レークランドテリアってどんな犬種?歴史から特徴、性格、気をつけたい病気などご紹介
日本で見かけることが少ないレークランドテリア。実はキツネ狩りをする犬として活躍していたため、運動能力が高く陽気な性格をしています。そんなレークランドテリアとはどんな犬なのかでしょうか。
この記事では、レークランドテリアの歴史や体の特徴、性格、気をつけたい病気などについてご紹介します。もし、レークランドテリアを迎えたいとお考えの方は参考にしてください。
目次
レークランドテリアの誕生の歴史・ルーツ
犬の性格は、その犬種が誕生した目的に大きく関係しているので、歴史的背景を知っておくことが大切です。そのため、レークランドの誕生・活躍の歴史からご紹介します。
分類される犬種グループ
国際的な愛犬家団体のジャパンケネルクラブの犬種グループの中で、レークランドテリアは「第3グループ:テリア」に分類されています。
このグループには、小さな動物の狩りをしていた犬種が属しています。「テリア」とは、ラテン語で「穴を掘る」という意味で、巣穴にいるキツネなどの狩りにも用いられていました。
猟犬としての能力を重視して交配・改良されていたので、グループに属するそれぞれの犬種は、活発で気が強い、嗅覚が優れているなどの共通した特徴を持っています。
活躍の歴史
レークランドテリアは、作業犬のテリア種の中で最も古い犬種です。もともとは、農家の作物を狙うイタチやキツネなどを追い払う役割をしていました。
しかし、キツネ狩りが娯楽として活発になってくると、猟犬としての能力を高めるために、ペドリントンテリアやフォックステリアなどと交配し、猟犬としての能力が注目されるようになっていきます。
そんなレークランドテリアは20世紀になると犬種の固定化が進められ、1912年に「レークランドテリア」という犬種名がつけられました。1921年にイギリスで公認犬種となり、1934年にはアメリカでも公認犬種として登録されました。
名前のルーツ
レークランドテリアは、イギリスの湖水地方で誕生した犬種です。そのため、生み出された土地が犬種名の由来となっています。
レークランドテリアの外見の特徴
レークランドテリアは日本であまり見かける機会がないので、どんな外見をしているのか知らない方もいるかもしれません。ここでは体のサイズや被毛など、外見の特徴について見ていきます。
適正体重・標準体高
レークランドテリアは、体高が37cm前後、体重7〜8kgほどの小型犬です。体長と体高がほぼ同じ長さをしているスクエア体型で、足は長めです。狩猟犬として改良されてきたため、比較的丈夫な体質で体全体に筋肉がしっかりついています。
被毛の特徴
レークランドテリアの被毛は、他の犬種とは違うテリア種ならではの性質をしています。どんな特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。
コートタイプ
皮膚を守る役割の太くしっかりしたオーバーコートと、保温性が高くて柔らかいアンダーコートが生えているダブルコートです。ワイヤーヘアと呼ばれる、硬くてゴワっとした手触りの毛質をしています。
抜け毛は多く、アンダーコートが生え変わる換毛期は、さらに抜け毛の量が増えます。
代表(標準)毛色
毛色はブラック、レバー、ブラック&タン、ブルー、レッドなどたくさんの種類があります。
お手入れ方法と注意点
抜け毛が体についたままだと、被毛が蒸れて皮膚疾患を引き起こすことがあるので、毎日ブラッシングをしてあげましょう。
また、定期的にトリミングもする必要があります。ハサミやバリカンを使って切ることもできますが、ワイヤーヘアをキープしたい場合は、トリミングナイフで毛を少しずつ抜いて、新しい毛を育成させる「プラッキング」をしましょう。
レークランドテリアのワイアヘアは、ハサミやバリカンで切ってしまうと毛が柔らかくなってしまい、本来のテリアらしいワイヤーヘアに戻るまで時間がかかります。また、毛色も退色してしまいます。
プラッキングをすると毛色の退色や毛質の変化を防げるだけでなく、毛艶がよくなるといったメリットもあります。
ここがチャームポイント!
つぶらな瞳の親しみのある優しい顔立ちで、ぬいぐるみのようなかわいらしい外見は、レークランドテリアの大きなチャームポイントです。
また、見た目はおとなしそうに見えますが、実は勇敢な性格をしています。そんなギャップも魅力の1つです。
レークランドテリアの性格の特徴
犬を育てるにあたって、事前にしっかり理解しておきたいのが性格の特徴です。レークランドテリアはどんな性格の犬なのかを覚えておきましょう。
陽気で友好的な性格
レークランドテリアは陽気で、危害を加えないとわかった相手に対しては友好的に接することができる性格です。
また、猟犬として活躍していたことから活動的で、じっとしているのが苦手です。運動能力が高く、飼い主と遊ぶことが好きなので、一緒に遊んで絆を深められるでしょう。
気が強く、怖いもの知らずな一面も
気が強くて怖いもの知らずな一面もあります。怒っている犬に対して臆さずに向かっていったりすることもあるので注意が必要です。
また、飼い主に対しては忠実で愛情深く接してくれますが、知らない人に対しては警戒心が強いので、気の強さと相まって攻撃的な態度を取ってしまうこともあります。
こんなしつけが必要
猟犬としての気質を現在も持っていることから、レークランドテリアのしつけは大変なほうです。そのことを踏まえ、必要なルールをしっかりと教えていきましょう。
犬のとっさの行動を止められるようにしておく
猟欲が強いため、猫や鳥などの小さな生き物を見ると、追いかようとしてしまうところがあります。急に走り出してしまうと通行人に怪我を負わせてしまったり、犬自身がバイクや車などにぶつかったりする恐れがあり非常に危険です。
そのため、「マテ」や「オスワリ」を覚えさせ、どんな状況でも犬の行動を制止できるようにしておきましょう。
リーダーシップを取って根気よく行う
気が強くて頑固なうえ、叱られてもめげないので、やってはいけないことをしたときは、「ダメ!」とピシッと伝え、主導権が飼い主にあることを覚えさせましょう。そして、指示に従えたら、その場でたくさん褒めてあげてください。
飼い主がリーダーシップを取ってしつけをしないと、自分で判断して行動しようとするところがあるので、毅然とした態度で接することが大切です。
思い通りにならないこともあるかと思いますが、レークランドテリアには頭のよさも備わっているので、とにかく根気よく取り組んでいきましょう。
レークランドテリアの平均寿命と気をつけたい病気
ここでは、レークランドテリアの平均寿命と気をつけたい病気について見ていきましょう。
平均寿命
レークランドテリアの寿命はだいたい12〜16歳です。寿命は一概には言えず、生活環境や遺伝的要因などにより変わります。寿命を延ばすためには、生活環境を清潔に保つ、適度に運動をさせる、バランスの取れた食事を与えて体重管理をするなどを心がけましょう。
気をつけたい病気
レークランドテリアがかかりやすい病気としては、以下が挙げられます。
レッグペルテス病
レッグペルテス病は、骨盤と太ももを繋げる大腿骨頭に血液が循環せずに壊死していく病気です。大腿骨頭に痛みがあるため、足を上げる、引きずるなどの症状が見られます。
治療法は内科療法と外科療法があります。内科療法では鎮痛剤などの内服療法、レーザー療法、運動制限など、外科療法は大腿骨頭を切除する手術を行います。出ている症状により異なりますが、内科療法で改善が見られない場合に、外科療法に移行することが多いです。
原因はわかっていないため、予防することも難しい病気です。手術をする場合は、費用や入院期間だけでなく、自宅でのケアや通院、リハビリの有無などをかかりつけの獣医師とよく相談してから決めるようにしましょう。
フォンヴィルブランド病
フォンヴィルブランド病は、血が止まりにくくなる、出血しやすくなる病気です。止血に必要なフォンヴィルブランド因子というタンパク質が減少、もしくは働かなくなることにより血が止まりにくくなります。
主な症状は、鼻や歯茎からの出血や手術後や外傷による出血が止まらない、止まりにくいなどです。失血状態になってしまうと命にかかわることもあるため、手術を行うことや外出先での怪我など生活面で注意が必要です。この病気と上手に付き合っていくことが重要になります。
緑内障
緑内障は、目の中に存在する眼内液の増加により、眼圧が上昇してしまう病気です。発症すると散瞳や充血、水晶体の脱臼、視覚障害などの症状が見られます。
治療法は点眼投与や内服投薬などの内科療法と、手術による外科療法があります。緑内障は眼科疾患の中でも緊急性の高い病気なので、目に異常があればできるだけ早く動物病院を受診しましょう。
レークランドテリアは陽気で元気いっぱいの犬種
レークランドテリアはとても陽気で、一緒に過ごすと気持ちが明るくなるような性格をしています。また、運動が大好きなので、犬と一緒に遊んだり出掛けたいという方にもおすすめの犬種です。
ただし、テリア種ならではの気が強い性格も持っているので、しつけは苦労することも多いです。何度も繰り返し教えることによりしっかり覚えてくれるようになるので、根気よく向き合ってあげてくださいね。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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