カーミングシグナルって知ってる?愛犬からのサインを読み取れるようになろう
みなさんは「カーミングシグナル」という言葉を聞いたことがありますか?自分や自分以外の犬、人を落ち着かせようとする際に犬が使うサインで、言葉を話せない犬が周りと円滑なコミュニケーションをとるために行うものです。また、このカーミングシグナルはストレスを感じているときにも見られるため、飼い主として愛犬が発信しているサインを読み取り対応してあげることは信頼関係を築くためにも大切になります。本記事では犬のカーミングシグナルについてご紹介します。
「カーミングシグナル」とは
カーミングシグナルとは、【気持ちを落ち着かせる・心を静める】というような意味を持つ「calming」と、【メッセージを伝えるための合図・信号】といった意味を持つ「signal」の2つの単語が合わさってできた言葉で、人間でいうボディランゲージにあたるとされるものです。
カーミングシグナルには主に自分や相手を落ち着かせる役割があり、シグナルを出して自分の気持ちを伝えることで緊張状態を和らげたり、無駄な争いを避けたりしています。
愛犬のカーミングシグナルを読み取り対応することで信頼関係の構築に役立てたり、絆を深めることができるので、飼い主としてどのような場面でどのようなサインが見られることがあるのかを知っておきましょう。
カーミングシグナルが見られる場面は?
犬は緊張しているときや不安・ストレスを感じたときに自分を落ち着かせる目的でカーミングシグナルを出したり、興奮している相手を落ち着かせようとしてカーミングシグナルを出します。また、相手に敵意はありませんと伝える場合にもカーミングシグナルを出します。
主なカーミングシグナルを知っておこう
犬のカーミングシグナルにはさまざまな種類がありますが、ここでは日常生活で見られることの多いカーミングシグナルの一部をご紹介します。
あくびをする
緊張しているときやストレスを感じているときに犬はあくびをして自分を落ち着かせようとします。眠くないのにあくびをしている場合には、居心地が悪いと感じている可能性が高いです。また、飼い主さんに叱られているときにもあくびをすることがありますが、この場合は退屈といった意味合いではなくストレスを感じているので、「これはいけないことだよ」ということを伝えたら叱るのはやめにしましょう。
自分の鼻を舐める
自分を落ち着かせようとするときや相手を落ち着かせたいときに、自分の鼻や口の周りを舐めることがあります。
目を逸らす
ストレスを感じているときや相手を落ち着かせたいときには目を逸らすことがあります。愛犬を叱っているときにそっぽを向いたら「落ち着いて」と伝えようとしているかもしれません。また、犬同士でじっと視線を合わせることは挑発の意味もあるため、目を逸らして敵意がないことを伝えている場合もあります。
頭を振る
不安を感じたときや緊張状態から解放されたときに、気持ちを切り替えるために頭を振ったり体をぶるぶるとすることがあります。苦手な歯磨きやブラッシングのあと、抱っこされたり撫でられるのが嫌いな子は、終わった後にこのような態度をとることもあるようです。
背中・お腹を見せる
相手に敵意がないと伝える場合や降参という気持ちを伝えるときに背中を見せることがあります。その子の性格によってはお腹を見せることも。相手に落ち着いてもらいたいときにこのような行動をとり、緊張感を緩和しようとしています。
座る・伏せをする
お散歩時に他の犬と出会って座り込んだ場合や、遊んでいる最中に伏せをした場合には、争いを避けるために相手に対して「敵意はありません」と伝えようとしていると言われています。伏せをするのは服従の意味もあるようです。
また、周りに他の犬がいない場合にこのような行動をとるのは、自分を落ち着かせようとしていると言われています。ごはんやお散歩に行く前、飼い主さんと遊ぶときなどに伏せをするのは、喜びのあまり興奮しそうになる自分をコントロールしているのですね。
両手を伸ばしお尻をあげる
この姿勢はプレイバウと呼ばれるもので、相手を遊びに誘っているときに見せるサインです。その他にも、相手の緊張を和らげるためや、落ち着いてほしいときにもこのポーズをします。
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地面のニオイを嗅ぐ
犬は情報収集のためにニオイを嗅ぎますが、緊張していたり、自分や相手を落ち着かせたいときにも地面のニオイを嗅ぐことがあります。
間に割り込む
人と犬、犬と犬の間に割り込むカーミングシグナルは、相手をけん制するときに見られます。緊張感が高まりトラブルになりそうなときや落ち着いてほしいときにこのような行動をとるようです。飼い主さんに対して行う場合、「守ってあげる」、「気を付けて」という意味合いであるとされています。飼い主さんが言い争っている場面では「喧嘩しないで」というシグナルかもしれません。
カーミングシグナルを出さない子もいる?
カーミングシグナルは本能的に備わっているとされていますが、早い時期に母犬や兄弟犬たちと引き離された子犬はカーミングシグナルをうまく表現できなかったり、相手からのカーミングシグナルを読み取ることが苦手であるケースもあるようです。
また、垂れ耳や尻尾が短い犬種の場合、カーミングシグナルを出していても分かりづらく相手に伝わりにくいというケースも。しかし、犬はカーミングシグナルを無視され続けるとストレスが溜まるほか、カーミングシグナルを出すことを諦めてしまうと言われています。
カーミングシグナルの中には分かりづらいものもあるため、普段から愛犬の様子をよく観察し、何を伝えようとしているのかを飼い主さんが読み取ってあげることがとても大切です。
社会性を身に着けるためには他の犬や人との交流が欠かせませんが、お散歩中に愛犬が他の犬と出会ったときに不安や緊張のサインが出ていたら、無理に挨拶を続けず離れてあげるという判断が必要になることもあります。また、犬によっては緊張感が高く、これ以上近づいたら攻撃するよ!というサインを出していることもあるので、トラブルを防ぐ意味でも、犬のカーミングシグナルについて飼い主さんが知っておくことが大切なのです。
愛犬からのサインを見逃さないようにしよう
今回はカーミングシグナルについて簡単にご紹介しました。言葉を話せない犬はカーミングシグナルを使って自分の気持ちを伝え、無益なトラブルを回避してきたと言われています。
その子の表現方法や体の特徴によってはカーミングシグナルに気づきにくいこともありますが、さまざまな場面で自分の気持ちを伝えようとシグナルを出しているのに、飼い主が気づかないままだと心を閉ざしてしまう可能性もあるので、普段から愛犬の様子をよく観察してシグナルを見逃さないようにしたいですね。
とはいえ、犬のカーミングシグナルをはじめからすべて読み取るのは難しいものです。愛犬とたくさんコミュニケーションをとりながら、少しずつ理解できるようになっていきましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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