犬はきゅうりを食べても平気?栄養価や与える際の注意点も
水分を豊富に含んだきゅうりは犬が食べても大丈夫な野菜です。上手に与えれば水分補給やダイエットのサポートに役立ちます。きゅうりは歯応えもあり、好んで食べる犬もいます。とはいえ、与える量や与え方には注意が必要です。
この記事では、きゅうりの栄養素や愛犬に食べさせる際の注意点、きゅうりを使って簡単に作れるおすすめの犬用レシピなどをご紹介します。
犬にきゅうりを食べさせてもOK!
きゅうりには、犬にとって中毒となる成分は含まれていないため食べさせても大丈夫です。きゅうりの成分の約95%は水分なことから、夏の暑い時期には水分補給として与えるのもよいでしょう。
また、きゅうりは低カロリーの野菜で、100g(中サイズ1本程度)あたり14kcalしかありません。そのため、細かく刻んでフードにトッピングし、ダイエット中のごはんのかさ増しとして取り入れることもできます。
きゅうりの栄養素・成分を紹介
きゅうりに含まれている栄養素や成分について見ていきましょう。
ビタミンK
きゅうりにはビタミンKも多く含まれており、カルシウムを骨に沈着させる働きがあります。また、出血したときに血液を凝固させる働きにも関与しています。(※1)
カリウム
カリウムには、体液のpHバランスを正常に保つ役割や、体内の余分なナトリウムを体外へ排出する働きがあります。また、神経刺激の伝達や筋肉機能などにも関与しています。(※2)
βカロテン
きゅうりの色素成分であるベータカロテンは、粘膜や皮膚の健康維持をサポートする役割や、活性酸素の産生を抑制する働きをしているため、アンチエイジングの効果も期待できます。(※3)
ただしβカロテンを大量に摂取するとビタミンA中毒になるため注意しましょう。
βカロテンが豊富な野菜「人参」についてはこちらの記事をチェック
これらの他に、近年ホスホリパーゼという成分が注目を集めています。キャベツなどにも含まれており、脂肪分解力が高いことからダイエットの効果が期待できるとされています。そのため、肥満気味の犬へのダイエット食のトッピングとして役立つかもしれません。
犬にきゅうりを食べさせる際に気を付けること
ここでは、犬にきゅうりを食べさせる際の注意点を解説します。
きゅうりを与える際の目安量
きゅうりにはさまざまな栄養素が含まれており、水分量も多い野菜なので身体を冷やす効果が期待できます。そのため夏バテしている際は水分補給としてぴったりですが、与えすぎると下痢を引き起こすなどのデメリットが生じてしまうので、食べさせる量には注意してください。1回に与えるのは、以下の量ぐらいを目安にするようにしましょう。
- 体重5kgの場合:約35g(約1/3本)
- 体重10kgの場合:約60g(約2/3本)
- 体重20kgの場合:約100g(約1本)
小さくカットしてから与える
きゅうりは意外に硬いので、小さくカットしてから与えるようにしましょう。犬はよく噛まずに食べてしまうことが多いので、大きいまま与えると喉に詰まらせる恐れがあります。特に噛む力が弱くなってきた老犬などには注意が必要です。生のままでも大丈夫ですが、きゅうりはあまり消化に良くないので皮を向いて与えたほうが消化器官に優しいです。
最初は少量あげて様子を見る
まれではありますが、きゅうりを食べてアレルギーを起こす場合があります。また、きゅうりには食物繊維や水分が豊富に含まれていることから、一度にたくさん食べさせるとお腹を壊して下痢や嘔吐を起こす可能性があります。そのため、最初は少量にとどめ、愛犬の様子を見ながら与える量を調整するようにしましょう。以前にウリ科の食べ物でアレルギーを起こしたことがある場合はきゅうりを与えないでください。
ウリ科の食べ物についてはこちら
何も味付けしないで与える
マヨネーズやドレッシングが付いた状態のきゅうりは、犬にとっては味が濃すぎるので、味付けされたきゅうりは、たとえ欲しがっても与えてはいけません。きゅうりは淡白な味ですが、犬には味付けをせずに食べさせましょう。また、キムチやピクルスなどのきゅうりの加工品は塩分や調味料が多く含まれているので、こちらも与えてはいけません。
腎臓病の子には与えない
腎臓病を患っている場合など、腎機能が低下している犬に与えるのは避けましょう。腎臓の悪い犬はカリウムがうまく排出されず過剰摂取となってしまうことがあります。排出されないことでカリウムが体内に蓄積されていき、血中のカリウム濃度が高まることで高カリウム血症を発症する可能性があります。高カリウム血症は元気消失、ふらつきなどがみられ、重度の場合は不整脈や意識消失などを起こします。きゅうりに含まれるカリウムは微量とはいえ、最悪の場合死に至ることもあるので、与えないほうが安心です。
また、シュウ酸カルシウムやマグネシウムなどの成分によって尿路結石になるという説もありますが、きゅうりに含まれる成分はこちらも多くはないため、発症する可能性は低いといえます。しかし尿路結石の罹患歴がある場合は、食べさせないほうが無難です。
カリウムについてはこちらの記事をチェック
苦みのあるきゅうりに注意
苦味の強いきゅうりには、ククルビタシンという人間では食中毒を起こす原因とされている成分が含まれています。ククルビタシンは、多量に摂取すると下痢や嘔吐を引き起こすとされており、通常はヘタの部分に多いため、切り落とせば問題はないものの、成長が未熟であったり育て方によっては注意が必要なため、苦いきゅうりは与えるのをやめましょう。
きゅうりを使ったおすすめレシピ
ここでは、簡単に作れるきゅうりを使ったおすすめの犬用レシピをご紹介します。
きゅうりとアジの冷汁
きゅうりとアジの冷汁は、簡単に作れる栄養たっぷりのメニューです。作り方はとてもシンプルで、まずだし汁を用意し、ひと口サイズにカットしたアジと豆腐を入れて一煮立ちさせます。
そして、火を止めた後に刻んだきゅうりを入れ、すりおろした乾燥わかめを振りかければ完成です。
アジにはミネラルの一種であるセレンが多く含まれており、脳の活性化や免疫機能を高める働きなどをしてくれます。
きゅうりとじゃがいもの和え物
シャキシャキしたきゅうりと、ホクホクしたじゃがいもの食感が楽しめる和え物も、手軽に愛犬に作ってあげられるおやつです。
<材料>
- きゅうり:1本
- じゃがいも:1個
<作り方>
- 皮を剥いて千切りにしたじゃがいもを、火が通るまで茹でる。
- きゅうりを千切りにし、塩をひとつまみ振りかけ全体にまぶしてしんなりさせる。(塩はあくまでもきゅうりをしんなりさせる目的で使用するだけなので、ほんの少量入れる程度て大丈夫です)
- 1と和えて完成。
きゅうりとチキンのサラダ
寒天寄せのようなきゅうりとチキンのサラダはツルッとした食感です。夏の暑さで愛犬の食欲が落ちたときなどにおすすめですよ。
<材料>
- 鶏肉:50g
- きゅうり:15g
- パプリカ(黄・赤):それぞれ15g
- セロリ:10g
- 茹で汁:75cc
- 粉寒天:1cc
<作り方>
- きゅうりとパプリカ、セロリを1cm角にカットする。
- 沸騰したお湯に1を入れて軽く茹でる。
- 2を引き上げたら、同じお湯で鶏肉を火が通るまで茹でる。
- 茹で上がったら粗熱を取り1cm角にカット、もしくは細かく裂く。
- 粉寒天を分量の茹で汁で溶かし沸騰させる。
- ボウルに茹でた野菜類と鶏肉を混ぜ合わせ、5を注いで冷蔵もしくは常温で固める。固まったら食べやすいように、少しほぐしてから与えてください。
目安量を参考にして上手に与えよう
きゅうりは水分をたくさん含んでいるため水分補給になり、熱中症対策としても役立ちます。ただし、与えすぎると下痢や嘔吐を起こすこともあるので、目安量を参考にしながら、愛犬の様子を見て食べさせるようにしましょう。
また、近年、きゅうりにはホストリパーゼという食物酵素が含まれていることが明らかとなっています。ホストリパーゼは人では体内の老廃物や毒素を排出するデトックスの役割があるため、犬においても同様の効果がある可能性があります。
今回ご紹介したきゅうりを使った犬用のレシピはどれも作り方が簡単なので、愛犬のためにぜひ作ってみてくださいね。
<参考文献>
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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