老犬がトイレを失敗しない方法は?愛犬のためにできる環境の工夫とは
老犬になると、それまでは粗相など一度もしたことがなかったような犬でも、トイレを失敗してしまうようになることがあります。認知症などを患っていれば、ある程度の粗相は仕方のないことですが、そうではない場合にもトイレに行こうとして間に合わなくて粗相をしてしまった、ということもあります。トイレの問題は、飼い主さんにとっても大きな負担となりますが、愛犬がトイレを失敗しないように室内の環境を少し工夫したり、サポートを行なうだけで改善されることもありますので、対策を知っておきましょう。
まずは老犬のトイレの回数を確認
犬のトイレの回数には個体差があり、犬の年齢や性別、健康状態等によっても異なります。愛犬の平均的なトイレ(おしっこ・うんち)の回数を把握しておくことで、トイレのタイミングでサポートがしやすくなり、体調変化に気付きやすくなるため、知っておくようにしましょう。
子犬のトイレの回数
子犬の頃は、成犬よりもおしっこ・うんちの回数が多い傾向があります。膀胱が成長途中のためおしっこを溜めておける量が少なく、排泄の間隔が短くなり回数が多くなります。おしっこの回数目安としては「子犬の月齢+1時間に1回」とされていますので、月齢3か月程度で1日6回程度のおしっこをすることになります。なお、生後半年以降は回数も安定してくることが大半で、1日に5回程度と言われています。
また、子犬の頃はうんちの回数も5~6回と多い傾向があります。
成犬から老犬のトイレの回数
成犬になると、おしっこの回数は1日3~5回となります。その後、年齢を重ねて老犬と呼ばれる年頃になってくると、徐々におしっこの回数が増えてきます。膀胱や腎臓機能の低下により、おしっこを十分に溜めることができなくなることが理由です。
老犬になると、うんちの回数は1日1回程度となります。長い期間出ていない場合などには病気の可能性もありますので、普段のトイレの回数などをふまえて獣医師に相談するようにしましょう。
老犬のトイレを手助けするポイント
老犬のトイレを手助けするポイントとしては、まずは排泄のタイミングを理解すること・そしてトイレ後のケアを行なうことです。
老犬のトイレの後のケア方法
老犬になって足腰の筋力が衰えてくると、排泄持に足にうまく力が入らずに自分の足やお尻周りを汚してしまうことが増えてきます。トイレで汚れた箇所をそのままにしておくと、さらに汚れが付きやすくなって通気性が悪くなり、皮膚トラブルを起こしてしまうこともあります。
トイレの後は、汚さずにできたかのチェックを必ず行うようにし、もしも汚れてしまっていたらその都度キレイにしてあげるようにしてくださいね。
排泄タイミングでサポートを
毎日の生活リズムが安定していれば、自然と排泄のタイミングは決まってきますので、そのタイミングを見計らってトイレに誘導します。この時、歩行に問題のない老犬であれば、ゆっくりでもいいのでトイレまで自力で歩かせるようにしてください。
飼い主さんがトイレまで抱き上げて連れていってしまう方が楽な場合もあるかもしれませんが、筋力の衰えを少しでもなくすために、なるべく自力でトイレに行かせるようにしましょう。
老犬がトイレで失敗したら環境の工夫を
老犬がトイレを失敗する回数が増えるようになってきたら、トイレ周りの環境の工夫をしてあげることで粗相をする確率が減ることが期待できます。
トイレの場所を変更する
老犬のトイレはどこに置いてありますか? 例えば、普段は飼い主さんと一緒にリビングで過ごしているにも関わらず、トイレは部屋を出た廊下の先や別室では遠すぎてしまいます。本来、犬のトイレは、犬の歩幅で5~10歩程度以内の場所にあるのがベストです。成犬の頃はそこまで歩くことは全く苦にならなくても、老犬になるとトイレまでのその短い距離でも辛くなってきてしまい、トイレに行こうと歩いているうちに、間に合わず粗相をしてしまうこともあります。
老犬のトイレは、なるべく老犬が普段過ごしている場所の近くに設置してあげるようにしてください。ただし、ある日突然トイレの場所を変更してしまうと犬は戸惑ってしまいますので、トイレを移動をする際には少しずつ場所を変えていき、数日かけて設置場所を変えるようにしましょう。
老犬のトイレ周りには滑り止めを
老犬のトイレシートは滑りやすくなっていませんか?もしフローリングの上などにそのまま使い捨てトイレシートを置いている場合には、滑りにくくして挙げる必要があります。特に老犬になると、足の踏ん張る力が衰えたり、肉球が乾燥して、室内で滑りやすくなってしまいます。シートを滑りにくくする防水タイプのマットも品揃えがありますので、ぜひ設置を検討してみてくださいね。
トイレまでの段差や障害をなくす
老犬が普段過ごしている場所からトイレに行くまでの道のりには、段差や曲がり角などはありませんか? 老犬になると足をあげる行為が辛くなってきますので、もし段差があるようでしたら無くしてあげることが一番です。それが難しい場合には、トイレに行くまでの段差にはスロープを置いてあげたり、段差が低くなるように踏台のようなものを置いてあげたりするなど高さを調整してあげてください。
完全なバリアフリー状態にならなくても、足を持ち上げる段差を少しでも少なくすることで、トイレをしにいく老犬への負担が軽減されます。
老犬のトイレはおむつを併用も考えて
トイレの場所を移動したり、排泄のタイミングでサポートをしていても、絶対に愛犬が粗相をしないとは言い切れません。その度に掃除をするのは飼い主さんにも大きな負担になってきますので、思い切っておむつを併用するのも1つの手です。愛犬も粗相をしてしまって被毛が汚れてしまうのは気持ちが悪いものです。排泄するタイミングでのトイレ誘導はそのまま実施し、それ以外の時はおむつを履いておくようにすれば、粗相の心配をしなくて良くなるため、飼い主さんも少し気持ちが楽になれると思います。愛犬の状態や環境に合わせて工夫してみてください。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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