犬が目をそらす理由は、状況や尻尾の状態から読み取れる!どんな感情なのか考えてみよう
犬と暮らしていく中で大切なコミュニケーションの一つが「アイコンタクト」。犬と目を合わせることは信頼関係を確かめる上でも大切なことと言われています。また、犬と見つめ合うことで人間の体内で「幸せホルモン」のオキシトシン濃度が上昇することもわかっています。でも、なかなか犬が目を合わせてくれないという経験はありませんか。実は、犬が目を合わせない時には必ず理由があるのです。
今回は、犬が目を合わせない理由に加え尻尾の状態もあわせて解説します。
愛犬が目をそらすときの気持ちは、観察して読み取れる
言葉を話すことができない犬は、体の様々な部位を使って自分の感情を相手に伝えます。これをカーミングシグナルと呼び、眼、耳、尻尾、口、足などを使って犬が行うボディランゲージです。中でも、見ていてわかりやすいのが目と尻尾の動き。このような犬が伝えたい気持ちを理解するには、日常から行動をよく観察することが大切です。
犬が目をそらすときの感情、理由
「〇〇~!」と名前を呼んでも、犬が目を合わせてくれない時があります。イヌ科の動物は、視線を使って仲間とコミュニケーションを取っている可能性が高いことが京都大学野生動物研究センターの研究から分かっています。犬にとって目を合わせないという行為は、人間同士が目を合わせないことよりも多くの理由があるのです。また、目を合わせない時に尻尾の状態も同時に観察することで、犬の心理状態を推察することができます。
目を合わせるのは威嚇。目をそらすことで敵意がないことを示している。
動物園などに行った時に、動物の目を直接見てはいけないと言われたことはありませんか?犬に限らず多くの動物は、相手を威嚇する時に目を合わせます。目を見つめ合い、うなったり歯をむきだしたりした時は、喧嘩をする前触れです。また、年上の犬の前でも目を合わせないことがあります。このような時に犬が目を合わせないのは、相手に敵意がないと伝えている時です。飼い主と目を合わせない時は、「ママとは喧嘩したくないよ」と伝えている可能性があるのです。
尻尾の状態は?
目を合わせず、低い位置でゆっくり尻尾を振っている場合は、警戒している、不安を感じている時です。あまりの恐怖から反撃する可能性もあるため注意が必要です。
「興奮しないで」というサイン
犬が目をそらす理由の一つに、自分の興奮を収めようとしている時があります。また、これとは逆に飼い主がものすごく怒っていたり、興奮している時は目を合わせないことで、興奮しないでと伝えている可能性があるのです。
尻尾の状態は?
犬が興奮している時は、尻尾を上げフリフリ激しく振ります。もし、尻尾を思いっきり振りながら目を合わせずにいる場合は、犬が興奮する原因となることが周囲にないかチェックしてみましょう。また、尻尾を下げゆっくりと振っている時は、不安やストレスを感じ興奮している可能性があります。
「ごめんなさい」「どうしよう叱られる・・・」という気持ち
犬は、飼い主から叱られることが分かっている時や自分が悪いと分かっている時に目を合わせないようにします。お留守番中に散らかしてしまった時、いたずらしてしまった時、トイレを失敗した時など、自分の立場が不利な状況にある時に飼い主と目を合わさないようにします。物陰に隠れていたり、目をそらしてうつむいたりしていたら、飼い主に見つかりたくないことをした時。「ごめんなさい。怒らないで!」そんな心理から目を合わさないようにしていると言えます。
尻尾の状態は?
いたずらをした時など叱られると分かっている場合、目を合わせず尻尾を後ろ足の間に巻き込んでいることがあります。この時は、怖いといった恐怖感やごめんなさいという降参の気持ちを表しています。
恐怖を感じている
初対面の犬や知らない場所は、怖がりな犬にとって恐怖を感じるシチュエーションです。また、耳掃除や爪切りなど嫌なことをされるのは犬にとって恐怖となります。そのような場面では、名前を呼ばれても目を合わせないようにすることがあります。
尻尾の状態は?
犬は恐怖を感じると尻尾にもその感情が現れます。尻尾を下げゆっくり振っている時や後ろ足の間に巻き込んでいる時は、不安や不快感、恐怖を感じている時です。また、知らない場所で尻尾をピーンと高く上げている時は、遠くに「何か」を感じている時です。このような時は、遠くから犬が来る可能性も高いため注意しましょう。
緊張や不安でストレスを感じたとき
犬がストレスを感じた時に目を合わせないことがあります。犬のストレスの原因は、緊張や不安を感じる時。嫌いな人に出会ったり、家族が大きな声で喧嘩をしている時などは犬がストレスを感じやすい状況です。また、厳しくしつけを行っている時も犬はストレスを感じ、目を合わせなくなります。このような時に犬が目を合わせなかったら、ストレスを感じていると考え、ストレスを取り除いてあげましょう。
尻尾の状態は?
犬が目を合わせないだけではなく、尻尾が下がり、ゆっくり振られていた場合は不安な時やストレスを感じている可能性があります。このような時は、まずはストレスの原因を探りましょう。
逆に見つめてくる理由は?
逆に犬がじっと見つめてくる場合にも様々な理由や気持ちの現れが出ています。一体どんな理由があるのでしょうか?もし愛犬がじっと飼い主さんを見つめてきたら以下のような理由が考えられますので良く観察して状況を見極めて対処してください。
『飼い主さんがだいすき!』の愛情表現
犬は感情表現が豊かな動物です。犬が口角を上げて笑顔をみせるように見つめてきたり舌を出したり、少しうつろな目つきで見つめてきたりしたときは、飼い主さんへの愛情や甘えたい気持ちを表現しています。そのような時は安心して見つめ返してあげたり優しく声をかけてあげてください。
何かを要求している
犬は何かを要求する時にも見つてくる時があります。「ごはん(おやつ)ちょうだい!」「散歩いきたい!」など飼い主さんを見つめて要求しています。見つめられるとおやつを沢山あげたくなってしまいますが肥満の原因になるので注意が必要です。
飼い主さんを観察している
犬は飼い主さんの行動が気になります。「どこかに行くのかな?」「飼い主さん何してるんだろう・・構ってくれないかな」「何かくれるのかな?」などと犬なりに行動を分析しているのです。 飼い主さんの行動を我が子のように見守っている場合もあります。
警戒をしている
犬は警戒する場合も見つめます。敵意がある場合は歯をむき出しにして睨みつけたり「ウー!」と唸ったりするときは警戒のサインです。怒ったり敵意がある場合は、大きな声を出さず優しく話をかけたり緊張をほぐしてあげましょう。それでも落ち着かない場合は落ち着くまで無視してください。
緊張・不安状態
鼻にシワを寄せて、歯をむ剥き出しにしながらこちらを見つめてくる時は、緊張や不安を感じています。
犬の苦手な場所や嫌なことをしようとした時視線を感じた場合は、犬にとってストレスになるので無理に続けたりしないようにしましょう。
飼い主さんに見張っていてほしい
犬がトイレ中に飼い主さんを見つめる場合は「見張ってて!」という気持ちです。トイレは無防備ですぐ動けないので、もしトイレ中の愛犬が見つめてきたら近くで見張ってあげてください。
愛犬が目をそらすには理由がある
犬が目を合わせない時は、必ず何かの感情を伝えている時です。もし、恐怖やストレスのサインとして目を合わせていないのであれば、その原因を取り除いてあげることも大切。特に、いつも以上に叱りすぎてしまったと感じている時に、犬が目を合わせないと「こっちを見て!」とさらに叱ってしまいがちですが、これでは犬に大きなストレスを与えてしまいます。なぜ、犬が目を合わせないのか、その原因を考え、読みとってあげることが大切です。
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この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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