ボルゾイの平均寿命はどのくらい?かかりやすい病気と必要な運動量とは
スラリとした体型と上品な佇まいが魅力的なボルゾイ。日本ではなかなか見かける犬種ではありませんが、無駄吠えが少ない物静かな性格で、聡明かつ身体能力が高い犬として知られています。今回はそんな気品あふれるボルゾイの平均寿命やかかりやすい病気、長生きしてもらうために飼い主が知っておくべきことなどについてご紹介します。
ボルゾイの平均寿命って?
大型犬に分類されるボルゾイの平均寿命は、10〜12歳と言われています。犬の寿命は、体格が大きいほど短くなる傾向にあるため、小型犬や中型犬に比べると寿命は短いです。しかし、大型犬の平均寿命は10〜12歳(※1)なので、大型犬の中ではいたって平均的です。
なお、獣医療の進歩やペットフードの品質向上、室内飼育が一般的になったなどの理由から、犬の寿命は以前よりも延びており、平均寿命を超えて長生きすることも珍しくありません。
小・中型犬よりもシニア期を迎えるのが早い
シニア期を迎える年齢は、小型犬や中型犬の場合は8歳頃ですが、大型犬の場合は6歳頃です。小型犬や中型犬は、成犬になってから4歳ずつ歳を取っていくのに対し、大型犬は7歳ずつ歳を取るため、必然的にシニア期を早く迎えることになるのです。
ボルゾイの6歳は、人間の年齢に換算すると47歳(※2)ぐらいです。人間もこのぐらいの年齢から体が少しずつ変化していきますが、それと同じようにボルゾイも食欲や体力の低下、寝ている時間が増えてくるなど、徐々に変化が見られるようになっていきます。
そのため、シニア用フードへの切り替えや運動量の調節、健康診断を年1回から半年に1回にするなど、今まで以上に健康管理に気を配っていくことが大切です。
ボルゾイの最高寿命は?
ボルゾイの最高寿命は、15歳と言われています。
正式な最高寿命の記録は不明ですが、現在のところ15歳のボルゾイが実在しているそうです。15歳という年齢は、大型犬ではとても珍しく長寿になります。
ボルゾイがかかりやすい病気
病気を未然に防ぐために、ボルゾイのかかりやすい病気を知っておきましょう。
外耳炎
ボルゾイは垂れ耳であることから、耳の中が蒸れやすいので外耳炎にかかりやすい傾向にあります。
主な原因 | 症状 |
---|---|
・細菌や真菌(カビ)などの繁殖。 ・耳ダニなどの寄生虫 ・アトピーやアレルギーなどの過敏症 ・異物混入や腫瘍(しゅよう)などが炎症 | ・首のあたりをやたら掻く ・耳から異臭がする ・耳垢をよくみる ・耳が赤く熱を持ったような感じがする |
治療費 | 予防法 |
---|---|
・初期段階の治療:5千円前後 ・症状が進行している場合の治療:5万円前後 (7回程度の通院) ・手術の場合:15万円前後 | ・ペット用の耳洗浄液で耳掃除を 定期的におこなう |
ボルゾイの耳は垂れているので、イヤークリーナーなどを使って耳の中を清潔に保つように心掛けましょう。
皮膚疾患
ボルゾイはアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎などの皮膚疾患にも注意が必要です。気付かず放置してしまうと外耳炎などの病気を引き起こす原因になりますので皮膚は清潔に注意して観察をしましょう。
主な原因 | 症状 |
---|---|
・食物 ・ハウスダスト(ダニやその死骸など) ・花粉 | ・炎症 ・掻くしぐさをする |
治療費 | 予防法 |
---|---|
・1回の通院で約7,000円 | ・シャワー ・ブラッシング |
日頃からシャンプーやブラッシングをして被毛や皮膚を清潔に保つよう心がけ予防しましょう。なお、シャンプーのしすぎは、必要な皮脂までもが奪われ皮膚の乾燥を招くので、よほど汚れたりしない限りは月1回程度で大丈夫です。
胃捻転
胃捻転とは、何らかの原因により胃の中で発生したガスのせいで、胃が膨れ上がり捻れてしまう病気です。胸の縦幅が広い大型犬がかかりやすいので注意が必要です。
主な原因 | 症状 |
---|---|
・食事の早食いや大量の食事 ・運動前後に大量の水を飲む | ・元気喪失 ・吐きたくても吐けない ・呼吸が早い |
治療費 | 予防法 |
---|---|
・15〜30万円前後 | ・食事はなるべく少量を数回に分ける。 ・運動前後にたくさんの水を与えすぎない。 |
明確な予防法は分かっていませんが、食後に激しい運動をさせない、1回の食事量を多くしすぎないなどをすることで発症を抑えられると言われています。
発症してから対応が遅れると、最悪の場合は死に至ることもあるので、異変を感じたらすぐに動物病院で診察を受けましょう。
ボルゾイに必要な運動量
ボルゾイは狩猟犬として活躍していた犬種なので、身体能力に優れており、全犬種の中でもトップクラスの俊足を誇ります。そのため運動欲求が高く、多くの運動量が必要です。
散歩は、朝晩それぞれ1時間はするようにしましょう。ジョギングを取り入れた散歩なども向いています。また、時々ドッグランで走り回らせてあげるようにもしましょう。運動不足になるとストレスが溜まり、心身に悪影響を及ぼすため、十分に運動をさせる必要があります。
ボルゾイの長生きの秘訣は?
上記で解説した平均寿命はあくまで平均なので、それより長く生きる子もいれば、短い子もいます。できれば1日でも多く長生きしてほしいですよね。では私たち飼い主はどのようなことを心がけたらよいのでしょうか。
①食事で気を付けること
どんな食事が良いか
・動物性タンパク質が多いもの
・脂肪分が少ないもの
食事の与え方は・・
・早食いの防止
・一度に大量の食事を与えない ※食事は1日3回に分けて与えましょう
シニア以降の食事は?
・ウェットフードなどのやわらかいフード
・ふやかしてやわらかくする
②運動で気を付けたいこと
・散歩のペースをなるべく早めに(できればジョギング程度)
・ドッグランなど広いスペースで自由に走らせてあげる
・時間の目安は1日2回を1時間程度
運動不足になるとストレスの原因ともなり、「吠える」「噛む」などの問題行動につながる場合がありますので散歩は毎日欠かさず行きましょう。
③生活環境で気を付けたいこと
・毎日の運動
・ブラッシングなどの手入れ
・しつけの時は叱るのではなく褒める
・落ち着ける環境作り
ボルゾイは感受性が非常に鋭く、神経質な一面があるので、気配や物音に敏感です。ストレスをため込んでしまうことがあるので体罰や怒鳴るといったことは絶対にNGです。また落ち着ける環境を作ってあげることも大切です。静かな落ち着ける空間にベッドなどを置いてあげましょう。
一緒に過ごす時間を増やすために健康管理を徹底しよう
ボルゾイの寿命は、小型犬や中型犬に比べると短いですが、平均寿命を超えて長生きするコも多くいます。かかりやすい病気の予防をして健康を守ってあげましょう。また、健康を保つうえで、必要な運動量を満たしてあげることも重要です。毎日2時間程度は散歩をさせるようにしましょう。
(参考文献)
※1 アニコム損害保険株式会社 犬の寿命に関する調査・分析
※2 富山動物管理センター 犬と人間の年齢目安
こちらの記事もチェック!
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
ボルゾイに関する記事
犬の生態/気持ち
【犬種図鑑】貴族が愛したボルゾイってどんな犬?秘められた魅力や性格に迫る!
ボルゾイは、古くからロシアやヨーロッパの貴族たちから愛されていた犬種です。とてもエレガントで美...
2023年4月17日
飼い方/育て方
「ボルゾイ」ってどんな犬種?歴史や特徴、寿命、育て方のコツをご紹介
優雅な立ち姿で気品が漂う顔立ちのボルゾイは、その美しさだけでなく、抜群の俊足を誇る運動能力も兼...
2023年3月14日
犬の生態/気持ち
ボルゾイの平均寿命はどのくらい?かかりやすい病気と必要な運動量とは
スラリとした体型と上品な佇まいが魅力的なボルゾイ。日本ではなかなか見かける犬種ではありませんが...
2022年12月21日
犬の生態/気持ち
大きい体は子犬の頃から?ボルゾイの体重や体高の変化をたどる
大きな体と優雅なたたずまいが印象的なボルゾイ(Borzoi)。モデルのようなスリムな体型ではあ...
2022年12月1日