ナポリタンマスティフの性格や特徴をご紹介。子犬から飼うための基本情報まとめ
ナポリタンマスティフはイタリアンマスティフとも言われ、元々は闘犬として飼育されてきました。闘犬が禁止された後は、警察犬として活躍をしたり、ペットとして飼育されたりしています。そんなナポリタンマスティフについて、特徴などを紹介していきます。
ナポリタンマスティフと言う犬種について
ナポリタンマスティフの祖先については諸説あり、インドから当時のアレクサンドロ王に贈られた犬が末裔であるという説と、闘犬を作出するために短毛の大型犬をアレクサンドロ王がインドから取り寄せたという説があります。
その後、ローマがイギリスを統治した紀元前54年頃に、元々イタリア南部にいた大型犬と交配をして、現在のナポリタンマスティフの原型が完成されたと言われています。
ナポリタンマスティフの歴史
ナポリタンマスティフは、19世紀頃にはイタリア南部にて生息していたとされているのですが、第二次世界大戦を経て20世紀の前半には絶滅の危機に陥りました。
その危機を救ったのは、イタリア人の画家であるピエロ・スカンジアーニで、現在ではナポリタンマスティフの父と称されています。
ピエロ・スカンジアーニは、ナポリタンマスティフの血統を絶やさぬように自ら犬舎を作り、血統を維持しつつナポリタンマスティフの改良重ねスタンダードを完成させました。その後、1949年にイタリアンケンネルクラブの公認犬種として登録され、1970年代になる頃にはアメリカやヨーロッパなどに広まっていきました。
ナポリタンマスティフの特徴
元々ナポリタンマスティフは、闘犬や番犬として活躍することを念頭において飼育されてきた犬なので、体は大きく見た目は怖い印象を与えることが特徴とされてきました。
ナポリタンマスティフの性格は闘犬の名残を受け継ぎ、防衛本能が強く勇敢です。そして、怖い見た目に反して飼い主さんにはとても忠実で、自分がリーダーだと決めた相手の指示にはきちんと従うことができます。また、普段は温厚で吠えることもほぼしませんので、しつけがきちんとされているナポリタンマスティフは、小さなお子さんがいても問題なく同居できるとされています。
寿命やかかりやすい病気
ナポリタンマスティフの寿命は、一般的な大型犬の寿命とほぼ同じで約7~9年とされています。 体重が重いどっしりとした体型であることから股関節形成不全症(こかんせつけいせいふぜんしょう)にかかりやすく、大型犬の発症率が高い胃捻転(いねんてん)・胃拡張(いかくちょう)にも気を付ける必要があります。
また、ナポリタンマスティフの皮膚がたるんで重なっている箇所は通気性が悪いので、汚れをそのままにしておくと雑菌が繁殖し皮膚トラブルを起こしてしまいます。 その他には、チェリーアイという目が赤く腫れあがってしまう病気にもかかりやすいとされています。
被毛や抜け毛について
ナポリタンマスティフの被毛は短毛で、短くて粗い被毛が密生しているスムースコートになります。そのため、抜け毛の処理に困るようなことはほぼなく、ブラッシングケアも週に1度程度で構いません。
耳は垂れ耳で尾も垂れ尾となり、闘犬として活躍していた頃には断耳・断尾が主流でしたが、最近ではあまりされなくなってきました。 ナポリタンマスティフの毛色はフォーン・グレー・ブラック・ブラウンがあり、人気色はブラックとなります。
体型や体質
ナポリタンマスティフは大型犬に属します。 ナポリタンマスティフの全身の皮膚はたるんだ感じでゆったりとしています。特に喉の辺りのたるみは特徴的で、他の犬と闘っている最中に喉元を噛みつかれたとしても、あまり痛みを感じないようになっています。
これはデューラップと呼ばれ、闘犬の多くはこの特徴を持ちます。ナポリタンマスティフのこの皮膚のたるみは、子犬の頃にはあまりなく、成長と共に段々とたるんでくるようになります。
- 体高:60~75㎝
- 体重:50~65㎏
ナポリタンマスティフの育て方
ナポリタンマスティフは独立心の強い犬でありながら、屋外で単独で過ごすよりも屋内にて飼い主さんや家族の側に居るのを好みますので、室内での飼育がおすすめです。 ケージや犬用のベッドなどを置いてナポリタンマスティフの自分のテリトリーを決めてあげると、一日の大半はおとなしくそこで過ごすようになります。
- 運動
- 環境
- しつけ
- ケア
1.運動
ナポリタンマスティフはその重たい体を支えるための筋肉が必要となりますので、毎日2回程度で1回に付き1時間程の散歩をするのがおすすめです。
ただし、ナポリタンマスティフは元々あまり運動が好きな犬種ではありませんので、無理に走らせたりする必要はなく、きちんと歩く習慣を付けるだけでも十分です。
2.環境
ナポリタンマスティフは、暑さには大変弱い犬種なので、熱中症には特に気を配る必要があります。暑い季節に屋外に長時間いることは避けるようにしましょう。
室内ではフローリングなどの滑りやすい床材では、ナポリタンマスティフが自分の体重を支えるのに余計な負担が足腰にかかってしまいますので、クッションフロアやコルク素材のような柔らかい床材がおすすめです。
3.しつけ
ナポリタンマスティフは大変賢い犬種だからこそ、しつけは毅然とした態度でしっかりと根気よく、妥協などをせずに行う必要があります。 きちんとしつけを行えば、飼い主さんや家族に対して忠実で優しい犬となりますが、少しでもそれを怠ると指示に従わず凶暴な面を見せたり、独立心の強さから勝手な行動を起こす犬になってしまいます。
しつけを行う際には、厳し過ぎる方法もナポリタンマスティフには向いていません。あくまでも褒めながら、良い経験を積ませていく方法がおすすめです。
初心者には難しいしつけ方法となりますので、自信が無い場合には最初からドッグトレーナーなどの専門家の指示を仰ぐのがおすすめです。
4.ケア
ナポリタンマスティフはよだれが多い犬種です。日常的によだれを多く垂らしますので、すぐに拭き取ってあげることができるように、身近にタオルなどを用意しておくのがいいでしょう。
また、ナポリタンマスティフのたるんだ皮膚の重なった部分やシワの部分には汚れがたまります。そのままにしておくと、皮膚トラブルや悪臭の原因になりますので固く絞ったタオルなどで定期的に拭いてあげるようにしましょう。 また、ナポリタンマスティフは痛みに強く、それを必死に我慢する性質を持っていますので、何か傷を負ったりしていても飼い主さんが気が付くのが遅れてしまうことがあります。 体を拭くことを習慣付け、その際にナポリタンマスティフの皮膚に何か異常や傷がないかなどをチェックするようにしましょう。
ナポリタンマスティフの性格
ナポリタンマスティフは、かつてライオン・クマ・ゾウなどの動物を相手に闘っていたとは思えないほど、落ち着いた性格をしています。 具体的に、ナポリタンマスティフにはどのような性格的特徴があるのか見ていきましょう。
飼い主にも忠実で賢い
ナポリタンマスティフは依存心があまり強くないため、マイペースな一面もありますが、飼い主であることが認められたら、忠実に接してくれるでしょう。 一方で、他人にはなつかないところがあるので、成犬になったナポリタンマスティフを譲り受けたりするのは避けた方が良いと言えます。
落ち着きがあり堂々とした性格
ナポリタンマスティフはどっしりとした体格で、それでいて性格にも落ち着きがあり、常に堂々とした態度で過ごします。 家族が1日中そばに座っているだけで満足している様子で、ナポリタンマスティフには無駄吠えなども少ないことから、どんなご家庭でも比較的落ち着いて暮らすことができると言えるでしょう。
ナポリタンマスティフと過ごす幸せな時間
ナポリタンマスティフは、世界の三大恐怖犬種とも呼ばれる怖い見た目を持つ犬種ではありますが、飼い主さんには忠実で賢い性質を持っています。 ナポリタンマスティフはしっかりとしつけを行うことで、頼もしいパートナーになってくれますので、闘犬の気質を持っていることを踏まえたうえでしつけを行える方におすすめできる犬種です。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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