犬の毛が抜ける原因と対処法!換毛期やおすすめの抜け毛掃除も紹介
犬には被毛が生え変わる換毛期があります。換毛期は1年に2回あり、抜け毛の量が増えるのが特徴です。換毛期になると、愛犬の抜け毛の処理に頭を悩ませる飼い主さんも多いでしょう。また、抜け毛の原因が病気によるものではないかと不安になることもあるかもしれません。そこで、この記事では犬の毛が抜ける原因と対処法について解説します。
目次
犬の毛が抜ける原因と対処法
犬の毛が抜ける主な原因として、換毛期と病気があります。
換毛期の抜け毛は心配いりません。
しかし、病気が原因の場合は早めの対処が必要です。
原因について以下で詳しく紹介します。
原因①:換毛期
換毛期は犬の被毛が生え変わる時期のことです。
犬の換毛期は季節の変わり目である、夏と冬の前の2回訪れます。
夏前は被毛を減らし夏の暑さに備えます。
冬前は夏の被毛から冬の被毛に生え変わることで冬の寒さに対応します。
換毛期は人間でいう衣替えといえるでしょう。
換毛期の期間は10〜20日間続くのが一般的です。
ただし、地域や犬によって差があるので、期間は一律ではありません。
原因②:換毛期以外
換毛期以外の脱毛は、病気が原因かもしれません。
以下は抜け毛の症状が多くみられる4つの疾患です。
少しでも気になる場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
感染症
犬の抜け毛の原因に、ノミやダニなどの寄生虫による感染症があります。
散歩中に草むらで感染したり、ほかの犬と接触したりすることが主な原因です。
症状は抜け毛のほかに赤い発疹が現れます。
これらの症状が見られた場合には、動物病院で病原を特定し、かゆみ止めを処方してもらいましょう。
アレルギー性
脱毛がともなうアレルギー性疾患には、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの2つがあります。
どちらも体質が影響する場合が多く、発症は3歳未満の子犬に多いです。
根治は難しいので、獣医師の指導を受けて症状改善を目指すことになります。
ホルモン性
脱毛がともなうホルモン性疾患は主に2つあります。
副腎皮質の過剰なホルモン分泌によるクッシング症候群と、甲状腺の機能低下による甲状腺機能低下症です。
脱毛以外にも、皮膚が黒ずんだり被毛がゴワゴワしたりする症状があります。
シニア期に近づいた成犬に多くみられます。
遺伝性疾患
遺伝性疾患は、被毛の色や犬種によって発症率が異なります。
詳しい原因は解明されておらず、予防が難しいのが現状です。
抜け毛をともなう代表的な疾患は4つあります。
①淡色被毛脱毛
淡色の被毛の犬におこります。
若い犬に多く、淡い色の被毛が脱毛するのが特徴です。
②黒色被毛形成異常症
複数色の被毛の犬におこります。
若い犬に多く、黒い被毛が脱毛するのが特徴です。
③パターン脱毛症
お腹の部分の毛が細くなったり、脱毛したりする疾患です。
ダックスフンド、チワワ、トイ・プードルなどが発症しやすいといわれています。
背中や足には脱毛がみられないのが特徴です。
④脱毛X(アロペシアX)
頭と足以外のからだ全体に脱毛が広がる疾患です。ポメラニアン、トイ・プードル、シベリアン・ハスキーなどの犬種が発症しやすく、去勢していない若いオス犬に多いとされています。
犬の換毛期を詳しく解説
犬の換毛期は、季節の変わり目に被毛が生え変わる時期をさします。
病気ではなく犬の生理現象の1つです。
換毛期が起こる時期
換毛期が起こるのは季節の変わり目です。
主に夏と冬を前にした、春と秋の終わりに訪れます。
つまり、通常の犬の換毛期は年2回ということです。
換毛期の期間は10〜20日間が一般的です。
開始時期には個体差があるため、多頭飼いしていても換毛期のタイミングが一緒とは限りません。
また、居住地域によっても差があります。
外の空気に触れる機会が少ない室内犬の場合、換毛期がわからないこともあるかもしれません。
温度が一定の環境にいるので、被毛の生え変わりを必要としなくなっていることが原因と考えられます。
換毛期がある犬種
換毛期がある犬種はダブルコートの犬です。
犬の被毛は上毛と下毛があり、上毛だけの犬をシングルコート、上毛と下毛の犬をダブルコートといいます。
換毛期はダブルコートの犬の下毛が生え変わる時期です。
下毛は密なので抜け毛が多くなったように感じるのでしょう。
ダブルコートで換毛期のある犬種は、ミニチュアダックスフンド、チワワ、ポメラニアン、柴犬、パグ、ラブラドールレトリーバー、ゴールデンコーギーなどが代表的です。
抜け毛を放置するとどうなるの?
犬の抜け毛を放置するとハウスダストの原因になったり、ノミやダニが発生したりします。
愛犬や家族に悪影響を与えることもあるので、注意が必要です。
どのような影響を与えるかは以下で解説します。
愛犬への悪影響
抜け毛を放置するとノミやダニが発生しやすくなるので危険です。
ノミやダニに噛まれてしまうとかゆみに襲われます。
その結果、犬が皮膚をかきむしってしまったり、皮膚が化膿したりしてしまうかもしれません。
また、ノミやダニが寄生することで感染症を発症してしまうこともあります。
重症化すると体重減少や貧血などの症状がでる場合もあるので注意しましょう。
人間への悪影響
犬の抜け毛はハウスダストの原因になるので、ハウスダストアレルギーの方は特に気をつけてください。
また、布団やソファーに抜け毛が付着し、ノミやダニが発生する原因にもなります。
ノミやダニに噛まれると皮膚炎になったり、ノミやダニの死骸でアレルギー疾患を発症したりすることもあるので気をつけましょう。
犬の効果的な抜け毛対策4選
愛犬の抜け毛を放っておくと健康に悪影響が出ます。
日ごろから愛犬の抜け毛対策をしておきましょう。
抜け毛対策として効果的な4つの方法をお伝えします。
ブラッシング
抜け毛対策の基本はブラッシングです。
ブラッシングをすることで部屋に抜け毛が落ちるのを事前に防げます。
ブラッシングは、抜け毛対策だけでなく、愛犬の皮膚トラブルも発見できます。
毛並みで健康状態の変化を把握できるだけでなく、発疹やフケ、ノミやダニの発見にも役立つでしょう。
愛犬がブラッシングを嫌がる場合は、最初にマッサージやスキンシップを十分にしてみてください。
シャンプー
毛穴の汚れは抜け毛につながります。
換毛期に限らず、シャンプーで皮膚を清潔に保ってあげましょう。
シャンプーの前にブラッシングを行えば、より効果的に汚れを落とすことができます。
また、シャンプー後はしっかりと水気を拭きとることが大切です。
ただし、シャンプーをし過ぎると皮膚の乾燥を促進する恐れがあります。
シャンプーは保湿効果のあるものを選び、多くても月に2〜3回までにしましょう。
トリミング
毛足の長い犬には、トリミングもおすすめです。
毛が長いとブラッシングでからまりやすかったり、シャンプーで汚れが落としにくかったりします。
毛の長さを短くすることで日ごろのお手入れがスムーズになり、抜け毛対策にもなります。
ただし、毛を短くすると皮膚トラブルが起きる可能性もあります。
紫外線が皮膚に届きやすくなるだけでなく、ノミやダニが寄生しやすくなるので短くする前にメリット・デメリットを確認しておきましょう。
服を着せる
犬用の服を着せることで抜け毛が飛び散るのを防げます。
カフェや公共の場を利用する際に、犬に服を着せるのはマナーの1つです。
家族にアレルギー体質の人がいる場合は、犬に服を着せると症状が軽減するかもしれません。
しかし、犬にとって服を着ることは大きなストレスです。
通気性を考慮し、季節に合った素材の服を選んでください。
また、何日も同じ服を着せるのは不衛生です。
こまめに洗濯をし、清潔な状態を維持しましょう。
ここに注意!抜け毛掃除のポイント
抜け毛の掃除にはポイントがあります。
換毛期の大量の抜け毛はコツをおさえて効率よく掃除しましょう。
家具の配置を工夫しよう
愛犬のいる部屋は、家具の配置を工夫しましょう。
できるだけ床の掃除が簡単にできるよう、家具を減らす、小物や雑貨を床に置かないなどの工夫ができます。
また、重たい植物はキャスター付きの台に乗せるとラクに動かせます。
お掃除する順番に気をつけよう
犬の毛は軽くて宙に舞いやすいです。
ほこりと同じで、抜け毛は部屋の隅にたまりやすくなっています。
掃除の際は、部屋の隅から中心に向けてきれいにしましょう。
家具や壁などは高いところから低いところへ掃除を進めることで、効率よく掃除ができます。
なるべくほうきや掃除機は使わない
犬の毛を掃除するときには、ほうきや掃除機をなるべく使わないようにしましょう。
犬の毛は軽いので、ほうきを使うと風で宙に舞ってしまいます。
掃除機で犬の抜け毛を吸い込むのもおすすめできません。
掃除機の風圧で犬の毛が舞うだけでなく、掃除機の中に犬の抜け毛がたまると臭いの原因になるからです。
抜け毛掃除の方法を場所別に紹介!
犬の抜け毛を掃除する際は、場所によって道具や手順を変えましょう。
ここでは、フローリングやカーペット、エアコンの掃除方法を紹介します。
フローリング
フローリングに落ちている犬の抜け毛を掃除するには、フローリングワイパーが最適です。
部屋の隅から中心に向かって抜け毛を集めると効率がよいです。
その際、窓を開けてしまうと風で犬の毛が飛び散ってしまうので、換気は抜け毛を取り除いてからにしましょう。
フローリングシートはドライタイプでもウエットタイプでも大丈夫です。
床の状態に合わせて選んでください。
カーペットやじゅうたん
カーペットやじゅうたんに落ちている犬の抜け毛を掃除するときは、最初に粘着ローラーで抜け毛を取り除いてください。
そのあと掃除機をかけると、掃除機の目詰まりや臭いを防ぐことができます。
それでも取り除けない抜け毛がある場合は、ゴム手袋や台所用スポンジなど摩擦力の強いもので擦るのがおすすめです。
エアコン
犬の毛はエアコンのフィルターに付着していることがあります。
犬の毛が付着したままエアコンを使用し続けると臭いが発生したり、エアコンの効きが悪くなったりします。
エアコンを使用する季節は、定期的にフィルター掃除をおこないましょう。
自分で掃除をするのが難しい場合は、業者に頼むこともおすすめです。
まとめ
ダブルコートの犬は年に2回換毛期があり、10〜20日間ほど毛がたくさん抜けます。
それ以外に脱毛がある場合は病気の可能性もあるので注意が必要です。
抜け毛は愛犬だけでなく飼い主の健康にも影響を及ぼすので抜け毛対策をきちんと行い、屋内の犬の毛はこまめに取り除きましょう。
この記事のライター
nana
泳ぎも走りも得意な運動神経抜群のゴールデンレトリバーと暮らしています!今は愛犬とタンデムサーフィンの練習中。いつまでもアクティブに楽しく過ごせるような情報を発信していきます。
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