犬が怪我をしたときの応急処置方法|怪我予防に有効なグッズも紹介
もしも愛犬が怪我をしてしまったら、どんな応急処置をすべきかきちんと把握していますか?
何もせずに放置していると、悪化して愛犬を長く苦しませることになってしまいます。
最悪の場合、死に至ることもあるので、怪我をしたときに適切な応急処置をすることはとても大切です。
そこで今回は、怪我の種類ごとに適切な応急処置のやり方についてご紹介していきます。
過去に怪我をさせてしまった経験から「痛がる姿が可哀想だったから、もう怪我をさせたくない!」と考えている飼い主さんもいるでしょう。
この記事を読めば、ワンちゃんが怪我をしやすいシチュエーションや予防策もわかるようになっていますので、参考にしてみてくださいね。
目次
犬によくある怪我の原因と応急処置の方法
犬は人間のように靴を履いていないので、散歩中に擦り傷や切り傷などの怪我をすることがあります。
また、ジャンプの失敗やほかの犬との喧嘩など、怪我をする場面はさまざまです。
ここでは、犬によくある怪我の原因と応急処置の方法を紹介します。
擦り傷や切り傷の場合
犬は散歩中に靴を履かないので、落ちているガラスの破片で足を切ってしまうことがあります。
また、犬と一緒に猫も飼っている場合は、猫に引っかかれて切り傷や擦り傷になってしまうこともあります。
切り傷・擦り傷を軽く見て放置していると、感染症を引き起こしたり、膿んで細胞が壊死したりする可能性があるので危険です。
そのため、以下の手順で適切な応急処置を実践するようにしましょう。
- 傷口を水道水でよく洗い、血とばい菌を洗い流して清潔にする
- 血が出ている場合は、清潔なガーゼを当てて止血する
- ほかの動物に噛まれたり引っかかれたりして怪我をした場合は、すぐに動物病院へ行く
特に、猫に引っかかれた場合は感染症になる恐れがあるので、すぐに傷口を水で洗い、動物病院へ連れて行きましょう。
骨折・脱臼の場合
ソファーやベッドから飛び降りたとき、走っていて転んだときなどに怪我をしてしまうことがあります。
骨折や脱臼などの怪我は見た目ではわかりにくいので、処置が遅れがちです。
しかし、肋骨を骨折すると、折れた骨が臓器を損傷する恐れがあるので、すぐに病院へ連れて行く必要があります。
怪我に早く気が付くためには、以下のようなワンちゃんの痛がるサインを見逃さないようにすることが大切です。
- 歩き方がぎこちなくなる
- 怪我をした患部を庇うような歩き方や座り方をする
- 抱っこをすると嫌がる・痛がって鳴く
病院に行くまでの間に自宅でできる応急処置は、患部が動かないように添え木をし、包帯で血流を止めない程度に固定することです。
ですが、どこを怪我したかが分かりにくいこともあります。
もしも患部が分からない場合は、無理に動かさずにそっとケージに入れて、動物病院に連れて行きましょう。
誤飲・誤食をした場合
特に子犬は、ごみ箱のイタズラや、観葉植物を噛んでイタズラすることが多いですよね。
ごみ箱のイタズラは、人間にとっては無害な食べ物でも、犬にとっては中毒性のあるものも捨てられているので要注意です。
危険な物 | 誤飲による怪我・病気の症状 |
---|---|
コーヒー粕 | カフェイン中毒による下痢・嘔吐・神経障害を起こす |
ネギ類 | 犬の赤血球を破壊するため貧血になる・多量に食べると死に至る |
チョコレート | 神経や心臓に悪影響がある |
焼き鳥の櫛などの尖ったもの | 食道や消化器官を傷つける |
毒性のある観葉植物 | 中毒による嘔吐・下痢・神経障害を起こす |
糸くずや靴紐など | 喉を詰まらせる・腸閉塞になる |
もしもネギ類やチョコレートなどを誤食してしまったら、速やかに動物病院へ電話をかけましょう。
その際に、「いつ・何を・どのくらい食べてしまったか」をあらかじめ伝えておくと、病院では胃の洗浄器具などを準備しておくことができます。
また、紐類を誤飲したときも消化できないので、病院での処置が必要となります。
誤飲したものを吐き出させようとして犬を逆さまにしたり振ったりしてはいけません。
食道を傷つけてしまう恐れがあるので大変危険です。
やけどの場合
こたつやストーブ、電気ポットの転倒による火傷のほか、夏場は熱くなっているアスファルトによって火傷をすることがあります。
火傷をしてしまった場合は、すぐに冷やすことが大切です。
水を嫌がる場合は、濡らした冷たいタオルや氷のうを優しく当てて冷やしましょう。
火傷は、皮膚のどのくらいの深さまで損傷しているかの判断がつけにくいため、動物病院で診てもらう必要があります。
ほかの犬に噛まれた場合
散歩中やドッグランで遊ばせているときに、ほかの犬と喧嘩をして噛まれてしまうことがあります。
ほかの動物に噛まれた場合は、感染症や病気を移されるリスクが高いので、すぐに傷口を水道水でよく洗い、止血してから念のため動物病院に連れて行きましょう。
犬の怪我を放置するとどうなる?
犬の怪我を見て「たいしたことはないだろう」と思うことがあるかもしれません。
しかし、怪我を放置してしまうと悪化する可能性があります。
悪化するとどうなるのか、具体的に見ていきましょう。
化膿する
傷口は放置していると菌が繁殖して化膿していき、細胞が壊死してしまうこともあります。
特に足の怪我は歩けなくなってしまう原因にもなりますので、絶対に放置してはいけません。
病気になる
怪我を放置していると、破傷風菌に感染する危険性や、外傷が原因で白内障になる可能性があります。
破傷風菌に感染すると筋肉硬直が起こり、食欲不振や呼吸困難、発熱などの症状を引き起こします。
治療には動物病院での抗菌剤の投与や抗毒素血清の投与が必要です。
放置しすぎて進行すると、治療自体が難しくなります。
白内障はシニア犬の病気だと思っている人も少なくないですが、外傷でなることもあるので要注意です。
白内障は進行すると失明してしまうため、目の周りや顔をぶつけて白目が赤くなってしまった場合は放置せず、念のため動物病院で診てもらうようにしましょう。
犬が怪我をしやすいシチュエーション
愛犬が怪我するのを少しでも予防するために、犬が怪我しやすいシチュエーションをあらかじめ知っておきましょう。
怪我しやすいシチュエーションは大きく4つあります。
散歩をしているとき
怪我しやすい場面の一つ目は、散歩中です。
散歩中の怪我は、ハチに刺されて怪我をするケースや、鳥を追いかけて急に走り出したときに脱臼するケースなど予想ができません。
散歩は愛犬の心身の健康のために欠かせない習慣ですが、思わぬ怪我をすることがあると意識しましょう。
室内で遊んでいるとき
室内でも元気いっぱいに走り回るワンちゃんは多いです。
勢いあまって壁に激突したり、家電製品のコードを足に引っ掛けて物が倒れたりして怪我をするケースがあります。
ドッグランで遊んでいるとき
ドッグランはワンちゃんにとって、思いっきり走り回れるとても楽しい場所です。
ですが、はしゃぎすぎて肉球がすりむけてしまうこともあります。
ドッグランでの怪我は、ほかの犬との喧嘩よりも足の擦り傷や切り傷などの怪我をする子が多いかもしれません。
ほかの犬と同じ空間にいるとき
犬同士も人と同様、相性があります。
「犬はお互いのにおいを嗅いで挨拶をする」というのを知っている飼い主さんも多いですよね。
そうすると、散歩中にほかのワンちゃんに近づいていく愛犬を、挨拶するのかな?と止めない飼い主さんも多いでしょう。
ですが、相性が悪いと喧嘩してしまい、被害者ではなく加害者になることも十分あり得ます。
犬が怪我したところをなめている!やめさせるべき?
怪我したところをなめる理由
犬が怪我したところをなめるのは、傷口をきれいにしようとしているからだといわれています。
また、なめるという行為が犬にとって安心感を与えるので、いたむところや気になるところをなめているという説もあります。
傷口をなめるリスク
傷口からは自然治癒力のあるしょう液が分泌されますが、このしょう液をなめとってしまうと傷の直りが遅くなってしまいます。
傷が気になってなめ続けてしまうと、傷の直りが遅いだけでなく、炎症を起こしてしまうこともあるので、できるだけなめさせないようにする工夫が必要です。
なめるのをやめさせる方法
愛犬が怪我している部分をなめるのをやめさせる方法は、以下の3つあります。
- エリザベスカラーを使う
- 洋服を着せる・または靴下を履かせる
- 傷口を保護する
それぞれ詳しく紹介します。
エリザベスカラーを使う
エリザベスカラーは、犬の首に円盤状のガードをつける保護具です。
病院では一般的にプラスチック製のものを着けられることが多いです。
しかし、犬にとっては不自由だったり重かったりしてストレスがあります。
長期的な治療になる場合は、軽いクッション製のエリザベスカラーを選ぶと、愛犬の負担を減らせるでしょう。
洋服を着せる・または靴下を履かせる
どうしてもエリザベスカラーを嫌がる、日常生活のなかで怪我をした部位が擦れてしまう、という場合もあるでしょう。
その場合は、洋服を着せたり、靴下を履かせたりしてなめるのを防止することもできます。
ただ、服の隙間からなめてしまう、服が気になって自分で脱いでしまうということもあり、すべての犬に有効とは限りません。
傷口を保護する
傷口を包帯で保護することは、なめるのを防止するだけでなく、化膿した傷口や火傷の痛みを和らげることが可能です。
薬をなめとってしまうことも防止できるので便利ですが、傷口の分泌液で包帯が汚れるため、こまめな交換が必要となります。
犬の怪我を予防する方法
この項では、愛犬が怪我するのを防ぐ具体的な方法を解説します。
散歩中やドッグランで目を離さない
散歩中に出会ったよその犬と喧嘩をしても怪我をさせないように、リードは短く持ち、ワンちゃん同士が興味を持っているようなら少しずつ近づくようにしましょう。
もしも怪我をさせてしまった場合は、相手へ連絡先を教え、何かあったときにすぐに対応できるようにしておくのもマナーです。
家の中の環境を整える
家の中の環境を整えるためにできることは、以下のとおりです。
落下予防をする
落ちてきて怪我をするほど硬いもの・重いものは、高い場所には置かず、滑り止め防止マットを敷くのがおすすめです。
また、電気ポットやストーブなどの火傷をする可能性がある電化製品のコードの扱いに困っている飼い主さんも多いでしょう。
一束にまとめて壁に沿わせるようにすると、ワンちゃんが足を引っかけずに済みますよ。
床で滑らないようにする
家の中を走り回って転んで怪我をすることや、落下したものの衝撃を吸収するためにラグやマットを敷くのも怪我防止に有効です。
また、足の裏にも毛が生える犬種の場合は、滑らないように定期的にカットしてあげることも大切です。
ゴミ箱にはフタをつける
ごみ箱には犬が中毒を起こすごみが入っている可能性もあります。
簡単に中身を取り出せないように、蓋つきのごみ箱を使い、できるだけ犬の届かない場所に置くようにしましょう。
小物類を放置しないようにする
犬は賢いので、食べ物じゃないものをわざと食べることはありません。
しかし、イタズラに夢中になっているうちに小さいものを誤飲してしまう恐れがあります。
アクセサリーや小さいおもちゃは犬の手の届く場所には置かず、「使ったら片付ける」というルールを徹底しましょう。
犬の怪我予防に便利なグッズ
ドッグステップ
足腰の弱っている老犬や、足の短い犬種はソファーなどの上り下りで怪我をする危険性が高くなります。
そのため、落下を防ぐためにドッグステップがあると安心です。
組み方を変えればマットにもなるものや、小さくたためるものもあるので、活用してみてください。
ペットマット
ペット用のマットは、フローリングやタイルなどの滑りやすい床の上で生活させるときの転倒による怪我防止に活躍します。
爪が割れるのも防いでくれるので、フローリングにケージを置くときに敷くとよいでしょう。
ドアロック
せっかく危険なものを犬から離して別室で管理しているのに、器用に部屋のドアを開けて侵入し、イタズラをしてしまう子もいますよね。
そんな賢いワンちゃんには、ドアロックがおススメです。
ドアノブにかけるだけでワンちゃんが開けられなくなるので、ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
もしもの怪我のときにどのような応急処置をすべきなのか、普段からどんな対策をしておいた方がいいのかをご紹介しました。
犬は言葉を話せないので、怪我をしていても「痛い」と訴えることができず、飼い主さんが気付くのに遅れてしまうことがあります。
ですから、常に注意深く観察し、おかしいな?と思ったら適切な処置をすることがとても大切です。
ご紹介した応急処置の方法をしっかり覚えて、愛犬のもしものときに慌てず対処できるようになりましょう。
この記事のライター
ao
幼少期から犬に囲まれて生活してきました。その経験の中で得た知識をみなさんに発信していきたいと思います。
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