猟犬のグループ「ポインター/セター」の人気犬種をご紹介!歴史や特徴など
猟犬として活躍してきた犬種はさまざまな種類がいますが、その中に「ポインター/セター」と分類される猟犬のグループがあります。ポインターやセターと聞いてもピンとこない方もいるかと思いますので、ポインター/セターにグルーピングされる代表犬種や歴史、特徴などをまとめてご紹介します。
目次
ポインター/セターの語源とは?
ポインター/セターの犬種は獲物を探し出し、獲物に気付かれないようにしながら、その存在をハンターに指し示す役割をする猟犬です。
ポインターは「指し示す者」という意味で、獲物を発見したらハンターの前方に立ち、片足を上げて獲物の存在を指し示す(ポインティング)ポーズを取ることから、このように呼ばれています。
セター(セッター)は獲物を探し出すと伏せをして、猟師に獲物の存在を伝えていました。この伏せのポースをセット(set)といい、それが由来となって「セットする者」を意味するセター(セッター)と呼ばれています。
誕生の歴史と人間との関わり
ポインター/セターは主に鳥猟犬として活躍し、獲物の居場所を伝える以外に、ハンターの合図で獲物を飛び立たせる役目もしていました。
かつて猟犬は獲物の発見から捕獲、回収までを全て行っていましたが、銃が発明されてからはハンターが銃で獲物を仕留める猟のスタイルへと変化していきました。それに伴い、猟犬が行う作業も変わり、獲物の居場所を示す猟犬、巣穴に潜り込んで獲物を仕留める猟犬、仕留めた獲物を回収する猟犬など、役割が細分化されました。
その中で、獲物である鳥を探し出して静かにハンターに知らせる犬として誕生したのが、ポインター/セターグループの犬種です。ポインター/セターは、ハウンド系やスパニエル系と交配し改良を重ねて現在の姿になったとされています。
ポインター/セターの性格・身体的な特徴
ここでは、ポインター/セターの性格や身体的な特徴をご紹介します。
身体的な特徴・得意な分野
体が大きく筋肉が引き締まり、均整のとれた体格をしています。また、垂れ耳なのも特徴です。
ポインター/セターは、野山を駆け回って作業をしていたため、スタミナがあり運動が得意です。そのため、ドッグスポーツなどもこなせるほどの、優れた運動能力を持っています。
性格の特徴
ハンターの指示に従って与えられた役割をこなしてきたことから、飼い主に従順で忍耐強い性格です。また、ハンターと連携しながら作業をする必要があったため、協調性があるほか、飼い主の気持ちを読み取る能力が長けているのも特徴です。
猟犬というと「気性が荒いのでは?」と思うかもしれませんが、ポインター/セターは、獲物に飛びついて捕獲するタイプの猟犬ではないため、荒々しい気質はなく落ち着いて行動できます。
ポインター/セターの代表犬種
ここでは、ポインター/セターの代表犬種をいくつかご紹介します。
イングリッシュセター
イギリス原産のイングリッシュセターは、光沢のある美しい被毛や優雅に歩く姿が特徴的で、セターの中でも特に人気があります。
温和でとてもフレンドリーなので、子どもや他の犬とも仲良くできます。体を動かすことはもちろん、水遊びが大好きなのも特徴です。そのため、犬と一緒にアウトドアを楽しみたいという方にもおすすめです。
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アイリッシュセター
アイリッシュセターはアイルランド原産の犬種で、17〜18世紀頃にポインター/セター系やスパニエル系、テリア系を交配して作出されたと考えられています。
非常にエネルギッシュで1日中、山の中を歩き回れるほどの体力があります。陽気な性格で他の犬とも友好的に接することができますが、猫や小動物を発見すると追いかけたくなる衝動にかり立てられることがあるので、呼び戻しや制止のトレーニングは必須です。
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イングリッシュポインター
イングリッシュポインターもイギリス原産の犬種で、猟犬としての能力を高めるために、スパニエル系やハウンド系との交配を繰り返して誕生したと考えられています。
無駄のない筋肉質な体格をしており、機敏で走るスピードが速く非常に体力があります。また、飼い主に忠実で忍耐強く、しつけが入りやすいのも特徴です。
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ブリタニースパニエル
ブリタニースパニエルは、フランスのブルターニュ地方出身の犬種です。温厚でよき家庭犬としての要素が備わっていることから、作出された当初から人気があります。
訓練性や環境に対する適応力が高いので、トレーニングのしがいがあると言えるでしょう。また、頑健で遺伝的な疾患が少ないことでも知られています。
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ワイマラナー
ワイマラナーは、ドイツのワイマール地方出身の犬種で、ドイツのポインターの中で最古と言われています。運動能力だけでなく知能も高く、状況を判断して行動することができます。
飼い主に忠実で愛情深いですが、他の犬や知らない人に対してはやや神経質で、距離をおいて接する傾向にあります。
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ポインター/セターの犬種グループは毎日散歩したい家庭向き
ポインター/セターの犬種は体力に自信があり、かつ時間的な余裕がある家庭におすすめです。猟犬として活躍していたポインター/セターは、運動欲が非常に強いので、朝夕それぞれ1時間以上の散歩が欠かせません。加えて、ドッグランで走り回って遊ばせる機会も積極的に作ってあげる必要があります。
運動量が足りないとストレスが溜まり、無駄吠えや破壊行為などの問題行動を起こすことも少なくありません。迎え入れる前に、運動をさせる十分な時間を確保できるか、毎日長い時間散歩をするだけの体力があるのか、といったことをしっかりと考えることが重要です。
ポインター/セターの特質を理解したうえで迎えよう
猟犬としてハンターのサポートをしてきたポインター/セターは、飼い主に忠実で、理解力や適応力が高い犬たちです。しかし、とてもエネルギッシュで多くの運動量を必要とするので、育てるとなるとある程度の体力や、十分に運動をさせてあげられるだけの時間的な余裕が求められます。これらのポインター/セターの特質をしっかりと理解したうえで迎えるようにしましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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