犬が寒いと感じているときの8つの仕草とは?愛犬からのサインに気付こう
犬は全身が毛に覆われているため、寒さに強いと思われがちです。しかし、犬だって寒さを感じ風邪を引くこともあります。ですが、動物は言葉で伝えることができないため、飼い主が愛犬の行動や仕草から読み解かなければなりません。そこで今回は、どのような行動や仕草を見せると、犬は寒さを感じているのかを解説していきます。
犬が寒いと感じているときの仕草と行動
犬が寒さを感じているというサインはさまざま。どのような仕草をすると寒いと感じているのでしょうか。ここでは、寒がっている仕草を8つに分けてご紹介していきます。
- 身を寄せてくる/知らないうちに暖かい場所に移動している
- ブルブルと小刻みに震えている
- ベッド、ハウスから出て来ない/朝寝坊になる
- 散歩を嫌がる/動きたがらない
- 普段より水分を摂ろうとしない
- やたら吠える
- 体をコンパクトにする
- 尻尾を鼻先に持っていく/鼻先を足下に埋めるようにする
1.身を寄せてくる/知らないうちに暖かい場所に移動している
人間と同じで、暖をとるためのわかりやすい仕草といえます。しかし、身を寄せてくる場合は、震えたときと同様に寒さだけではなく、恐怖感から甘えまで別の理由も十分想定されるので、慎重に原因を探りましょう。
2.ブルブルと小刻みに震えている
人と同じように寒いときは犬も震えます。これは、筋肉を震わせることで体温を上げようとしているのです。震えるという仕草は、もっとも代表的で誰でも理解できる行動と言えます。ただし、寒さ以外でも、急激な緊張や恐怖を強いられているときに同様の仕草をすることがあります。犬が震えていたら、いずれにしても異変があると思って、原因を見つけて対応しましょう。
3.ベッド、ハウスから出て来ない/朝寝坊になる
これも人間とまったく同じ理由で、寒い冬の朝は、飼い主も暖かいベッドから出たくありませんね。
4.散歩を嫌がる/動きたがらない
暖かい屋内から寒い外には出たくないのも人間と一緒。どの犬も大好きなお散歩を嫌がるのは、かなり寒さがこたえている証です。ただし、この場合も体調不良など他の原因も考えられるため、様子を細かく観察してみてください。
5.普段より水分を摂ろうとしない
寒いときは水分消費が少ない上、水を飲むと体が冷えることもあり水をあまり飲まなくなります。冬は人間も冷たい飲み物をあまり飲まないのと同じです。ここで気をつけたいのが、隠れ脱水です。あまりに水を飲まない場合は、肉類を茹でた茹で汁やフルーツジュースなどを作って水分摂取を心がけましょう。
6.やたら吠える
寒いから家の中に入れて欲しいと訴える要求吠えです。室内飼いの場合はあまりありませんが、室内が暖かいことを知っている外飼いの犬の場合は吠えることで、家の中に入れて欲しいと訴えるケースがあります。
7.体をコンパクトにする
寒いときは犬も猫のように背中を丸め、頭と足をつけて体をコンパクトにします。これは、なるべく表出面積を小さくして体から体温が奪われないようにするためです。また、ハウスやベッドなど自分のテリトリーでその仕草をすることが多く、そこには防寒と同時に安心したいという気持ちが表われているのです。
8.尻尾を鼻先に持っていく/鼻先を足下に埋めるようにする
体をコンパクトにすることの延長として、鼻先を温めるようなしぐさを見せます。これらのしぐさには吸い込む空気の冷たさを和らげる効果が期待できます。
人間と同じように犬も寒がる!
このように寒いときの仕草や行動は人間と共通点がたくさんあります。犬は寒さに強いという先入観を持たずに、私たちと同じぐらい寒いという認識を持ちましょう。また、その仕草や行動が他の原因による場合もあるため、安易な判断は避けて慎重に見極めることが大切です。
愛犬に寒い思いをさせない!日頃からできること
犬が寒がっている仕草をしていると感じたら、暖かくしてあげる必要があります。犬が過ごしやすい快適な温度は18〜22℃、湿度は40〜60%と言われています。なるべくこの温度に近づけるように暖房器具などで室温を上げましょう。
また、加湿器などを上手に利用して乾燥しないように注意することも大切です。特に寒さに弱い小型犬やシニアの犬の場合は、外出時だけではなく、室内でも暖かい洋服を着せることも寒さ対策として有効です。
寝具や食事で寒さ対策を
意外と見落としがちなのが、寝ているときの床からの冷え。寝床となるマットやハウスは断熱性、保温性の高いものを使用し、ブランケットなども活用して寒さ対策をしてあげましょう。また冬には、人肌に温めた生姜入りのスープやラム肉などで体を内側から温めるメニューを取り入れることも寒さケアとして有効です。
犬は寒さに強いの?弱いの?
もともと犬は人間よりも高体温です。小型犬で39℃前後、大型犬でも38℃前後あるので、人間よりも寒さに対して高い耐性があるとされています。しかし、最近は室内飼いが多くなり、寒さに弱い犬が増えています。特に子犬やシニア犬、病気の犬は寒さに対する耐性が低いため、寒さに対するケアは念入りにしてあげましょう。
寒さに強い犬種と弱い犬種とは
犬はすべて寒さに強いと思いがちですが、犬種によってかなり異なります。犬には被毛が1層のシングルコートと2層構造のダブルコートの2つのタイプの犬種がいます。ダブルコートの犬種は寒い地域や四季のある地域原産の犬種に多く、被毛の量が多いオーバーコートと保温効果のあるアンダーコートが寒さから体を守るため、比較的寒さに強いタイプです。
一方、アンダーコートがないシングルコートタイプは、南の地域原産の犬種や小型犬に多く、こちらは寒さに弱い犬種です。プードル、ヨークシャテリア、マルチーズ、フレンチブルドック、ビーグルなどが代表的です。人気の小型犬種は、寒さにあまり強くないシングルコートタイプやダブルコートの犬種でもアンダーコートが少ないタイプが多いため、寒いときの仕草は覚えておきましょう。
寒いときと同様の病気の仕草を見逃さないで
寒いときに見せるしぐさや行動は、いくつかの病気のサインとも共通しています。また、寒い季節は犬にとっても病気が悪化しやすい季節でもあります。寒さのサインと思っていても、それが病気を知らせる場合もあるため注意が必要です。次のような症状が見られたら、動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
また、寒いときのしぐさではありませんが、体を掻いてばかりいる、大量にフケが出る、皮膚に黒ずみがあらわれるなどが見られたら、乾燥する冬に多い「乾性脂漏症」の疑いがあるため注意しましょう。
病気のサイン
- オシッコ回数が減った=水を飲まなくなった → 膀胱結石
- ブルブルと震える → 低体温症、何らかの神経症状、甲状腺機能低下症ほか
- どんよりとした元気がない表情 → 甲状腺機能低下症、低体温症ほか
- 動きたがらない=散歩を嫌がる → 四肢等の外科的損傷、低体温症ほか
快適な空間づくりを心がけて
“毛皮のコートを着ているのと同じだから、犬は寒くない”と安易に決めつけてはいけません。犬も人間と同じように寒いと感じ、寒さはストレスにもなります。特に小型犬は総じて寒さに強いわけではないため、飼い主は寒いときに見せる仕草や行動を見逃さずに十分な対応をして、愛犬とほっこりした冬を過ごしましょう。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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