【獣医師監修】犬の心拍数の正常値とは?心拍数の測り方と数値が異常な場合に考えられる原因
みなさんは愛犬の心拍数がどれくらいか、把握されていますか?自信を持って『〇回です!』と言える飼い主さんは意外と少ないのではないでしょうか。愛犬の心拍数を把握しておくことは、健康管理に大いに役立ちます。
今回は、犬の心拍数の正常値と、心拍数の測り方、また異常値になる原因についてご紹介します。愛犬の健康のためにぜひご一読ください。
犬の心拍数の正常な回数とは
犬の心拍数の正常値は、60回〜180回ほどと言われています。ずいぶん数字に開きがあるなと感じる方もいらっしゃるかもしれません。 心拍数は身体の大きさや年齢によっても変わってくるので、上記のように大きな開きが生じてしまうのです。 一般的に成犬よりも子犬の方が心拍数が多く、大型犬よりも小型犬の方が多くなっています。
心拍とは?
心拍数の『心拍』というのは、1分間に心臓が拍動(ドクンドクンと収縮運動をおこなうこと)する数のことです。 心拍数と似たような表現として脈拍数というのもありますよね。では、『心拍数』と『脈拍数』はどう違うのでしょうか? 脈拍というのは、心臓の拍動が動脈を通じてあらわれたものです。よって、通常は心拍数と脈拍数はほぼ同じ数になるのですが、不整脈などが原因で動脈へ拍動がうまく伝わらない場合には、心拍数と脈拍数に違いが出てしまうこともあります。
ほかの動物の心拍数は?
動物の心拍数は、一般的に身体の大きさと関係があると言われています。身体が小さいほど心拍数は多い傾向にあり、犬よりも身体の小さな猫の心拍数はおよそ100回〜240回ほどと言われています。一方、犬よりも身体の大きい私たち人間の心拍数は犬よりも少なく、およそ60回〜100回ほどです。
犬の心拍数、脈拍数の測り方
それでは、実際に愛犬の心拍数を測ってみましょう。
心拍数の測り方
心拍数を測るには、愛犬の心臓の位置に手を当ててその動きをカウントします。心臓の位置は、フセをした状態で愛犬の左前足の肘が当たる場所の付近にあります。左肘の下の位置に手を差し込むと心臓の鼓動を感じられるはずです。
それでもよく分からなければ、愛犬がリラックスしているときに、左胸あたりに直接耳を当てて音を聞いてみてください。小型犬なら抱っこした状態で左胸の心臓の位置に手を当てて測ることもできます。
脈拍数の測り方
脈拍数を測るなら、後ろ足の内側の付け根部分に指を2本当ててみましょう。ドクドクと脈を打っているのが感じられると思います。 心拍数も脈拍数も1分間で測るのが望ましいのですが、愛犬がじっとしていられない場合には15秒分の数を数えて×4をしてもOKです。
犬の心拍数が速い場合に考えられる原因
心拍のリズムが不規則だったり、規則的でも正常値よりも速かったり遅かったりすることを『不整脈』と言います。 そして、心拍数が正常値よりも早い症状のことを『頻脈』と呼びます。頻脈の主な原因は下記の通りです。
飼い主さんにもわかりやすい原因
運動後や興奮した時などには当然、心拍数も上がります。また、痛みがある時や発熱がある時などにも心拍数が上がる傾向にあるので、愛犬の様子をよく観察して普段と様子が違う、どこか調子が悪そうなら早めに病院を受診しましょう。
わかりにくい原因|病気の可能性
上記以外にも頻脈の原因と考えられるのは、
- 心不全
- 貧血、低酸素症
- 敗血症
- 薬の作用
など、さまざまです。
飼い主さんにはなかなか判断できないものと思われます。少しでもおかしいなと感じたら、迷わず病院へ相談しましょう。
犬の心拍数が遅い場合に考えられる原因
『頻脈』とは逆に、正常値よりも遅い心拍数は『徐脈』と呼ばれており、下記のような原因が考えられます。
徐脈の主な原因
- 洞不全症候群などの心臓疾患
- 甲状腺機能低下症などの代謝性疾患
- 低体温症
など、こちらもさまざまな原因が考えられます。また、年齢を重ねるごとに心拍は遅くなる傾向にあるので、シニア期に入ると心拍は徐々に遅くなってきます。
愛犬の心拍数の正常値を把握し、病気の早期発見を
愛犬の心拍数を知ることは、目に見えない病気の早期発見に役立ちます。まずは安静な状態で愛犬の心拍数を測り、その正常値を把握して、あとで確認できるように記録をつけておくことから始めましょう。毎日のスキンシップも兼ねて、愛犬の身体に触れながらいつもと違うところはないかを日々チェックしてあげることが大切です。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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