スコティッシュテリアを子犬から飼うために|性格や特徴をご紹介
スコッティの愛称でも親しまれているスコティッシュテリアは、頬ひげのような飾り毛をもつ優しい顔立ちと、明るい活発な性格が大きな魅力です。
そんなスコティッシュテリアは当時イギリスでひとまとまりにされていた、数あるテリア種の中でも、イギリス・スコットランドを表す”スコティッシュ”という名を勝ち取った犬種でもあります。ここではスコティッシュテリアの名前の由来や歴史から犬種の成り立ちを解説し、そこから特徴・性格・基本的な育て方など飼い主さんが知っておきたいことをまとめました。
目次
スコティッシュテリアの歴史
スコティッシュテリアと暮らすには、テリア犬ならではの気質を理解しておくことがとても重要です。そのためにまずは、スコティッシュテリアの犬種の成り立ちから見ていきましょう。
スコットランド出身の小型テリア
スコティッシュテリアは、イギリス・スコットランド原産のテリア種です。最初にイギリスで犬種標準として認められたのは1880年ですが、それ以前の1860年頃は、スコットランド出身の小型のテリア種全て”スコティッシュテリア(スコットランド地方のテリアという意味で)”と呼ばれていました。ちなみに上部の写真がイギリス・スコットランド地方の風景です。
現在の犬種名を名乗ることとなった経緯
しかし、徐々に犬種としての違いも顕著になり、まとまって表現されることに異を唱えた犬種のオーナーたちの間で、どの犬種が最もスコティッシュテリアとしてふさわしいかを決めようと話し合いが行われ、現在の長めの眉毛とあご髭をたくわえた風貌のテリアが、栄えあるスコティッシュの名を名乗ることとなりました。
ちなみに、本犬種は1879年に正式命名されるまで「ワイヤーヘアード・テリア」「ハードコーテッド・スコティッシュテリア」などと呼ばれていたこともあります。
サロンから世界の人気者へ
そして、その後も長い年月をかけて改良が行われ、1900年初頭にようやくイギリスのケネルクラブ(犬種標準の指定などを行っている団体)に登録されました。当時スコティッシュテリアはアナグマやキツネ、カワウソなどを捕まえるワーキング・テリアとして活躍していましたが、とある犬は「100匹のネズミを何分で倒せるか」という賭博ゲームでわずか7分という記録を出したと言われています。
こして才能あふれるスコティッシュテリアは次第に紳士淑女からサロンと呼ばれる会合で人気を博し、国家指導者のアドルフ・ヒトラーや元アメリカ大統領のフランクリン・ルーズベルトなど上流階級の人々からも愛される犬種として世界的に大流行しました。
スコティッシュテリアの性格
スコティッシュテリアは、飼い主によく尽くす誠実な性格を持っている一方で、テリア犬ならではの勝ち気な性格も持ち合わせています。そのため、家族として迎え入れる際は、両方の部分をしっかりと理解しておくことが重要です。
勇敢かつ飼い主に忠実な性格
スコティッシュテリアの信頼関係がしっかり築ければ、飼い主に忠実で愛情深く接してくれます。ただし、頑固な性格も持ち合わせており、自分が納得できないことに関しては拒否するところがあるため、深い絆を作るまでには、飼い主の忍耐力が求められます。
やんちゃで負けず嫌いな一面も
好奇心旺盛で活発な性格ですが、スコティッシュテリアはプライドが高く負けず嫌いな一面もあります。そのため、他の犬や人から攻撃的な態度を取られると興奮しやすいので、スコティッシュテリアが制止や呼び寄せの指示に従えるよう、トレーニングをしておく必要があります。
スコティッシュテリアの特徴
かわいらしい外見で、一見おっとりしてそうに見えるスコティッシュテリアですが、とてもエネルギッシュな面があります。具体的にどんな特徴があるのか理解しておきましょう。
体型や体質
スコティッシュテリアの平均体高は25~28cm、体重は8~10kg程度で小型犬に属します。体のサイズに対して頭が大きく、凛々しい眉毛と頬ひげのような飾り毛を生やしているのが大きな特徴です。スコティッシュテリアは地中にもぐって狩りをしやすいように改良された犬種であることから、足が短く細長い体型をしています。小柄な体型ながら骨太でがっしりとした体つきをしており、足腰が上部で俊敏に動くことができます。
被毛と抜け毛について
スコティッシュテリアの毛色は、ブラックやウィートン(小麦色)、基本の色に差し毛がまんべんなく入ったブリンドルなどが存在します。被毛は硬いオーバーコートと柔らかなアンダーコートが密集して生えているダブルコート(2層構造)です。
スコティッシュテリアをはじめとしたアンダーコートが生えている犬種は、年に2回換毛期があるため、冬毛から夏毛に生え変わる春と、夏毛から冬毛に生え変わる秋は、抜け毛が多くなります。そのため、その時期はこまめなブラッシングは必要です。
スコティッシュテリアの寿命とかかりやすい病気
スコティッシュテリアの平均寿命は12~15年で、小型犬の標準的な寿命ぐらいです。ただし、寿命は個体差によって大きく異なるので参考程度に見ておくといいでしょう。スコティッシュテリアがかかりやすい病気としては、スコッチけいれんやフォン・ヴィレブランド病、皮膚疾患などが挙げられます。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎には注意が必要です。アレルゲンは食べ物やノミ・ダニ、花粉やほこりなどさまざまなので、原因を特定するのが難しい疾患です。トリミングを定期的に行い、スコティッシュテリアの皮膚を清潔に保って予防するようにしましょう。
フォン・ヴィレブランド病
フォン・ヴィブランド病は、遺伝的要素や先天性による疾患で、止血させるための機能に異常が生じ、血液がなかなか止まらなくなる病気です。スコティッシュテリアの爪を切りすぎて出血したなど些細なことでも、なかなか血が止まらない、鼻出血や血尿を繰り返すなどの場合は、早めに診察を受けてください。
大したことないだろうと思って見過ごすと、命に関わるまで重症化する病気です。もしスコティッシュテリアを家族として迎える際に心配な場合は、遺伝子検査をして確認した方がよいでしょう。
スコッチけいれん
スコッチけいれんは、全身性のけいれんを起こす病気で、ストレスを抱えているときや、運動をしているときなどに症状が見られることが多くあります。スコティッシュテリアが歩いている最中に後ろ足が伸びて曲がらなくなっている、背中が丸まってうずくまり動けないといった場合は要注意です。
スコティッシュテリアの基本的な育て方
犬も飼い主さんも安心・安全に生活できるよう、スコティッシュテリアの育て方のポイントを押さえておきましょう。
- ケア|健康のために眉毛ケアを
- しつけ|一貫性のあるしつけを
- 運動|勝ち気なのでケンカに注意
- 環境|好奇心旺盛ゆえの配慮を
1.ケア|健康のために眉毛ケアを
スコティッシュテリアの被毛は絡まりやすいので、週に3回程度ブラッシングをしましょう。皮膚を傷める心配が少ないピンブラシでとかした後、コームで毛のもつれがないか確認しながら整えるときれいになります。
また1~2ヶ月に1回トリミングも必要です。スコティッシュテリアは特に眉毛が長く目に入りやすいため、定期的にトリミングをしないと目の疾患や涙やけを招いてしまいます。
2.しつけ|一貫性のあるしつけを
スコティッシュテリアのしつけのポイントは、テリア気質の頑固さにめげず、とにかく覚えるまで根気よく続けることです。しつけの際は一貫性のある態度をとり、「ダメ!」「いいよ」「まて!」など、犬が覚えやすい単純な言葉で、的確に指示するようにしてください。
3.運動|勝ち気なのでケンカに注意
スコティッシュテリアは小型犬ながらも体力があり運動が大好きなので、1日2回それぞれ30分程度の散歩に連れていくようにしてください。また、快活な性格であることから、ときにはスコティッシュテリアをドッグランで思いっきり遊ばせてあげるのもよいでしょう。ただし、勝ち気な面があるため、他の犬とケンカをしないよう注意が必要です。室内ではボール遊びなど、スコティッシュテリアが少し動きまわれる遊びを一緒にしてあげると喜ぶでしょう。
4.環境|好奇心旺盛ゆえの配慮を
室内で落ち着いて過ごすこともできる犬種ですが、もともと活動的な気質なので、遊びまわれるスペースがある環境が好ましいです。スコティッシュテリアのような元気いっぱいの犬は特に、運動不足になると問題行動を起こしやすくなります。
また、好奇心が旺盛なので、電気コードなど噛んではいけないものにケーブルカバーをかけたり、立ち入ると危ない場所には、柵を設置したりしておきましょう。
加えて、スコティッシュテリアに留守番をさせるときのために、サークルやケージも用意しておいたほうがよいです。飼い主の留守中に部屋を自由に行動できるようにしておくと、室内のものに興味津々になり誤飲や誤食をする恐れがあるからです。
スコティッシュテリアと過ごす幸せな時間
スコティッシュテリアと信頼関係を築くまでには、多少時間がかかるかもしれませんが、絆が強くなれば飼い主や家族に尽くしてくれるので、よきパートナーとなってくれるはずです。
また、散歩や一緒に遊ぶ時間もコミュニケーションのための大切な時間なため、積極的に作るよう心がけましょう。元気いっぱいで愛情深いスコティッシュテリアと、楽しい時間を過ごしていってください。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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