介助犬の仕事内容が知りたい|活躍の場から向いている犬種まで
盲導犬、聴導犬と並んで人間社会を支える働く犬、介助犬。名前は聞いたことがあるけれど、どんな仕事をしているのかは分からない人も多いのではないでしょうか。法律は制定されたものの、日本ではまだまだ認知度が低く、介助犬が活躍できる場が少ないのが現状です。今回は、そんな介助犬の仕事内容や向いている犬種について紹介します。
介助犬ってどんな仕事をしているの?
介助犬とは手や足に障がいのある人の日常生活動作を手助けする犬で、使用者の精神的支えにもなります。安心して外出できたり、近所の人との会話が増えるなど社会とのつながりも深くなる二次的効果も期待できます。
0ヶ月から2ヶ月
ボランティアさんの家で生まれた子犬は、生後2ヶ月ほどまで母犬や兄弟姉妹たちと一緒に過ごします。この時期に犬同士の挨拶の仕方や、犬としてのふるまいを学びます。
2ヶ月から1歳
2ヶ月ほどになるとパピーホームボランティアさんの家に預けられます。ここではとにかく人が大好きになるよう、愛情たっぷりに育ててもらいます。トイレトレーニングやお留守番、人や犬との挨拶の仕方、乗り物体験、家族旅行などを経て、人間社会で生活するルールを学びます。
1歳から2歳
1歳をすぎると訓練センターに入所し、約1年間のトレーニングが始まります。介助犬となるための訓練は、センター内だけでなくスーパーや飲食店、映画館、電車、バスなど様々な環境を体験します。無理なく自然に仕事をこなせるようにトレーニングが行われます。
約3ヶ月ごとに、複数トレーナーによる客観性のある評価が行われ、進行状況を確認します。能力・個性を最大限に生かした育成が行われます。
2歳から
2歳ほどになるとトレーナーとの訓練が一通り終了し、パートナーとなる障がい者の方との合同訓練が開始されます。合同訓練では、使用者とトレーナが訓練センターで宿泊しながら、犬との触れ合い方やお世話の仕方を学びます。約2~3週間はセンター内で訓練し、その後は自宅での訓練に移行します。
合同訓練は、身体障害者補助犬法で40日以上行うことが決められており、合同訓練が終了後は厚生労働大臣指定の法人で認定試験と審査を受け、介助犬と使用者のペアで登録されてはじめて、使用者は介助犬を同行し様々な施設を利用することができます。
10歳から
介助犬の引退は10歳ころで、その後は引退犬ボランティアのもとで余生を送ります。引退犬ボランティアには一般家庭のほか、使用者が引き続き飼育する場合や子犬の頃に育ててもらったパピーホームボランティアさんの家庭なども、候補にあがる場合もあります。介助犬として活躍することの多いラブラドールの寿命は13歳から15歳ほどですので、3から5年ほどの余生をゆったりと暮らします。
介助犬に向いている性格
介助犬は人間に対する愛着があり、人と何かを楽しむことが好きな子に向いています。
また環境への順応性が高い犬が向いており、電車に乗ったり、スーパーに出かけたり、様々な施設を利用し初めての場所でも興奮したり怖がったりしない性格が求められています。介助犬の場合、諦めない性格や飼い主に呼ばれたらスイッチの入る性格なども求められるそうです。
介助犬に向いている犬種
介助犬はほとんどがラブラドール・レトリバーです。他にも、ゴールデン・レトリバー、ラブラドールとゴールデンのミックス犬(エフワン)、スタンダード・プードルなども活躍しています。
仕事の内容から一定以上の大きさが求められるため、大型犬が基本的に選ばれます。
介助犬は欠かせないパートナー
身体の不自由な人にとって、日常のなにげない動きが困難となります。介助犬はそんな困難の手助けを行ってくれる欠かせないパートナーで、行動範囲が広がることにより社会との繋がりが深くなることに繋がります。街中で見かけたら突然触ったりせずに、やさしく見守ってあげてくださいね。
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この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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