犬が飼い主を噛む理由は?子犬の甘噛みから成犬の本気噛みまで。噛み癖の対策方法
「最近よく飼っている愛犬から噛まれます」
「愛情たっぷりに面倒を見ているつもりなのに、うちのコは本気で噛んできている気がする・・・。」
そんな攻撃的な愛犬の姿に戸惑うことはありませんか? 今回は、子犬の甘噛みから成犬の本気噛みまで、なぜ飼い主を噛むのか?をライフステージ別に紐解いていきたいと思います。
愛犬が飼い主を噛む理由【成犬編】
成犬の愛犬が飼い主を噛むときは、どんな状況のときでしょうか?自分の愛犬が噛む姿やその状況を思い出してみてください。
なぜ、成犬は飼い主を噛むのか?
・背後からおしりを触ろうとしたら、噛まれた
・ボール遊びをしていて、愛犬の口からボールを奪おうとしたら、噛まれた
・ドッグフードを食べ終わったと思い、お皿を取り上げたら、まだ残っていたせいか、噛まれた
例えば、夢中でご飯を食べているとき、排尿・排便しているとき、愛犬を触ろうとしていませんか?急に起こされたり、踏まれたり、触ってほしくないところ(苦手なところ)を触ってしまったり・・・。意外と飼い主さんの接し方が原因かもしれません。
愛犬の気持ちを想像してみよう!
人と犬の気持ちのズレが、愛犬が「噛む」という状況を生んでしまっている可能性があります。例えば、どんなときに気持ちのズレが生じているのでしょうか?例に照らし合わせてみてみましょう。
例1:
犬『あ!なんか良いものしているものが落ちているから噛んで遊んでみよっ!』
飼い主『なんか変なものを食べている。危ないから吐かせなきゃ(そして口から取ろうとする)』
犬『嫌だ!取られちゃう』
ガブっ。
例2:
飼い主『今日はドッグフードに+トッピングしてあげよう(そして犬が食事しているところに近づく)』
犬『なんか来た!ご飯が取られちゃうかも!嫌だ』
ガブっ。
例3:
飼い主『地面が汚れているから抱っこしてあげよう!』
犬『足のつかないところは怖いよー』
ガブっ。
いかがでしょうか?このように愛犬の気持ちを想像すれば、だんだんと対策が分かってくる気がしますよね。
犬が飼い主を噛む理由【子犬編】
我が家にやって来たばかりの子犬は、小さくてよちよち歩きでとても愛らしいですよね。でも、そんなかわいい子犬でも時おり飼い主さんを噛んでしまうことがあります。その多くが「甘噛み」と呼ばれるものですが、なぜ子犬は甘噛みするのでしょうか?
なぜ、子犬は甘噛みをしてしまうのか?
・歯がかゆいので甘噛みをする
・噛む行為が楽しいので甘噛みをする
・自分に関心をもたせたいため、甘噛みをする
甘噛みは成長の過程でよくあることです。でも、ずっと放っておくのは良くありません。
愛犬に噛み癖がついてしまった場合の対策方法とは
それでは、噛み癖がついてしまった愛犬に対し、どのように接していけばよいのでしょうか?今回は簡単な対策方法を紹介します。
まず、自分自身が愛犬に噛まれないようにするためには
小型犬であっても、結構犬の噛む力は強いものです。何とか愛犬から噛まれることを回避する方法はないでしょうか?事例別に対応策を考えてみましょう。
●口に入れてはいけないもの(落ちているものなど)を愛犬が口にし、それを取り上げようとして噛まれる場合:
⇒ お気に入りのおやつをそっと横に置いて「よし!」と言ってあげてください。きっと上手くいくと思います。
●体を触られるのが苦手で、触ると噛まれる場合:
⇒ まずは、触っても大丈夫な部位を探してみましょう。その部位を触って、長時間触っても怒られないようになってきたら、徐々に触る部位を広げてみてください。気付くと、全身触れるようになっていると思います。
これ以上、噛み癖が付かないようにするために
愛犬が手足を噛んできたときにすぐに「痛い」と愛犬にアピールしましょう。さらに、愛犬を無視して遊びをやめてその場を立ち去るのもよい手です。噛んでくるたびに先の動作を繰り返していけば、徐々に『噛んだらいなくなっちゃうんだ』と愛犬が学習するようになります。
噛んでよいものとダメなものを理解させる
ちょっぴり上級編ですが、普段から、噛んでよいおもちゃを与え、噛んでいいのものといけないものの区別を理解させるのも必要です。
愛犬と遊ぶときは、手や体を直接ふれあってじゃれつかせるような遊びは避けて、おもちゃを利用します。そうしないと、つい愛犬が手や体の一部を噛んでしまうからです。手の中に収まるような小さなものではなく、大きなおもちゃを活用してください。
ロープの引っ張りっこやボール投げなどの十分な遊び、エネルギーを発散させることも大切です。興奮させすぎないようにコントロールし、遊びから興奮しすぎて噛むようなことを減らしていくのも予防策の1つとなります。
噛んではいけないものを片づける、かじられるものを回避することも飼い主さんの取れる対策としては有効です。 噛んでよいおもちゃを与え、一緒に遊び、褒めます。つまり、何を噛んでもよいのか理解させることが必要です。
噛み癖を直す際の、注意点
噛むような行為を監視できないならば、必要に応じてハウス・クレート等に入れるのも対応策の一つ。ただし、愛犬が災害時などの必要なときにハウス・クレートに入ること自体を嫌がるようになると困りますので、罰としてハウスに入れた、と愛犬に思わせないようにする工夫が必要です。
噛むような行為に至ってしまう愛犬に対し、怒ったり、叩いたりするのは逆効果。さらに事態が悪い方向に進んでしまうかもしれません。飼い主さんは愛犬に安心感を与えるように接しましょう。
「もう、こわがらなくても大丈夫!」。言葉が通じなくても、愛情あふれる態度で接し、愛犬が攻撃的になってしまう原因を回避しましょう。
エスカレートしたら、あきらめずにプロの力を!
嫌なことをされたり、怖くなるようなことに直面すれば、人間も動物も普段の穏やかな状態から大きく変わるものです。もしも、噛まれて出血してしまうような事態が続くようであれば、獣医師やドッグトレーナーなど、動物行動学に精通したプロフェッショナルの力に頼るのも1つの手であることを忘れないでくださいね。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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