【ことわざ】『犬馬の労』の由来って知ってる?気になる意味や例文、類義語も紹介
皆さんは「犬馬の労」ということわざをご存知でしょうか?世の中には、『犬』という言葉を使った慣用句やことわざがたくさんあります。愛犬家のマメ知識として犬にまつわるいろいろな言葉の知識を蓄えておきましょう!
この記事では、『犬馬の労』ということわざについて、その意味や由来、使い方などをご紹介します。
『犬馬の労』ってどんな意味?
『犬馬の労』とは、主君や人のために力を尽くして働くことを謙遜して言う言葉です。
自分の労力は惜しまずに、尊敬する人のために尽力するという意味になります。自分自身を『犬馬』に例え、へりくだることで、相手への尊敬の念を表し、その人のために自分の労力を惜しむことなく働くということですね。
犬馬って?
犬馬とは、その字の通り『犬』や『馬』のことを指しています。
犬は昔から飼い主に従順である動物の象徴として、ことわざや慣用句などに使われてきました。また馬も、人や荷物を背中に乗せるなどして、私たち人間のために働いてきたという長い歴史があります。
『犬馬の労』は、君主に忠実に仕える犬や馬のように、仕える人のため労を惜しまず働くという意味の言葉です。
犬馬のもう1つの意味
上記でご紹介した意味のほかにも、『犬馬』にはもう1つの意味があると言われています。
愛犬家の私たちにはとても納得しかねる意味ではありますが、『犬や馬のように卑しいもの』という意味もあるようです。
自分をへりくだって使う言葉ということから、このような意味になったと考えられます。
『犬馬の労』の気になる由来
三国志でおなじみの、三国時代に諸葛孔明が劉備玄徳に出仕を承諾した故事が由来だとされています。つまり、君主である劉備に対して諸葛亮が『犬馬の労をいとわず』尽力したということですね。
三国志に詳しい方なら諸葛亮のその働きぶりに、この言葉がピッタリと当てはまると感じられるかもしれません。
『犬馬の労』の使い方
『犬馬の労』は、単体でそのまま使うというよりは『犬馬の労をいとわず』や『犬馬の労をとる』などといった使い方をします。
それぞれを使った例文をご紹介します。
『~をとる』
憧れの動物写真家のアシスタントになりました。撮影場所の下調べや機材の準備など、先生が素晴らしい写真を撮れるよう、犬馬の労をとる覚悟で働きます。
『~いとわず』
いつもお世話になっている動物病院の先生が中心になって、動物愛護団体を立ち上げることになりました。私もそのメンバーの一員として犬馬の労をいとわず、活動のお手伝いをさせていただきたいと思っています。
『犬馬の労』に似ている意味の言葉
犬馬の労の類義語として、『薪水の労』や『汗馬の労』という言葉があります。
こちらも犬馬の労と同じく、「骨身を惜しまず働くこと」という意味で使われますが、若干ニュアンスが違います。
『薪水の労』の意味と使い方
『薪水の労(しんすいのろう)』とは、人に仕えて日常の雑務などに骨身を惜しまず働くことを意味します。薪水とは、炊事などの労働のことで、下記の『汗馬の労』が戦場などでの尽力に対し、こちらは炊事など日常生活で支えるというニュアンスになります。
使い方も『犬馬の労』と同じく、「薪水の労をとる」などと使います。
『汗馬の労』の意味
『犬馬の労』と一文字違いの『汗馬の労(かんばのろう)』には、大きく2つの意味があります。
馬を駆って戦場で奮闘した功労
1つめは、馬に汗をかかせるほど走らせたり、駆け回ったりして、その結果として手にした戦功や軍功という意味です。
奔走の労
2つ目は、物事をまとめる時などに、かけまわる苦労を表します。
こちらの方が『犬馬の労』の意味に近いかもしれませんが、犬馬の労が尊敬する人や目上の人に対して使う言葉なのに対して、こちらは特に苦労を捧げる相手を断定せずに使います。
犬にまつわることわざを覚えて使ってみよう
現代社会においては、なかなか『犬馬の労をとる』という場面は少ないかもしれません。そのため、『犬馬の労』という言葉自体を日常生活で使うことはあまりないとは思いますが、覚えておけば周りから一目置かれること間違いなしです!ミニ知識としてぜひ覚えてみてくださいね。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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