セッターを育てるにあたり、どのようなことに気を付ける必要があるのかを覚えておきましょう。
経済的に余裕があるかをよく考えてから迎える
大型犬であるセッターは、小型犬と比べて食費や医療費がかかるので、経済的に余裕があるかをよく考えてから迎えるようにしましょう。
参考までに、アニコム損害保険株式会社が行った、ペットにかける年間支出調査によると、小型犬の年間支出費用は294,569円、大型犬の場合は449,560円との結果になっています。これはあくまでも平均金額で、高齢になると健康リスクが高まることから、実際はもっと費用がかかることも考えられます。
経済的な負担がかかるということを十分に承知のうえ、育てていけるだけの余裕があるかをしっかりと考えましょう。
たくさん運動をさせる
セッターは体力が非常にあり活動的なので、たくさん運動をさせる必要があります。1時間以上の散歩を1日2回するようにしましょう。これに加えて、週末などはドッグランでたくさん遊ばせたり、ハイキングに連れて行ったりし、高い運動欲求を満たしてあげる必要もあります。
運動量が足りないと、無駄吠えや破壊行動などの問題行動を起こしやすくなります。特に若齢期は元気いっぱいなので、飼い主さんにはそれ相当の体力が求められることを覚えておきましょう。
分離不安に注意
山野を歩き回ってハンターと共同作業をしていたセッターは、素直な性格で飼い主に従順ですが、自立心が低く人間への依存心が強いという一面も併せ持っています。そのため、飼い主と離れたときに不安から問題行動を起こす「分離不安」になりやすい傾向にあるので注意が必要です。
普段から適度な距離感を保って愛犬と接するように心がけると共に、子犬の頃から留守番トレーニングやクレートトレーニングをして、落ち着いて休める場所でひとりで過ごせるようにしておきましょう。
セッターはアウトドア派の体力がある人向け
鳥猟犬として活躍してきたセッターは、温和で飼い主に対する服従心が高いため、しつけはしやすいほうと言われています。しかし、猟犬としての気質は残っており、非常に活発で運動欲求が強いことから、普段の散歩にプラスして運動をさせる必要があります。そのため、アウトドア派で体力や時間の余裕がある人に向いていると言えるでしょう。セッターが持ち合わせている気質をしっかりと理解してから、迎えるようにしてくださいね!
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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