エリザベスカラーの正しい付け方|おすすめ対策グッズを活用して愛犬のストレスを軽減しよう
ケガや皮膚炎・手術後などに犬が患部を舐めたり刺激しないように首に装着するアイテムのエリザベスカラー。愛犬の健康のためには必要なアイテムですが、動きが制限されたり、視界が悪くなったりと、大きなストレスになることも考えられます。
今回は、少しでもストレスが軽減されるようエリザベスカラーを購入したらやるべきことや正しい付け方、一緒に使うと便利なグッズなどを紹介していきます。
目次
エリザベスカラーとは
エリザベスカラーとは、首に巻き付けることで犬が傷口を舐めたり、手足で患部を引っ掻いたりしないようにするための道具です。しかし、サイズが合っていないと効果が得られないこともあります。
また、エリザベスカラーを付けることで普段よりも視界が狭くなり、音も聞こえにくくなるため、ストレスを感じずに普段通りの生活を送ってもらえるよう過ごしやすい環境にしてあげることが大切です。ここでは、エリザベスカラーを購入したら、装着する前にやるべきことについて紹介していきます。
フードや飲み水の工夫
エリザベスカラーを装着したままでのごはんは、愛犬にとって慣れるまで大変食べづらいものです。 フード用の台を使って器の位置を少し高くしてあげるだけでも食べやすくなりますので、ぜひトライしてみてください。 なお、飲み水にも同様の配慮が必要になります。
ケージに取り付けた給水機の場合は、柵にエリザベスカラーがあたってうまく水を飲めない可能性があります。高さ調整をしたり、器に入れた水を飲みやすい高さの台に置くなどの工夫をしてあげてください。
サイズ確認はしっかりと
エリザベスカラーのサイズが合っているか、特にマズルに比べて幅がしっかりとあるか確認しましょう。
サイズが緩ければ、嫌がっているうちにスポッと抜けてしまう可能性があります。飼い主が一緒にいる時であればすぐに付け直すことができますが、お留守番の最中に取れてしまえば、一気に傷口が悪化してしまうかもしれません。
また、エリザベスカラーの幅が狭いと、口が傷口に届いてしまい着けている意味がなくなってしまうこともあります。特にダックスフンドやイタリアングレーハウンドなどマズルが長い子は、通常のエリザベスカラーだと幅が足りない可能性もあります。装着したらしばらくの間は、傷口に届かないかどうか様子を観察しておきましょう。
安全な環境にする
ベル型のエリザベスカラーは、顔周りが覆われているため、視界が普段よりも狭まっています。普段のように元気に動き回っていると、あっちこっちにぶつけてしまいケガをしてしまうことも。
愛犬の動き回る範囲内には、ぶつかる可能性のある障害物などは撤去して、安全に過ごせる環境を整えてあげましょう。
エリザベスカラーを着ける時のコツ
ここでは、エリザベスカラーを上手に着けられる方法について紹介します。
おやつを使って楽しい記憶に結びつける
ベル型のエリザベスカラーを開いた状態にしお皿のようにして大好きなおやつを置きます。この時エリザベスカラーを愛犬に近づけて行かずに、愛犬自ら寄ってきて食べるのを動かずにじっと待ちましょう。
何度か置いては食べさせるを繰り返してエリザベスカラーに慣れてきたら、首に着けるふりをしておやつを与えます。愛犬が動き出して嫌がる前に、驚かせないようエリザベスカラーを手前に引いて外しましょう。
この動作を何度か繰り返し行い、慣れてきたらエリザベスカラーを装着し、またおやつを与えます。エリザベスカラーをつけることでおやつをもらえる!と楽しい記憶と結びつけることができれば、嫌がることなく装着できるようになるでしょう。
エリザベスカラーのつけ方を紹介している動画
エリザベスカラーを嫌がってしまう場合の対処法
エリザベスカラーは犬の行動を制限するものであるため、基本的にはどの犬も不快で嫌なものと思うようです。 しかし、愛犬が嫌がるからといってエリザベスカラーを取り外してしまうと、その隙に舐めたり掻きむしって患部を悪化させてしまうことがあるため、安易に外すのはリスクを含みます。
時間が経つと慣れて受け入れてくれることが多いので、しばらくの間、飼い主さんが近くで見守ってあげるようにしましょう。
素材をかえてみる
エリザベスカラーを愛犬が嫌がる原因のひとつに、硬く重たい素材であることが考えられます。
特に小型犬は、エリザベスカラーの重さを負担に感じてしまい、嫌がることがあります。 硬いプラスチック製は嫌でも、柔らかい布製のエリザベスカラーなら大丈夫ということは多いようですので、愛犬に合わせて出来るだけストレスのない状態を作ってあげましょう。
かかりつけの獣医師に相談して術後服に変更してみる
エリザベスカラーの他に術後服(エリザベスウェア)を使う方法もあります。これは洋服を着せて傷を舐めたり触ったりすることを防ぐものになります。
ただし、保護したい部位によっては術後服を着れない場合もあるので着れるかどうか獣医師に相談してみましょう。犬が服を着ること自体を嫌がる場合には、この方法は適していません。
症状や状況に合わせて睡眠環境を整えてあげましょう。
寝てる時やご飯を食べてる時はエリザベスカラーを外してあげてもいい?
答えは「×」です。
エリザベスカラーは「治療終了まで外さない」が基本です。
なのでご飯の時や寝る時も外してはいけません。 いったん外してしまうとその一瞬の隙を狙って傷口をなめてしまう可能性がありますし、エリザベスカラーをつける事を嫌がる子には、二度とつけさせてもらえないかもしれません。
◆寝る時にできる工夫はある?
エリザベスカラーをつけた数日は違和感があって邪魔で寝づらいだろうなと感じられるかもしれません。しかし寝てる時でもエリザベスカラーは装着をしなければなりません。慣れるまでは以下に注意してみましょう。
①食事のお皿を高い位置に置く
エリザベスカラーをする事で犬がごはんを食べづらそうにしているのなら、ごはんを台の上において高さを出してあげて下さい。深い容器というよりは、足つきの適度な深さの容器だと、口がフードに届きやすいです。皿が大きすぎるとカラーの縁に当たってしまうため、カラーとのサイズバランスも考慮してみてください。犬の顔の高さに合わせて台の高さを変えられる食器台なども売られてるので利用してみるのも手ですね。
②滑り止めのある食器を使う
カラーが引っかかって食器がひっくり返ってしまったり水がこぼれてしまったりというアクシデントが起こることもあります。長時間のお留守番をさせる場合などには、食器が滑らないように、裏が滑り止め加工された食器を使いましょう。
③エリザベスカラーをつけると全くご飯を食べない場合は・・
ごはんを全く食べない場合は、飼い主が傷口を触らないかチェックできる状況であれば、ご飯の最中だけならエリザベスカラーを外しても大丈夫でしょう。決して犬から目を離さないであげて下さいね。ただし再びつけるときに嫌がるようであれば、外すことはおすすめできません。
◆寝る時にできる工夫はある?
エリザベスカラーをつけた数日は違和感があって邪魔で寝づらいだろうなと感じられるかもしれません。しかし寝てる時でもエリザベスカラーは装着をしなければなりません。慣れるまでは以下に注意してみましょう。
①無理なく横になれているか確認する
ほとんどのエリザベスカラーは寝るときに着けたままでも問題なく横になれるはずです。もしサイズが合わないなどの理由から犬が寝られない体勢になっている時は、動物病院で相談するなどしてエリザベスカラーを交換してもらいましょう。
②睡眠をしっかり取れているか観察する
眠いはずの犬が寝ようとしない時にも注意が必要です。中には繊細な犬もいますのでどうしてもエリザベスカラーに慣れない(慣れるのに時間がかかる)子もいます。そういった子は睡眠不足に陥って体調を崩すことがあるので注意が必要です。できるだけ装着したままでも犬が寝られるように、飼い主が観察と工夫をしてあげましょう。
エリザベスカラーのストレスを軽減するおすすめグッズ
エリザベスカラーをつけることの大きなデメリットは、愛犬がストレスを感じてしまうことです。だからと言って回復するまでは外してあげることはできないため、少しでもエリザベスカラー生活を快適にストレスフリーに過ごす助けとなるグッズを紹介していきます。
食べやすさ飲みやすさを重視してストレスの軽減に
先述したように床置きの餌皿、ウォータボトルではエリザベスカラーが引っ掛かり上手く飲食できない場合があります。普段通りに食べたり飲んだりできないのは大きなストレスになりますから、少しでも飲食がしやすくなる商品を集めました。
術後で元気のない愛犬に!持ち手付きの食事補助食器
犬の回復力は驚異的なので、術後すぐでも普段通り歩いている子もいますが、ショックや体力の消耗によって動きたがらない子もいるでしょう。
持ち手付きの食事補助用食器なら元気のない子の口元へ食器を持っていくことができ、食べれないストレスを感じずに食事を楽しめますね。
- 商品名:ペティオ・Petio/持ち手付食器
ケージがなくてもOK!自立式の給水スタンド
ケージやサークルが無くても設置できる給水スタンドは、エリザベスカラーの引っ掛かりを防ぎ、快適に水分補給をすることができます。
飲み口の高さは16〜31cmの範囲内なら自由に調節できるので、愛犬の体のサイズに合った飲みやすい高さに変えることも可能です。給水ボトルの下には飲みこぼしをキャッチするトレーとトレー台があるため、床がビチャビチャになることもありません。
- 商品名:ドギーマンハヤシ/スタンドエコワンボトラー
長時間集中できるおもちゃでストレス発散
ここでは、エリザベスカラーによるストレスを少しでも軽減させるために、気を紛らわせて集中できる知育おもちゃを紹介します。
取り出す快感がたまらない!見た目もキュートなクッキートイ
見た目が可愛らしい牛乳パックとスクイーカー入りクッキーがセットになった知育おもちゃです。牛乳パックにクッキーよりも少し小さめの穴があいており、クッキーを出し入れすることができます。
ぬいぐるみのように柔らかい素材でできているので、万が一エリザベスカラーがぶつかっても痛くありません。おやつを穴の中に入れれば、夢中になってクッキーを取り出して遊んでくれるでしょう。
- 商品名:ZippyPaws(ジッピ―ポウズ)/ミルク&クッキーパズルトイ
おやつの隠しポケットがたくさん!集中できるノーズワークマット
おやつを隠すポケットがたくさんついていて、長時間集中できるノーズワークマットです。嗅覚と頭脳を使うので見た目以上に体力を使い、運動不足解消にもなります。
ベル型のエリザベスカラーだと引っかかって遊べない可能性もありますので、ドーナッツ型のエリザベスカラーを着用している子におすすめです。
- 商品名:ペット訓練毛布
転がすとおやつが出てくる!安全性にもこだわった知育トイ
おやつを中に入れてコロコロと転がすとおやつが出てくる見た目もキュートな知育トイです。アメリカ・シアトルのペットブランド「THE ODIN」が販売しており、中毒性のない素材を使用して安全性・耐久性にもこだわっています。2つを連結させて遊ぶこともできるので、口の大きな大型犬も楽しく遊べることができそうですね。
- 商品名:THE ODIN/犬が夢中になるおもちゃUp Dog Toys
愛犬のストレスを軽減する工夫してあげよう
エリザベスカラーに慣れるまではどうしてもストレスがかかってしまいますが、なるべく普段通りの生活ができるよう工夫してあげられるといいですね。安静にしてイチ早く回復できるよう愛犬の様子をチェックしながら、エリザベスカラーに慣らしていきましょう。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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