【獣医師監修】犬が遠吠えをする理由|遠吠えの意味と対策
犬が本能的な行動として行う「遠吠え」。自宅のベルや夕方のチャイムが聞こえると遠吠えをする子がいますよね。 自分の居場所を仲間に知らせる、コミュニケーションを図っているとも言われますが、実は他にも理由があります。住宅事情のことを考えて遠吠えをやめさせたいと考えている方がいる一方で、小型犬が遠吠えする動画が人気を集めるなど、犬の遠吠えに対する見方も様々です。
そこで今回は、犬が遠吠えをする理由や心理状態などを詳しく解説していきます。
犬の気持ちが隠されている?遠吠えをする理由とは
遠吠えと聞くと、真っ先に思い浮かぶのがオオカミではないでしょうか。 オオカミを祖先に持つ犬は、その頃の名残で遠吠えするとも言われています。
ただし、他にもいろいろな理由や心理状態が隠されているので、さっそく見ていきましょう。
【1】ストレスを感じている
犬は、遠吠えすることでストレスを発散していると言われています。例えば雨でなかなか散歩に行けなかったり、留守番が続いてしまったり、狭いケージの中に長時間いたりするとストレスの原因になります。それらが引き金となり遠吠えすることが考えられます。
人間も同じように大声を出したり、カラオケで思いっきり歌ったりすることがありますが、それと同じなのかもしれませんね。
【2】老犬の場合には認知症も
シニア期を迎えると、人間と同様に犬も体や脳の機能が衰えはじめ、中には認知症を発症することもあります。特に、柴犬が認知症になりやすいと言われることがありますが、そのほかの犬種でも発症するケースが見られます。
症状が進行すると、昼夜逆転・ぐるぐる歩き回る・呼びかけに反応しないなどといった様子が見られるのが特徴です。また、飼い主さんが側にいないと、気配を感じられないことから寂しさや不安を感じて遠吠えすることもあります。
【3】救急車のサイレンなどの音に反応する
救急車やパトカーなどのサイレンの音が聞こえると遠吠えする犬もいます。犬の遠吠えの周波数がサイレンの音と似ており、仲間の声だと勘違いをして遠吠えするようです。
また、サイレンの音を聞くと飼い主さんや仲間と引き離されると不安を感じることから、遠吠えするという考え方もあります。
その他にも嫌な音だから嫌い、好きな音だから一緒に参加したいという音の好き嫌いの意思表示をしている場合もあるかもしれません。
【4】コミュニケーション
窓の方を見つめながら遠吠えをしている場合、オオカミの習性と同様に、仲間の犬とコミュニケーションを取っている可能性があります。 犬は聴覚に優れた生き物であるため、私たちが聞き取ることができない音も聞き取ることができます。
また、自分の縄張りを敵から守るために遠吠えするとも考えられており、犬の遠吠えが連鎖することがあるのは、それぞれの犬が自身の縄張りを主張しているからかもしれません。
【5】寂しい・不安だから
コミュニケーションをとるだけではなく、時に自分自身の心理状態を「遠吠え」という形で表現していると言われています。
そもそも犬は群れを作り生活をしていた動物であるため、家族から離れて孤立してしまうと不安や孤独な気持ちになってしまうこともあるため、寂しい・不安といった気持ちを遠吠えで解消しているようです。
また、夜間に遠吠えする場合は、明るかった部屋が暗くなりさらに静かになることで、不安や寂しさを感じてしまうという原因が考えられます。
遠吠えをやめさせる方法は?
犬にとってみれば問題ない行動であっても、私たち人間社会で生活をする以上、犬の遠吠えは問題行動として捉えられてしまいます。 それでは、一体どのようにして遠吠えをやめさせれば良いのでしょうか。コミュニケーションを取っている場合は、すぐに治まることが多いのでそれほど気にすることはないのですが、問題なのはストレスや不安、寂しさなどの心理的な状態や病気が原因の場合です。
病気が原因の場合
認知症になっている場合は、夜中に遠吠えすることが多いと言われています。生活に支障をきたされた飼い主さんは、ついつい怒ってしまうこともあるかもしれませんが、それは効果的ではありません。
獣医師さんとしっかり相談しながら、生活環境の工夫などを行い、歳をとった愛犬が安心して眠れるようにしてあげましょう。
また、体に痛みがある場合も遠吠えすることがあります。場合によっては骨折やヘルニアといった病気が隠れていることもあるため、注意が必要です。
ストレスや不安・寂しさが原因の場合
ストレスや不安・寂しさを感じていることが原因で遠吠えをしている場合、ストレスなどの元となる要因を取り除くことが大事です。
対策としては、ストレスを発散するために、散歩に出かけたり室内遊びを充実させたりすること、留守番をさせる際には安全に遊べるおもちゃを与えたりすることなどが挙げられます。
ストレスや不安が軽減されれば、遠吠えはしなくなることが考えられます。
遠吠えを改善するためにはまず原因を知りましょう
犬の遠吠えは日頃そんなに多く見られるものではありませんが、その原因はさまざまです。音などに反応する一過性のものから、不安やストレスからくるもの、認知症からくるものなど、それぞれの原因によって対処法が異なります。
原因によって環境を整えたり、留守番を減らしたり、スキンシップを増やしたりして対応しましょう。遠吠えには、愛犬に「私たちはいつも君のそばにいるよ」という安心感を与えてあげることが一番の対処法です。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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