【獣医師監修】愛犬の身体にしこりができている。原因や考えられる病気、対処法を解説
愛犬を撫でているときやブラッシング・シャンプーをしているときに、身体にしこりができていることに気がついた経験はありませんか?しこりを発見すると、悪い病気ではないかと心配になりますよね。この記事では、犬の身体にしこりができた場合の原因や考えられる病気、対処法についてご紹介します。
犬の身体にしこりができる原因とは?
犬の皮膚にしこりができる原因はさまざまですが、例として次のようなものが挙げられます。
しこりの原因1.良性もしくは悪性の腫瘍によるもの
犬にしこりができた場合に最も注意が必要なものは、腫瘍によるしこりです。
犬の皮膚にできる腫瘍には良性と悪性がありますが、良性腫瘍で代表的なものには乳頭腫、皮脂腺過形成、皮内角化上皮腫などがあり、悪性腫瘍で代表的なものには肥満細胞腫や扁平上皮癌、繊維肉腫、腺癌などがあります。
しこりの原因2.ウイルスによるもの
若齢犬は「パピローマウイルス」に感染して乳頭腫というできものができることがあります。乳頭腫は良性腫瘍のひとつです。できものの見た目は白色〜肌色で、カリフラワーのような形になることもあります。ウイルス性のできものは他の犬にもうつりますが、多くの場合、数ヶ月で自然に消失します。
しこりができた場合に注意したい症状
しこりができた部位を舐めたり噛んでいる、出血を伴う、膿が出ている、しこりが急速に大きくなる、下痢や嘔吐などの症状を伴うといった場合は要注意です。
また、一般的にしこり自体には痛みを感じない場合が多くありますが、犬がしこりを気にしないようであっても、ほかの身体症状を併発することはあるので、注意して見ていく必要があります。
しこりができた場合に考えられる病気
犬の皮膚にしこりができたときに考えられる病気はさまざまですが、一般的に次のような病気が挙げられます。
体表に発生することが多い肥満細胞腫
肥満細胞は身体中に存在する細胞で、アレルギーや炎症に関与しています。病名からは「肥満の犬がかかりやすい?」と思われがちですが、太っていることを指す肥満とは関係ありません。体表に発生することの多い腫瘍ですが、体内に発生し下痢や嘔吐などの消化器症状が現れることもあります。
角質や脂肪が蓄積する表皮嚢胞
表皮嚢胞(ひょうひのうほう)とは、皮膚の下に嚢胞という袋ができ、そこに表皮の角質や脂肪が蓄積する病気です。
良性腫瘍ではありますが、嚢胞に老廃物などが大量にたまると袋が破裂し、出血したり炎症を起こします。
どんな犬種でも発生しますが、シーズーなど脂性肌の犬や高齢犬にできやすい傾向があります。
血液のガンであるリンパ腫
リンパ腫は血液のガンの一種で、リンパ球が腫瘍化し増殖することで発症する病気です。体表リンパ節に発生したものであれば触って気付くこともありますが、体内に発生したものは画像診断など詳しい検査をしなければ発見することは困難です。
ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバー、ボクサーなどが好発犬種として知られています。
中高齢のメスに多い乳腺腫瘍
乳腺腫瘍は、若いうちに避妊手術を受けなかったメスが中高齢になったときに発症することが多い病気です。
犬にできる乳腺腫瘍のうち50%は良性、50%は悪性であり、悪性の場合にはリンパ節や肺への転移が多く見られます。
愛犬の身体にしこりを見つけたら
犬の身体にできるしこりには、良性のものと悪性のものがあります。見た目で判断することはできないので、きちんと検査を受けることが大切です。
特に悪性腫瘍だった場合には急速に大きくなり、切除が困難になったりほかの臓器に転移してしまうことがあるので、早いうちに動物病院を受診する必要があります。
さわって刺激を与えない
しこりがあるとつい触りたくなるかもしれませんが、あまりいじらないようにしましょう。
刺激を与えることでしこりが大きくなったり、原因がウイルス性のイボであればイボが増えたり、ウイルスの種類によっては同居犬や触った人間にうつることもあります。
しこりを見つけたら早めに動物病院へ
犬は全身を毛で覆われているため、見た目だけで皮膚のしこりを見つけることは困難です。日頃から犬とスキンシップをとり、身体中を丁寧に触ってしこりがないかチェックしましょう。
また、身体のできものを「そのうち小さくなるだろう」と安易に考えてしまうと、悪性腫瘍だった場合にあっという間に増大し、転移してしまうこともあります。しこりを見つけたらなるべく触らないようにし、早めに動物病院を受診しましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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